JBLとの違いが見えたプレシーズンゲーム

31得点を挙げたドルフィンズ#22アマット・ウンバイ選手。この日はやられたブレックス#25古川孝敏選手だが、外国籍選手とのマッチアップを歓迎している。

31得点を挙げたドルフィンズ#22アマット・ウンバイ選手。この日はやられたブレックス#25古川孝敏選手だが、外国籍選手とのマッチアップを歓迎している。

いよいよ9月28日に開幕を迎える新リーグNBL。プロチームと企業チームが混在する形はこれまでのJBLと変わらないが、レギュレーションは変化が見える。明確に変わった点は3つ。

  • 8チームから12チームに増加
    (6チームずつ東西カンファレンスに分かれ、上位各3チームがプレーオフ進出)
  • 1チーム当たり42試合から54試合に増加(bjリーグは52試合)
  • 優勝賞金1千万円

それ以外に、外国籍選手が同時に2人出場できるオンザコート2を採用(1Qと3Qのみ。2Qと4QはJBL時代同様オンザコート1)された。2007-2008シーズンまでオンザコート2だったので、そこに目新しさは感じられず。登録選手数12名や1億5千万円のサラリーキャップなどはチーム運営基盤によって揺らぐので、現時点で公平感は見出せない。
ここまでが発表されたレギュレーションを単純に見ただけの感想だ。

しかし、実際にコートで戦う選手たちを見ると、その印象は少し異なる。
9月16日、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、リンク栃木ブレックス、千葉ジェッツ、和歌山トライアンズがアウェイである東京に集結して行われたプレシーズンゲームを観戦。台風が上陸する中、NBL開幕を待ち焦がれる約1578人が来場。
その試合を目の当たりにし、ポジティブな変化がいくつか感じ取れた。

  • 日本人選手vs外国籍選手のマッチアップ
  • コート内が騒がしく、ベンチも賑やか
  • ボールや勝利への執着心向上
  • 下位チームやベンチプレイヤーたちの倍返し

日本人選手vs外国籍選手のマッチアップ

オンザコートが1人でも、2人でも、これまではポジションや身長差も関係なく外国籍選手同士がマッチアップをしてきた。トヨタ自動車アルバルク東京のジェフ・ギブスは188cmをマークするのもやっぱり2mを越える外国籍選手ばかり。また、昨シーズンまでのオンザコート1では2人がベンチ入りでき、ファウルアウトにならない限り、いずれかの外国籍選手を投入することができた。
しかしNBLでは、1Qと3Qに最大2人の外国籍選手を起用できるが、ベンチに座るのもその2人までであり、バックアップはいない。オンザコート2の3Qであっても、ファウルトラブルなどで1人しか使えない状況になれば、外国人と日本人のマッチアップが余儀なくされる。
ブレックスの古川孝敏は、オフシーズン中に海外移籍を模索していた。残念ながら契約に至らず日本に戻ってきたが、外国籍選手たちとマッチアップできる環境を手に入れた。しかしこの日、マッチアップしたドルフィンズ#22アマット・ウンバイに31点を獲られてしまう。
「今日はボコボコにやられてしまい、レベルが高いと思いましたが、それも良い経験になります。もっとハングリー精神を持ってやっていきたいです」

ウンバイが3番ポジション(F)にいることで、ドルフィンズもまた日本人選手が外国籍選手とマッチアップする機会が増える。鵜澤 潤は、「ウンバイを生かすためにも僕らがインサイドを踏ん張ることが、チームのためになります。外国人とマッチアップすることはやり甲斐があります」と古川と同じように歓迎していた。

コート内とベンチの熱気

日本代表がアジア9位と不甲斐ない結果を残し、コート内も静かなまま終わったことは苦い記憶として、今も脳裏にこびりついている。
それと比較すれば、プレシーズンゲームに登場した4チームは、コート内が良い意味で騒がしく、ベンチも賑やかに盛り上げていた。
また、プレシーズンゲームにも関わらず、ラインギリギリのボールに飛び込んでボールを追う姿勢が多く見られたのが印象的だった。当たり前の行為だが、意識していなければできないプレイでもある。

昨シーズン、親会社の業績悪化に伴い、休部となったパナソニック。そのチームを請け負う形で新規参入したトライアンズ。今年もこれまでと同じく新しいシーズンを迎えることできた木下 博之は、「トライアンズという名前も一緒ですし、仲の良い川村選手も入って来て、一層がんばろうという気持ちは強いです」と心機一転踏み出した。西地区はアイシンシーホース三河が飛び抜けてると予想され、大差が付く試合が強いられるのではないか?という質問に対しては、「強い弱いに関係なく、いかに選手全員が一生懸命やるかが大切」と木下は言う。
「日本のバスケットボールを盛り上げたい」という思いで選手会ができたことも大きな要因なのかもしれない。
コート内で選手自ら熱くなれば、いつかはきっとその熱が飛び火し、盛り上がっていくはずだ。

ベンチウォーマー、下位チームたちの巻き返し

チーム数が増えたことで、昨シーズンまでベンチを温めていた選手たちが率先して動き、プレイタイムを勝ち獲り始めている。ジェッツに移籍した宮永 雄太と小野 龍猛は先発出場を果たし、オンザコート1の時間帯には荒尾 岳がインサイドで体を張る。完全なる新チームである熊本は、JBL、JBL2、bjリーグ、SOMECITYと様々なリーグの選手たちを集め、船出を迎える。
どこまでできるのか?新天地でその存在感を示す時がやって来た。

レバンガ北海道とドルフィンズは過去6シーズンのJBLにおいて、最下位争いを続けて来た。負け癖に取り憑かれたチームにとっては、新しく始まるNBLはリセットできるチャンス到来。
「昨年まではチーム内に悪い流れや勝てない嫌なムードが漂っていました」と認めた鵜澤だが、「新しく来た選手たちがその負の部分を払拭してくれているので、チームはガラッと変わりました。特に優勝経験も多い同期の朝山(正悟)と話す時間は長く、客観的に感じたことを指摘されるので気付かされることも多くあります」とチームの変化を実感している。

単にリーグ名称を変えただけと思っていたNBLだったが、実際に試合を見たことでその印象は大きく変わった。JBLに比べ、12試合も増えたレギュラーシーズン。途中で息切れしてしまう心配もある。しかし、今回感じたコート内での盛り上がりやボールへの執着心を全面に出し、激しいバスケットを見せてもらいたい。
選手たち自身が、メジャーになりたい、と意識を変えれば、自ずとプレイに現れることだろう。

NBL 2013/9/16
千葉ジェッツ 55-50 和歌山トライアンズ
三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋 75-69 リンク栃木ブレックス