色褪せない輝きを放つゴールデンエイジー1984年組―(チャンピオンシップ クォーターファイナル:アルバルク東京vs京都ハンナリーズ【第1戦】)

外国籍選手が一人欠ければ、下馬評は一気に下がるのが国内リーグの常である。しかし、ここは日本のリーグだ。日本人選手こそ活躍して欲しいと常に願っている。それこそが、日本代表が世界の扉を開けるためにも必要不可欠だからだ。京都ハンナリーズはジョシュア・スミス選手が5試合の出場停止処分を受けており、チャンピオンシップ ファーストラウンドは不在のまま第1戦がはじまった。

勝敗を分けた第3クォーター

「先週は勝ちに行くというよりも、この試合で勝つためにどう戦うかを考えていました。相手の全てのプレーは頭に入っていたし、先週の経験をこの試合に全部出そうと思って戦っていました」

そう話す岡田優介選手は、第1クォーターに3本放った3Pシュートを全て決め、京都を勢いづかせる。ともにオンザコート2を選択した第2クォーター、京都は2人しかいない外国籍選手と永吉佑也選手をタイムシェアし、勝負どころではマーカス・ダブ選手とジュリアン・マブンガ選手を同時起用し、リードを奪う。前半を終え、45-34とリードしていたのは京都の方だった。A東京はジャワッド・ウィリアムズ選手のファウルトラブルもあり、竹内譲次選手を戻し、オンザコート1で対抗を試みる。しかし、「ディフェンスとリバウンドを意識していたが、なかなか自分的にも良いリズムでプレーできていなかったです」と前半は不満が残る内容だった。京都は外国籍選手が一人足りない中でもリバウンド数はほぼ互角でしのぎ、3連戦目は前節の教訓を生かしていた。

再びオンザコート1をともに選択する第3クォーター。今シーズンのA東京は、前半にビハインドを背負うと落ち着かなくなり、そこから巻き返せずに敗戦となった試合も少なくはない。しかし、チャンピオンシップに臨むA東京のメンタリティーはこれまでとはひと味違った。「田中(大貴)が良いリズムを作ってくれたのも大きかったです」と竹内選手が振り返るように、強気のペイントアタックで京都のディフェンスをこじ開けて点数を重ねて行く。持ち前のディフェンスが機能したA東京は第3クォーターを9点に抑える。11点差ではじまったが、その差を縮めるだけではなく5点上乗せして59-54と逆転に成功。京都は頼みの3Pシュートで反撃を試みたが、第3クォーターに引き離された点差が響き、82-75でA東京が先手を取った。

「いつもは第4クォーターに体力を取っておくのですが、今日は勝つしかないのでそこは考えずに最初から全てのエナジーを出すイメージで戦っていました。決められたはずのシュートを後半は落としてしまいました」と岡田選手は体力が消耗してしまったことで精度を欠いた。しかしシュートは水ものである。敗因は、「ディフェンスのローテーションや相手のピックに対して前半はうまく守れていたのに、後半はそのレベルが下がったのが悔やまれます」。前半のターンオーバーは4つでしのいでいたが、第3クォーターだけで5つも犯して自滅し、浜口炎ヘッドコーチも「もったいなかった」とうつむくしかなかった。

ゴールデンエイジたちの競演

2007年のユニバーシアードで世界4位となったゴールデンエイジも、今年34歳を迎える(迎えた)。日本のバスケを牽引してきた1984年組が、両チーム合わせて5人もいる。先に挙げた岡田選手と竹内選手の他に、菊地祥平選手と正中岳城選手(ともにA東京)、京都にも内海慎吾選手がおり、今なお輝きを放っている。

「常に第一線で戦っていたいし、まだまだ峠を通りたくない。このチャンピオンシップでもひと泡ふかしたいし、それこそが自分らしさでもある」と闘志を燃やす岡田選手。外国籍選手とマッチアップする機会も多い竹内選手は、「マブンガ選手をどう守るかと言うことを先週から模索しており、3Pシュートを打たれない守り方をしていた」と言うとおり、コートに立っていたときは完全に抑えていた。

この両チームにはゴールデンエイジとともに、そこへ続く中堅そしてルーキーにも有望な選手が揃っている。前半こそ3本の3Pシュートを決め、岡田選手が上回ったが、マッチアップしていた田中選手も後半にやり返して意地を見せた。竹内選手に対して永吉選手が身体を張って対抗し、日本人ビッグマンたちもゴール下の激しい攻防を繰り広げている。ルーキーの馬場雄大選手(A東京)と伊藤達哉選手(京都)が勢いづけ、選手個々のマッチアップを見ているだけでも、チャンピオンシップの激しさが伝わってきた。

もう一度、みんなで戦いたい!そのためにも勝つしかない

試合終了間際、京都のマブンガ選手がアンスポーツマンライクの判定を受けたあと、立て続けにテクニカルファウルを告げられ,その時点で退場するはめになった。次の試合に出場停止となる可能性も考えられるが、この原稿を書いている時点では何もアナウンスはない。絶体絶命の状況だが、岡田選手はひとつのモチベーションを見出している。

「次の試合で勝ち抜ければ、セミファイナルは全員でプレーできます。そのためにも第2戦に勝たなければなりません。もう一度、ベストな状態でみんなと一緒に戦いたい。今は分が悪い状況だがバスケは何が起こるか分からないし、その奇跡を信じて京都からブースターさんが来てくれています。そのためにも勝つしかない」
5試合の出場停止処分のうち、第1戦で3試合を消化。本日行われる第2戦とともに、勝ち抜くためにも必要な5分ハーフの第3戦もカウントされ、そこで勝てばセミファイナルは処分が解かれる。

第1戦の集客数は1629名だった。3戦2先勝方式ながら、2戦目で1勝1敗になったあとすぐさま5分ハーフの第3戦が行われ、いずれにしても2日目で決着がつく今日はどの会場も満員になると期待している。1戦目に勝ったA東京だが、2日目に連敗するようなことがあれば今シーズンがその時点で終わってしまう。見納めることにならないように会場を埋め、声援を送って欲しい。第2戦(1勝1敗となった場合は第3戦も)は本日5月13日(日)15時05分からアリーナ立川立飛にて行われる。

文・写真 泉 誠一