【Talking NATIONS】バスケビジネスにおけるGM(ゼネラルマネージャー)の役割

待ちに待ったバスケシーズンの到来。
国内外のリーグも開幕し、お気に入りのチームや選手の活躍に一喜一憂する日々が始まる。
とはいえ、オフシーズンはオフシーズンで移籍やトレードなど話題に事を欠かないのもプロスポーツの魅力である。

そんな話題の裏で大忙しなのが、GM(ゼネラルマネージャー)と呼ばれる役職の人々だ。
数年前にブラッド・ピット主演で話題となった『マネーボール』という映画をご存知だろうか?
メジャーリーグの貧乏球団のGMに就任したブラッド・ビット演じるビリー・ビーンGMがセイバーメトリクスという統計学によってチームを編成し常勝チームに変えていくノンフィクション映画だ。興味のある方は是非見ていただきたい。

GMという職種は一言で例えるならば、船頭の役割だ。実際にコーチ陣、選手、スタッフなどの人事権はもとより、チームの方向性や予算面の差配など、求められる要件は多岐に渡る。バスケットボールへの理解、ビジネスリテラシー、コミュニケーション能力が重要となってくる要職だ。

NBAの場合は全30チームにGMは必ず登用されており、GMの力量によってチームの成績や方針が大きく変わり、数年単位でチームの動向を見てみると、その影響力の大きさは顕著に現れるのが面白い。傾向を見るに、「チームの特色」をしっかりと設定し、それに基づいてブレない行動をしているチームは強い。一方で、何よりも先に選手獲得にフォーカスしてチームの軸が毎年のようにブレてしまうチームは浮き沈みが激しい。選手ありきでのチーム編成ではなく、方針ありきでのチーム編成が重要な時代だと感じる。

例えば、「高いエンターテインメント性」を求めるような派手な都市においては、得点のなかなか入らない、地味なディフェンシブチームでは人気は上がらないだろう。その場合、得点が多く入る「早い攻撃展開を軸としたチーム作り」をしようということをチームの経営方針として議論し、決定したとする。
GMがまずやるべきは選手を集めることではなく、その方針転換に適したコーチ陣やサポーティングキャストの招集であり、単に得点をたくさん取れる選手を集めてくることではない。
『チーム方針の中で』得点をたくさん取れる選手を集めてくることが大切で、ここが組織的なミスマッチを生む最大のポイントだったりする。

一般的な組織論として、上意下達の組織作りは、ブレない軸を植え付けていく上では非常に大きい要素だ。NBAでは近年、エージェント経験者がGMに就任するケースが増えてきており、また彼らはかなりの高い確率で成功している。リーグのルールの熟知、GM同士のネットワーク、何よりも選手の嗜好性の理解。エージェント業務を通じて、すでにこれらが備わっていることが、彼らの成功確率を上げていると個人的には考えている。
日本の場合は、GM職はチームによってあったりなかったり、GMとして役職を置いてはいるものの、総務部長的な職務範疇の域を出ないケースも多い。

スポーツビジネスとして人材輩出を促進していく上でも、B.LEAGUEの名物GMというような形で、注目を集めるようなプロフェッショナル人材の出現を大いに期待したい。

日本のバスケを盛り上げましょう。

 

MAKE B-BALL MAJOR
文・平将貴

B.LEAGUE、NBA、日本代表、3×3、ストリート、学生バスケ。「すべてのバスケファンが集まるプラットフォームアプリ」 ”NATIONS” を運営する株式会社NATIONSの平将貴社長からスポーツビジネスの最前線にまつわる連載コラムの寄稿をいただきました。月1回更新予定。この記事はバスケットボールスピリッツフリーペーパーでの連載を転載しています。

株式会社NATIONS 代表取締役社長 平将貴
Twitter: @Masataka_Taira

グリーやメタップスなどITベンチャーでの幅広い経験を活かし、スポーツビジネスに参入。日本のバスケットボールビジネスを底上げすることをミッションとして奔走中

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