ホームじゃなかったら負けていた(チャンピオンシップ クォーターファイナル:千葉ジェッツvs川崎ブレイブサンダース【第2・3戦】)

チャンピオンシップに臨んだ8強のうち、残念ながら半分がオフシーズンへと追いやられた。B1残留プレーオフやB2プレーオフでは昇降格する各2クラブが決まり、天国と地獄のような結果が突きつけられている。満員となった5108名の熱気に包まれる中、千葉ジェッツ(東地区1位)vs 川崎ブレイブサンダース(ワイルドカード/東地区3位)の激しいクォーターファイナルにも決着がついた。

40分+10分ゲームを戦い抜く長い1日は体力消耗戦

第1戦は87-65で千葉が快勝し、迎えた第2戦。「第1戦は千葉のシュートが決まりすぎていた部分と、簡単に打たせてしまったことで自滅した試合でした。しかし、第2戦はしっかり止めることができました」とニック・ファジーカス選手が挙げた反省点を生かし、第2クォーターは千葉を9点に抑えている。北卓也ヘッドコーチも「選手たちは修正する能力があり、しっかりとアジャストしてくれた」と想定した戦いができ、71-61でリベンジを果たす。これで1勝1敗となり、20分間のインターバルを挟んで5分ハーフの第3戦で決着をつけるのがBリーグのルールである。

ギャビン・エドワーズ選手のシュートが決まり、千葉が先制した。第2戦からお互いに精度を欠いていた3Pシュートを、ようやく決めた千葉が突き放していく。前半終了間際、レオ・ライオンズ選手が決め、続けざまに第2戦は6本打って1本も決めていなかった富樫勇樹選手の3Pシュートがネットを揺らし、14-6と8点差をつけて折り返す。川崎の辻直人選手は、「シュートタッチは悪くなく、試合も良かったので何が原因で入らなかったのかは自分でも分からない」と1本も決められなかったことに責任を感じていた。大きな2本の3Pシュートにより、千葉が22-15で10分間の第3戦を制し、セミファイナル進出を決めた。

第2戦ももつれてはいたが、残り3分を切ったあたりから千葉の選手たちは第3戦も覚悟し、その準備をはじめる。第3戦に出番がなかったマイケル・パーカー選手は、「ここはもう任せろ。ただし、第3戦はお前とレオ(ライオンズ)で決めてくれ」と富樫選手に伝え、敗戦処理を買って出る。「第2戦は今シーズン一番と言っても良いほどひどく、あれ以上はもうないと気持ちを切り替えました」という富樫選手は、第3戦へ向かうまでの20分間でシャワーを浴び、シューズも含めて全てを着替えて新たな試合に臨んだことで7点を挙げ、普段通りの活躍を見せた。

対する川崎は、第2戦で体力を消耗しきっていたことは否めない。北ヘッドコーチは、「第3戦で疲労が見えていたのは確かである。第2戦はファウルトラブルもあったが、プレータイムを分散できていれば第3戦を戦う『脚』が残っていたと思う。これはもう私の責任」と認めている。第2戦こそ、ファジーカス選手に32点を奪われたが、「第3戦に向かうにあたり、体力の消耗戦でもあった。ファジーカス選手に対してコンタクトしていった部分での疲れが第3戦に現れていたと思います」と相手の体力を削るプレーに徹したエドワーズ選手。第3戦、ファジーカス選手は先発出場するもすぐさま交代し、前半は温存している。対する千葉は、エドワーズ選手を含め5人を10分間出し続けて勝ち切った。敗れたファジーカス選手は、「最悪な気分です。10分間は短すぎる…」と首を振っていた。

『6番目の選手』とともに戦うホームコートアドバンテージ

チャンピオンシップはこれまで全てホームチームが勝ち上がっている。絶体絶命となった千葉や琉球ゴールデンキングスも大きな声援によって巻き返し、セミファイナルへと勝ち進んだ。千葉は昨シーズン、優勝した栃木ブレックスに対し、相手ホームで行われたファーストラウンドで敗れている。「昨シーズンは悔しい思いをした分、ホームでチャンピオンシップを迎えたい思いがすごく強かったです。ホームの大歓声の中で試合ができ、ファンは6番目の選手だと思っているので、すごくありがたかったです」と小野龍猛選手は笑顔を見せた。

試合直後、「ホームじゃなかったら負けていたし、本当に勇気をもらった」と大野篤史ヘッドコーチも厳しい試合を勝てた最大の要因としてホームコートアドバンテージを挙げた。富樫選手は「今まで60試合を戦ってきて全体2位となり、チャンピオンシップもホームで4試合できる権利を勝ち取れたことは、がんばってきて良かったと全員が実感できたと思います。ホームの声援の後押しを受けて、次は2連勝で進みたい」とセミファイナルを見据えていた。

川崎ベンチ側も白いTシャツを来たファンが埋め、負けずに一緒に戦っていた。「素晴らしい川崎コールは選手の後押しになった。選手たちもタフに戦ってくれたことをうれしく思う。負けてしまったが千葉はタフで素晴らしいチームであり、勝ち上がるに値するチーム」と北ヘッドコーチはファンや選手たち、そして長くチームを支えてくれた東芝にも感謝をしていた。

セミファイナルのカードが決まり、最高勝率(48勝12敗)のシーホース三河は東地区2位のアルバルク東京をホームに迎える。いずれも第3戦までもつれた千葉vs琉球は、ファイナルが行われる横浜アリーナへの切符を懸け、ふたたび激しい試合が待っている。千葉vs琉球はシーズン最終戦でも対戦しており、そのときは千葉がホームで2連勝(通算3勝1敗)を挙げた。

満員となった船橋アリーナは光や炎でショーアップされ、ハーフタイムにはクリスタル ケイさんのライヴも行われ、熱戦を彩る最高の空間であった。なおかつバスケのゲーム自体も申し分ない熱戦となり、観客たちを酔わせていた。第1戦で快勝したことも、東地区1位の強さを示す証拠であり、ホームのファンにとっては最高のプレゼントになったはずだ。あと3勝すれば、頂点に立つことができる。そのためにもファンの声援が不可欠である。

文・写真 泉 誠一