前向きな1勝(群馬クレインサンダーズ #15 栗原奨太選手)

首位にいた群馬クレインサンダーズだったが、今節の茨城ロボッツとの初戦を落としたことでB2中地区2位に後退。2連勝を挙げたファイティングイーグルス名古屋が首位に躍り出た。しかし、その差はたった1ゲーム。プレーオフ争いはこれからが本番である。

ヘッドコーチはホワイトボードを埋めることなく「自分たちでがんばりなさい」

69-76で敗れた翌日、平岡富士貴ヘッドコーチは「自分たちでがんばりなさい」と突き放すような指示を出した。その檄に対し、選手たちが自主的に問題を解決したことで96-78と快勝。ディフェンスから積極的にプレーし、38本ものフリースローを得たことが大きな勝因につながった。

ベンチスタートながら今シーズン初の二桁得点(10点)を挙げた栗原奨太選手は、「かなり前向きな1勝だったと思います」と手応えを感じている。敗れた前日は、「ヘッドコーチがホワイトボードに書いた注意点を守れず、遂行力が低かったです」。翌日のホワイトボードは空白の方が多かった。「簡単にレイアップされない、リバウンドを獲られないなどシンプルなことですが、それに集中できたことがこの結果につながったと思います」と課題点を明確にして臨んだことが功を奏した。

地元の前橋育英高校から日本大学を経て、群馬の一員になった栗原選手は早3シーズン目を迎えている。昨シーズンは60試合中37試合を先発で起用されたが、今シーズンは9試合に減少。12.2分のプレータイムは、1試合平均で10分も減っている。自ずとスタッツは下降し、栗原選手自身も「まだまだですね」と厳しい状況が続いていた。その中において、茨城との2連戦は平均プレータイムを大きく上回るとともに、先に挙げたように10点を挙げる活躍であった。
「まだまだ高みを目指しますが、この2試合は満足のいく結果だったと思います。今シーズンはなかなか結果が出せていなかった中で、ちょっと手応えを感じられる結果ではありました」

スタメンに対するこだわりはない。継続してコートに立てることを重要視

ホワイトボードに指示を書くことを放棄した平岡ヘッドコーチだが、試合中はフリースローなどで時間が止まる度に栗原選手をベンチ前に呼び、様々な指示を送っている。「もっと自分自身に自信を持って積極的にプレイをしてくれれば、もっと彼の良さは出てくる。まだ躊躇してしまう場面がありますが、この2試合は彼に助けられた部分もあります」と労うとともに、ここを起点にさらなる成長を期待していた。

群馬はスターターとベンチメンバーの得点数に遜色がない。茨城戦も初戦は37点:32点、2戦目に至っては47点:49点と後者のベンチメンバーが上回っている。オンザコート数が1-2-1-2と決まっており、主力となる外国籍選手が1人しか先発起用できない部分も要因と考えられる。だが、他のチームの数字を見ると、先発メンバーが10点以上多いケースがほとんどだった。

「スタメンに対するこだわりはそれほどないです」と栗原選手も言っている。「出場機会をもらったときに、しっかり継続してコートに立てるようには意識しています」と与えられたチャンスを生かし、信頼を勝ち取ることを重要視していた。他の選手も同じ意識を持っているからこそ、チーム全体として効率良く得点を挙げられている要因だろう。

ディフェンスやリバウンドに絡むことなど、スタッツには表れない部分での栗原選手の活躍も見逃せない。
「ディフェンスでプレッシャーをかけたり、他の選手がスティールしやすいようにボールを引っかけたり、スタッツに残らないけど見ている人には分かるプレーはいくらでもあると思っています。そういうところをヘッドコーチも重視して評価してくれるからこそ、がんばれます」

次節3月10日-11日はバンビシャス奈良を迎え、ヤマト市民体育館前橋にてホームゲームが待っている。3月11日の試合後、選手と一緒に写真が撮れる(先着40名)『選手グリーティング』に栗原選手が登場。また、B2はスポナビライブにて、レギュラーシーズンは無料開放されているのも朗報だ。B1昇格を目指すB2のガムシャラな戦いをこの機会にぜひ見て欲しい。今シーズンもすでに40試合を終え、残すはあと1/3の20試合。ここからは一つひとつの勝利がプレーオフ進出に向けても大事になってくる。

群馬クレインサンダーズ
B2はスポナビライブにてレギュラーシーズン無料開放中

文・写真 泉 誠一