満身創痍の京都ハンナリーズ──献身的な選手が揃ったチーム力で初のチャンピオンシップへ挑む

各60試合に及ぶレギュラーシーズンも、残すは今宵(5月7日19:05@北海きたえーる)行われるレバンガ北海道vs新潟アルビレックスBB戦のみとなった。しかし、ポストシーズンに影響はなく、すでに5月12日(土) ・13日(日)に行われるチャンピオンシップ・クォーターファイナルの組合せは決まっている。8強クラブは優勝に向かって、照準を合わせはじめた。

チャンピオンシップ・クォーターファイナル:5月12日(土) ・13日(日)

シーホース三河 vs 栃木ブレックス(ウィングアリーナ刈谷)
アルバルク東京 vs 京都ハンナリーズ(アリーナ立川立飛)
琉球ゴールデンキングス vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(沖縄市体育館)
千葉ジェッツ vs 川崎ブレイブサンダース(船橋アリーナ)

最終戦では唯一、クォーターファイナルと同カードであり、前哨戦となったA東京vs京都戦はホームのA東京が2連勝(78-71、106-68)を飾った。敗れた京都は満身創痍である。

5月2日の西宮ストークス戦、ジョシュア・スミス選手がコート外に設置されていたボールゲージ上のボールを殴打し、それにより飛んだボールで一般来場者を負傷させたことに対し、5試合出場停止と罰金の懲罰が科された。京都のスターターを担うスミス選手は、平均16.8点/9.4リバウンドでチームトップの活躍。チャンピオンシップへ向けて大きな戦力を失った。

さらにA東京戦ではコンディション不良の伊藤達哉選手が出場せず、初戦で15点を挙げたマーカス・ダブ選手も実は肩から上に腕が上がらない状況だったために2戦目はプレーしていない。ジュリアン・マブンガ選手は2戦目の途中で自ら『×』を出してベンチに下がるシーンがあった。それでもしばしの休息を経て、痛みをこらえながらコートへ戻る。マブンガ選手も「本来は出したくはなかった」と浜口炎ヘッドコーチが言うように、水曜ゲームを挟んでのアウェー5連戦という厳しい状況に選手たちの体は悲鳴を上げていた。
「それでもチームのために献身的なプレーをする選手たちばかりなので、コートしてはすごく助かっている」

厳しい状況ではあるが、バスケットは個人で戦うスポーツではない。足りない部分を補いながらチームとして一致団結してこそ力が発揮できるものである。2戦目こそ100点ゲームで大敗を喫したが、ダブ選手がいた初戦は71-78の接戦に持ち込み、チーム力で対抗できるきっかけはつかめたはずだ。

インサイドで身体を張った永吉佑也は『怖じ気づくことなく戦える自信はついた』

外国籍選手が揃わない中、インサイドで身体を張った永吉佑也選手。「今週はスケジュールが大変でした。その分、体の負担も大きかったです。常にきついですが今週は特にきつかったですし、今日はコンディションも十分ではなかったです」と彼もまた本調子ではない。

アレックス・カーク選手などA東京の外国籍選手とマッチアップし、「やっぱり身体能力やシュート力は確かにすごいです」と感心していた。「でも、やれないわけではないし、止められないわけでもない。怖じ気づくことなく戦える自信はつきました」と直前に対戦できたことで得るものもあった。前節から2日間で移動と準備をしなければなかった今節だが、チャンピオンシップまでは5日間もある。

「リフレッシュして、いつも通りの状態でファーストラウンドを迎えられます。40分出ることも心配してません。最後までフルで出るつもりで、身を挺してでも勝ちにいかなければならないし、そのための準備をしていきたいです」

ラストゲームのテーマを聞かれた浜口ヘッドコーチは「ケガなく終えること」と率直に答えていたが、見ている側としても同じ気持ちであった。ケガ人や出場停止処分の選手がおり、体制が整わない京都だったが、その中でもチャンピオンシップを見据えた準備は怠っていない。これまでのA東京戦を振り返れば、天皇杯予選は同時期にFIBAワールドカップ アジア地区予選が行われ日本代表選手たちが、ホーム開催時は馬場雄大選手がケガのために不在だった。ようやく「フルメンバーのA東京と戦えたことがメリットである」と浜口ヘッドコーチは述べ、万全な対策を立ててふたたびアリーナ立川立飛へ戻って来る。心配されるケガ人たちは、「痛みをこらえてでも出られるようになれば良い」と願うような状況であり、コートに立てるのかどうかはまだ分からない。

NBL最後のチャンピオンになったあのときと同じ状況と思えば…

チャンピオンシップはセミファイナルまでは3戦2先勝方式(ファイナルのみ一発勝負)で決着をつける。京都にとっては今節の2連敗からはじまった5戦3先勝方式と捉えることもできる。後がないがけっぷちに追い込まれたことを発憤材料にすれば、異なる結果だって得られるかもしれない。
「そういう考え方はおもしろい。実際にNBL最後のときの東芝時代も同じような状況がありましたしね」

Bリーグが誕生する直前のNBL2015-16シーズン。永吉選手は当時の東芝(現川崎ブレイブサンダース)に所属し、5戦3先勝方式のファイナルにおいてアイシン(現シーホース三河)に2連敗し、後がなかった。しかしその後に起死回生の3連勝を挙げ、最後のチャンピオンになった。ともに戦った晴山ケビン選手も今は京都におり、あのときと同じ状況である。
「最後に勝てれば良いだけです」
2連敗をしているが、肉を切らせて骨を断つことだってできるはずだ。

京都ハンナリーズ

文・写真 泉 誠一