勝つためのプロセスの過程にいる今、「スコアボードが全てを語るわけではない」(滋賀レイクスターズ)

81-88で東地区首位のアルバルク東京に敗れ、7連敗を喫した滋賀レイクスターズ。しかし、59-81と22点差で敗れた前日の試合と比較すれば、対等に戦えるまでに修正することはできた。この日は互いに11回もリードが入れ替わり、滋賀にも勝つチャンスは十分あった。だが、「相手に31本ものフリースローを与えてしまった。この数字を見るだけでも負けて当然である」とショーン・デニスヘッドコーチは首を振る。

アグレッシブなプレーで士気を高める新加入のベンキー・ジョイスは早くもチームにフィット

第2クォーター、早々に並里成選手が4つ目のファウルコールを受けた。辛うじて退場者こそ出なかったが、ディオール・フィッシャー選手とベンキー・ジョイス選手の両外国籍選手、10分30秒の出場時間ながらルーキー(特別指定選手)の佐藤卓磨選手も4ファウルを犯し、この日の40分間は綱渡りの戦いでもあった。ファウルトラブルにより、ディフェンスでのプレッシャーも消極的にならざるを得ない。A東京のアレックス・カーク選手にはインサイドで好き勝手やられ、40点を許している。

第3クォーター残り5分34秒、そのカーク選手に決められ48-54。A東京に流れが傾き始める。4つ目のファウルを犯したフィッシャー選手に代わってコートに入ったジョイス選手。今年1月11日に契約したばかりであり、まだ4試合目。「フィッシャーが4ファウルしたときにみんなが落胆していたので、リーダーとしてアグレッシブに戦い続けなければいけないと思ったんだ」。その言葉どおり、ボールを受けると迷うことなくゴールへとアタックし、4連続得点を挙げて58-60と追い上げていった。

マッチアップするカーク選手に対し、「ドライブでアタックすればアドバンテージが作れると思っていた。スピードでは上回っている自信もあったしね」。ジョイス選手の気持ちがこもったプレーが伝搬し、息を吹き返す滋賀。第4クォーター序盤は小林遥太選手や高橋耕陽選手がペイントエリア内を攻め込み、その都度リードを奪い返した。ファウルの多さが敗因となったが、勝ちたい姿勢の表れでもあり、紙一重の場面も少なくはなかった。

ディフェンスからハードワークし、タフネスに戦える集団になるためのプロセス

昨年12月23日の島根スサノオマジック戦から数え、これで7連敗。いずれも80点以上の失点で負けている。デニスヘッドコーチは「上位チームに比べて資金やタレント面で劣っている現状、スコアで上回るバスケットを目指すのは難しい。我々はディフェンスでその差を補っていく必要がある。どこが相手でも80点以上の失点を許してはならず、そのためにも正しいディフェンスをしなければならない」と言い、昨シーズン西地区最下位の滋賀の再建を図っている途中だ。
「勝つチームになるのは簡単ではない。上向くためにもハードワークが必要であり、タフネスに戦える集団として築き上げなければならない。それには時間がかかるものだ」

ディフェンスをベースにしながら、チームを向上させようという取り組みはアーリーカップの時点から感じ取ることはできた。敵将・ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチも、滋賀のポテンシャルには一目置いている。
「滋賀は最後まで諦めることなく、アグレッシブに向かってきた侮れない相手。本当に良いチームであり、どのチームにも勝てる力を持っている」

デニスヘッドコーチは、「スコアボードだけが全てを語るわけではない」という印象的な言葉を残した。ディフェンシブなA東京を相手に81点を獲れたことなど、敗れた中にもポジティブな要素は見られている。
「現在11勝21敗だが、昨シーズンに比べれば良いバスケットができている。今はチームが良くなっていくプロセスの途中にいる。結果として勝敗はあるが、プロセスを大事にして戦っている。正しい判断をし、目指すべきバスケットができていけば、自ずと結果につながっていくはずだ。信念を持って、お互いを信頼して、正しいバスケットを突き詰めていけば必ず勝つチャンスをつかむことができる」

次節は千葉ジェッツ、その次は西地区首位の琉球ゴールデンキングスとタフな試合が続く。より良いチームになるために一番必要なプロセスは、デニスヘッドコーチ曰く「練習あるのみ」である。

滋賀レイクスターズ

文・写真 泉 誠一