栃木ブレックス 橋本晃佑 #21

ケガから復帰した今シーズン 「もらったプレータイムを裏切らない仕事をしたい」 part2

Bリーグが誕生して3年。リーグ発足時にプロ選手としてデビューした選手たちはいわばBリーグと同い年だ。Bリーグとともにプロのキャリアを積んできた彼らを訪ね、コートに立つ“今”と歩んできた道のりについて話を聞いた。

part1より続く

ケガに泣いた大学時代「それでも得たものはたくさんありました」

進んだ東海大の当時のキャプテンは狩野祐介(滋賀レイクスターズ)、3年生には田中大貴(アルバルク東京)、須田侑太郎(琉球ゴールデンキングス)、2年生にはザック・バランスキー(アルバルク東京)、晴山ケビン(京都ハンナリーズ)、藤永佳昭(千葉ジェッツ)、同期にはベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)、小島元基(アルバルク東京)、頓宮裕人(京都ハンナリーズ)など有力選手が顔を揃え、在籍した4年間で関東大学バスケットボール選手権(2回)、関東大学バスケットボールリーグ戦(3回)、全日本大学バスケットボール選手権(2回)の優勝に輝いている。しかし、橋本個人について言えば、輝かしい栄光の陰で「ケガに泣いた4年間でもありました

新人戦優勝という幸先のいいスタートを切った1年生の夏、足に激痛を覚えた。

日本代表の合宿に呼んでもらっていたんですが、脛の部分が徐々に痛くなってきたんです。かなり痛かったんですけどチームの中で1番年下だったこともあり、なかなか言い出せなかったんですね、で、そのまま我慢して練習してたらどんどん痛みが増して、ついに歩けなくなっちゃったんです。レントゲンを撮ったら疲労骨折してました。完治まで2ヶ月ぐらいかかって、秋の大学リーグにも出られず。それがものすごく悔しかったです

ところが、今年こそ頑張ろうと闘志満々で迎えた2年生のリーグ戦ではなんと初戦で手の親指の付け根を骨折して全治3ヶ月と診断される。

リーグ戦の初戦、それも試合開始直後ですからショックも大きかったです。だけど、手以外は普通に動かせたので、毎日走っていたし、下半身を鍛えるトレーニングを続けていました。とにかく走って、走って、ちょっと心が折れそうになるぐらい走って、あれはきつかった。自分でも本当によく頑張ったと思いますね(笑)

3年生になった年はスタート時から絶好調だった。

最高にコンディションが良くて毎試合二桁得点してたぐらい好調だったんですよ。よっしゃー、今までコートを離れてた分もやってやるぞってテンションも上がってたんですけど、今から思うとそういうときこそ気をつけなきゃいけなかったんですよね

リーグ戦の中盤で右足を骨折。即時入院し、その年のインカレ出場は絶望となった。

なんで俺ばっかり…と思いましたね。インカレは3連覇が懸かっていたし、チームにも迷惑をかけるし、みんながリーグ戦を戦っているとき自分だけ病院のベッドの上にいて、無力感というんでしょうか。何もできないことがつらかったです

そんな橋本を支えたのは陸川章監督のことばとチームメイトたちの励ましだ。

リクさんはいつもポジティブであったかい人です。ひとことで言えば仏様みたいな人(笑)。そのリクさんがケガした僕に『つらいのはわかるが、起こることには全て意味があるんだぞ。いいことも悪いことも必ず次につながる意味があるんだよ』って言ってくれたんです。もちろんケガなんてしない方がいいに決まってるけど、起きてしまったことは仕方がない。もし、そのケガにさえ意味があるんだとしたら、それが何なのかを考えて、自分の“次”に生かすしかないなって、そう思ったらだんだん気持ちが楽になりました。仏様のポジティブシンキングに救われたんです(笑)

仲間たちも入れ代わり立ち代わり病室にやってきた。

しばらくして、ザックさんが『俺は晃佑といっしょに戦う』と言って自分のバッシュに僕の背番号“21”を書き込んでくれたんですね。そしたらそれがどんどん広がって全員のバッシュに“21”が並んだんです。その写真を見たとき、もう泣きそうになりました

結局ケガなくバスケットに打ち込めたのは4年生の1年間だけだったが、「それでも得たものは多く、いい4年間だった」と、今も思う。栃木ブレックスに入った年に大ケガを負ったときも下を向かずにいられたのは、『大学4年間で得た何か』だったような気がする。

レギュラーシーズン最後の仙台(89ERS)戦でリバウンドに跳んだとき相手の膝が入って変な感覚があったんです。でも、せっかく出場するチャンスをもらったんだからもうやるしかないと思ってました。ハーフタイムにテーピングしてもらって後半も出たんですけど、走っていたら膝がガクッとなってそのまま立てなくなっちゃって。前十字靭帯断裂と診断されたときは、またかよって思いました。今度は骨じゃなくて靭帯かよって。もちろんショックでしたよ。だけど、ほら、僕にはリクさんの教えがありましたから。『起こることには全て意味がある』って、あのことばです。落ち込んでいてもケガが良くなるわけじゃない。だったら、次に向かうためにも今自分ができることを精一杯やろうと。ネガティブにならずそう切り替えられたのは、自分が少し強くなれたってことかなあと思ってます。まあ、それもポジティブシンキングですね(笑)

part3に続く
「リーグ優勝したいです。全力で優勝に貢献したいです」

文 松原貴実
写真 安井麻実

栃木ブレックス

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