特別異色対談①島田慎二さん×すべすべさん「ジェッツは好きだけど島田は嫌いとよく言われます」

バスケットボールスピリッツvol.23に掲載した千葉ジェッツ島田慎二代表と謎のマスクマンすべすべさんの対談。限られた誌面では到底収まり切らなかった熱いトークの続きを3回に分けてお届けする。

「ジェッツは好きだけど島田は嫌いとよく言われます」

――島田さんがすべすべさんの存在を知ったのはいつごろですか?

島田 いつごろかなあ。最初はよくわからなくて、ツイッターなんかでよく『すべすべさん』という名前が出てくるので、ちょっとマニアックなバスケ評論家みたいな方がいるのかなあと思ってました。

すべ バスケ評論家!(笑)

島田 ところが、ジェッツのブースターの方と話していても「それはアレじゃない、すべすべさんに聞いた方がいいんじゃない」とか、ちょくちょく名前が出てくるんですね。そのころは私もツイッターをやり始めてまだ1年半ぐらいだったんで、あんまり意識はしてなかったんですけど、私のつぶやきをリツイートしていただくこともあり、改めてすべすべさんのツイートを読ませてもらったんです。そしたら名前と違って全然ふざけた人ではなくて、まじめにバスケのことを考えてる人なんだなあというのが伝わってきました。時には私のツイートをフォローしてくださることもあり、ちゃんと客観的に見てくださってるんだと嬉しくなったりもしました。

すべ いえ、僕は自分が感じたことを言っているだけなので。まあ、ツイッター上にいろんな意見があるのはいいことだと思うんですよ。ただ単に矢を射る人とかね。おかしいと言ったら失礼ですけど、読んでいてそれって的外れなんじゃないの?と思うことがあるわけです。矢を射る心境の根底にあなたももう少し考えなきゃいけないところがあるんじゃないの?みたいな。決して上から目線ではなくて、なんか違うなと思ったことをツイートしてるだけなんです。あのころは島田さんと知り合いでも何でもなかったし、島田さんをフォローするというより俺はこう思いますよって自分の意見を言っただけという感じでした。

島田 そうですね。僕はそれが嬉しかったです。だいたい僕はこういう性格なので、SNS上でも賛否両論が激しいんですよ。ジェッツは好きだけど島田は嫌いだとか、島田が嫌いだから今ひとつジェッツを好きになれないとか、結構言われますね。私からすると、そんなことつぶやかれても…と思うんですが(笑)

――すべすべさんはどうですか?やはり‟アンチすべすべさん„はいる?

すべ もちろんいますよ。でも、そういうのはあまり気にしないようにしています。相手の感情というのは自分がコントロールできるものではないし、自分のことをそういう目で見てる人がいても仕方ないかなあって。ただ、自分で言うのもなんですが、正直、それほど嫌われていないのではと思ってます(笑)

島田 いいなあ。

すべ いや、自分がそう思ってるだけで。

島田 僕なんかツイッターでは、ほら、例の『島田お漏らし事件』(※Bリーグの外国籍選手起用についてのルール変更を公式発表前にツイートしてしまった)があるしね。もういろんなところから突っ込まれるは、リーグからは怒られるはで大変でした。だけど、言い訳するつもりはないですけど、あのツイートについては何の策略があったわけではなく、もうとっくに発表されてるもんだと思い込んでたんですよ。もうみんな知ってるとばっかり思ってました。だから、ツイート後の反応を見て、ええっ、みんなまだ知らなかったの?って。

――逆にびっくりした?

島田 びっくりしましたよ。

すべ 移籍情報とかはもう出ていましたもんね。

島田 そうそう、外国籍選手は誰を獲るんだ。1人なのか、2人なのか、帰化選手はどうするんだとか、ファンだっていろいろ知りたいし楽しみにしてるじゃないですか。こんな移籍情報が活発化しているときに重要な情報がオープンになってないなんてバカじゃないのって。リーグに叱られて謝りつつも、心の中では、あんたたちも情報出すのが遅いよ!って思ってました。

すべ ハハハ。でも、それってすごく大事なことですよね。Bリーグは今年で3年目を迎えるわけですけど、ファンとして何を望むかといえば、まずは透明性。なんかまだファンが知らないところで事が運んで、あとから「こうします」みたいなことを言われて「?」となることがあります。納得できないファンはモヤモヤしてしまう。

島田 そうでしょうね。

すべ そういうことがないためにも情報発信は早くしてほしいし、その理由とかも明確に示してほしいですね。自分が応援しているチームも含め、そういった情報発信力はまだまだ足りないと感じています。

島田 情報公開とか、透明化とか、スピード化とか、課題は多いですね。変なたとえですが、たとえば美味しいラーメン屋さんがあったとします。すごく美味しいけど、その店に入ると汚い厨房まで見えている。私はどっちかって言うとその方が楽しいという感覚があるんです。

すべ それ、なんとなくわかります。

島田 クラブで言えば厨房はフロントで、そこの生々しい部分も見せていくことの方が楽しいんじゃないかっていう感覚ですね。社長としていろんなものをオープンにしてコミュニケーションを取っていきたいという思いがあるんです。野球やサッカーはすでに少々敷居が高くなってしまっている。第3のプロスポーツと言われるバスケットには違う切り口があるはずです。ファンともっと近い、同じような価値観を作っていく方がおもしろいんじゃないかと思うんですね。

すべ 同じ社長でも島田さんの顔ははっきり見えますからね。

島田 まあ、そのせいで『お漏らし事件』を起こしちゃったり、叱られたり、嫌われたりもしますけど(笑)

すべ 僕はSNSなんかでは批判の声が目立ちがちですが、理解しているファンはそれ以上にいると思っています。理解している人はわざわざ「私は理解しています」なんて言わないですから。だから、リーグもチームも自分たちはこういう思いでこういうことをやっているというのをもっと示して、それを貫いてほしいと思います。つまらないことを恐れたりせずにそこはもっとチャレンジしてほしいですね。

島田 恐れずに…ですね。私もツイッターを始めたころは過激な反応があるとちょっとへこむこともありましたが、今ではピクリともしなくなりました(笑)こうやっていろんなところでいろんな人と付き合って発信しているのだから、それを好きな人もいれば嫌いな人もいる。それはもうしゃーないなと。

すべ さっきも言いましたが、他人の感情はコントロールできませんからね。

島田 今では落ち込まな過ぎる自分がちょっと怖くなることがあります。

すべ 島田さん、それ、すごいですよ(笑)

千葉ジェッツ
アースフレンズ東京Z
栃木ブレックス

文・松原貴実 写真・安井麻実