指揮官のホワイトボード

弊誌フリーペーパーVol.20は『指揮官のホワイトボード』というテーマで、多くのヘッドコーチにご協力いただき、そのフィロソフィーを紹介している。制限ある誌面の都合上、載せきれなかった3名の金言を紹介したい。

『リスペクト』勝久ジェフリー(サンロッカーズ渋谷)

小さい頃から父親の仕事の関係で様々な国を回って背景があります。いろんな文化や人に出会い、様々な経験をしながら触れ合ってきました。自分とは価値観や文化が違う人たちともお互いを分かり合い、尊重し、常にリスペクトをもって接することは親から学んだことです。

バスケでも同じです。1891年にバスケが始まり、そこから様々な人が関わりながらゲームを作ってきた先人たちがいるからこそ、自分たちが今バスケができているわけです。そこにもリスペクトをもって良いプレーをし、築いてきたものを無駄にしないよう、毎試合理解し、それにふさわしいプレーをしなくてはいけないと思っています。

チームスポーツなので、そのバランスが難しいところもあります。どこまで自分を主張し、どこからがチームに貢献しなくてはいけないか、線引きすることは難しいです。しかしながら、チームスポーツはやはりチームのためにプレーするのが大前提としてあります。また、自分に対するリスペクトも必要です。自分自身や自分の努力を尊重することが大切であり、それがあるからこそ仲間と切磋琢磨し、プレータイムを勝ち取る競争ができます。自分の努力に対してリスペクトがあるからこそ、チームのためにがんばることができ、チームの底上げにつながります。自分を含めた全てのことに「リスペクト」すること、それがわたしの大切にしていることです。

『言い訳をさせない』ショーン・デニス(滋賀レイクスターズ)

私は「言い訳をさせない」をモットーにしています。コーチングする中で、個人の潜在能力を引き出す環境作りに力を入れています。良い選手と悪い選手という分け方ではなく、潜在能力を引き出せた選手とそれをしなかった選手しかいないと思っています。つまり私の仕事はコーチ陣、選手、スタッフの潜在能力を引き出す最適な環境を提供することです。
また、私は各々の担当者に自主的な判断や決定権を与えることが良いことだと信じています。ともに働く仲間には仕事を楽しんでもらいたい、好んでやってもらいたいと思っています。常に私は関わる仲間たちに対し、自分自身から成功したいと思わせるか、何が成長に繋がるかを探しています。「男に魚を1匹与えて1日を乗り切らせることもできるが、釣りの仕方を教えて一生食べ物に困らない様にすることもできる」という格言があります。この格言が私は大好きで、この哲学を生活の中に取り入れるようにしています。私が教え、手助けすることでチームの生産性はより高まります。この自主的な生産力こそが成功への秘訣です。

滋賀レイクスターズは良い方向へ進んでいますし、我々はお互いに使命感を強く持ち、自分たちのパフォーマンスに責任を持つことを学んでいます。私自身これまでの道のりを心から楽しんでいます。

『自分を上回る指導者を育てバトンを渡したい』鈴木貴美一(シーホース三河)

コーチとして、日本代表で活躍する選手を輩出することを一番に考えています。必ず我々のチームには、日本代表の様々なポジションでエースクラスと言われる選手が出ています。どの選手たちも良い素材を持っており、様々なチームの中で努力し、日本代表に選ばれる選手がいっぱいいます。その中においても、必ず日本代表で一番だと言われる選手を育てたいのが僕の考えです。以前は竹内公輔くん(現栃木ブレックス)が大黒柱であり、柏木(真介)くん(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)もエースポイントガードだった時代もありました。今は比江島(慎)くんがエースになっています。(橋本)竜馬君は大学生時代、ユニバ代表を落とされましたが、その後の努力で今では日本代表に入れるまで成長してくれました。日本代表で活躍する選手を育てることがまずひとつのテーマです。

もう一つは、ここで育った選手が将来のバスケ界に貢献できるような人になって欲しいと思っています。現役時代にシーホースでがんばっても、引退後に消えてしまうようなことは避けたいです。選手としてはもちろんですが、デュアルキャリアを考えながら人間としてどう成長させていくかは常に考えて指導しています。引退後も、指導者やスタッフとしてバスケに携わり、シーホースOBたちが日本中で活躍することを願っています。

最後にもう一つ、将来を見据えればいつまでも僕がヘッドコーチをできるわけではありません。今はまだピンピンしていますが、いずれは自分を上回る指導者を自分のそばで育てて、ヘッドコーチのバトンを渡したいです。

※所属チームは2017-18シーズン所属チームで表記

バスケットボール・スピリッツ編集部

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