2016 年秋開幕の男子新リーグ 18チーム3地区制で入替アリ! JPBL階層分け決定!!

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2015年8月29日(土)、東京都内でJPBL(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)の記者会見が行われ、2016秋開幕の男子新リーグに参加する45クラブの階層分け(1~3部)が発表された。 前回、7月30日(木)の記者会見ですでに一部のチーム(1部12クラブ、2部5クラブ、3部3クラブ)については発表済みで、今回は1部の残り6枠にどのクラブが入るか注目された(コメントは抜粋)。

【登壇者】
川淵 三郎(一般社団法人JPBL チェアマン)
大河 正明(一般社団法人JPBL 理事)
境田 正樹(一般社団法人JPBL 理事)

右から大河理事、川淵チェアマン、境田理事

右から大河理事、川淵チェアマン、境田理事

川淵:今日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。この1カ月間、1部、2部、3部をどのように分けていくか、相当精力的に動き回りました。各クラブとも何とか1部に入りたいという強い思いがあり、行政を交えて相当な活動がありました。各クラブが懸命に努力してくださったことに心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。最後の1カ月で大逆転をしたクラブもありました。この勢いが1部リーグに入るときだけでなく、これから先、しっかりとそのエネルギーを継続し魅力的なクラブづくりに邁進してほしいと思っております。

 残念ながら今回1部に入れなかったクラブに関しましては、非常に心が痛む思いもありますが、情熱を持ち続けていただいて、「地域に根差す、魅力あるチーム、みんなに愛されるクラブ」として成長し、早い時期に1部に上がってほしいと思います。各クラブが今持っているエネルギーをどう継続していくかが各クラブの成長に関わっていき、新しいバスケットボールリーグの発展につながると思います。皆さまのご支援を、心からお願い申し上げます。

 FIBA(国際バスケットボール連盟)からは(日本のバスケの現状から)、14クラブぐらいが良いという話がありました。14±2(12~16)のトップリーグを、と言われたんです。ですが、各クラブの1部に参入したいという思いや、ハードルを越える努力がかなり強力に行われたということで18クラブにしたいと思います。中国が20クラブ、韓国が10クラブ、オーストラリアは8クラブです。日本の実力からいうと数は多いと思いますが、日本中で愛されるバスケットボールクラブが誕生するためには、これくらいの数が適当ではないかと思います。将来の活躍によってはクラブ数を増やすこともあり得ると、私自身は考えています。

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■この日の階層分けとそのプロセス
川淵チェアマンの挨拶のあと、すぐに階層分けが発表され、続けて大河理事より階層分けのプロセスなどについてコメントがあった。

階層分けのプロセスを説明する大河理事

階層分けのプロセスを説明する大河理事

1部6クラブ=レバンガ北海道(NBL)/日立サンロッカーズ東京(NBL)/横浜ビー・コルセアーズ(TKbj)/新潟アルビレックBB(TKbj)/富山グラウジーズ(TKbj)/滋賀レイクスターズ(TKbj)。

2部18クラブ=岩手ビッグブルズ(TKbj)/パスラボ岩手ワイヴァンズ(NBDL)/サイバーダインつくばロボッツ(NBL)/群馬クレインサンダーズ(TKbj)/東京エクセレンス(NBDL)/アースフレンズ東京Z(NBDL)/信州ブレイブウォリアーズ(TKbj)/西宮ストークス(NBL)/広島ドラゴンフライズ(NBL)/島根スサノオマジック(TKbj)/熊本ヴォルターズ/大分・愛媛ヒートデビルズ(TKbj)/レノヴァ鹿児島(NBDL)

3部6クラブ=埼玉ブロンコス(TKbj)/東京海上日動ビッグブルー(NBDL)/東京サンレーヴス(TKbj)/東京八王子トレインズ(NBDL)/金沢武士団(TKbj)/ライジング福岡(TKbj)

滋賀、1部決定!

滋賀、1部決定!

大河:今回の決定について簡潔にご説明をさせていただきます。1部2部の可能性のクラブは15クラブありました。その中ですでに売上規模2億5000万円以上を確保しており、あとはアリーナの収容人数を確認することがポイントであった日立東京滋賀については、その状況が確実であろうと判断されましたので、この2クラブをまず1部と決めさせていただきました。

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新潟、1部決定!

さらに売り上げ規模がほぼ届いている状況の中で、アリーナについて行政からの支援が出てきたクラブ。そして、財力の安定性に少し課題があったところを見事にクリアされる見通しが立ったということで新潟北海道も1部と決めさせていただきました。

横浜、1部決定!

横浜、1部決定!

残る2つは相当な議論をしました。例えば、ポイントとしたのは現在の事業規模、1年先2年先に確実だと思われる事業規模。さらに債務超過などを踏まえた財務安定性、クラブの株主構成の安定性や経営者の状況。それに行政の支援の有無、アリーナの状況、リーグ所属年数などをトータルに比較した結果、岩手、横浜、富山、島根の4クラブが相対比較の中で上位に来ました。その中で行政の熱烈な支援を受け、大きなスポンサーの獲得で売り上げ規模を相当アップできる見込みのある横浜をまず選定し、最後は僅差でしたが富山が他クラブよりも基準のスコアで上回ることになり、最終的に6クラブを選定したというのが手順です。

厳しい表情の川淵チェアマン

厳しい表情の川淵チェアマン

残念ながら1部に入れなかった8クラブ(岩手山形群馬信州西宮広島島根熊本)を2部に入れさせていただきましたが、売上規模やアリーナの条件がある程度見えてきている中での相対比較による結果です。最終的に2部が18クラブになりますが、すでに5クラブを発表しており、残念ながら1部に入れなかったクラブ8つと、さらに2部と3部の間にあったクラブから5つを2部に上げたことになります。ポイントとして「財務がしっかりしているか、キャッシュフローが回るのか、行政の支援並びにアリーナの状況はどうなのか」等々を見せていただいた結果、東京EX東京Zサイバーダインつくば鹿児島が上がってきました。

まだリーグ戦で一度も戦っていないクラブからの申し込みが3つ(金沢、大分・愛媛、東京八王子)あったのですが、その中で地元バスケ協会の支援、行政の支援、さらにメインとなるスポンサーの状況を総合的に判断し、財務的に確実性が一番高いと思われる大分・愛媛を2部に。残念ながらこれら選考の過程で埼玉東京サンレーヴス東京八王子金沢福岡の5つは3部に回っていただくことになりました。簡単ではありますが、振り分け条件・選考過程の状況をご説明いたしました。

 ■新リーグは3地区で昇降格アリ!
大河理事からは、階層分けのプロセスに続き、新リーグで採用が決まった3地区制の振り分けと1部・2部間、2部・3部間の昇降格についての説明が行われた。1部の下位2クラブが2部上位2クラブと自動的に昇降格し、3番目のクラブ同士で入替戦を行う案が出ており、2部・3部間は入替戦(クラブ数、入替方法は検討中)を実施する予定だという。

3カンファレンス制を発表する大河理事

3カンファレンス制を発表する大河理事

大河:追加発表として、来年始まります新リーグでは、日本のプロスポーツリーグとして初めてのことだと思いますが、3カンファレンス制を導入します。また1部と2部、2部と3部で昇降格制度を設けます。上位争いだけでなく、シーズン終盤まで目の離せない残留争いが繰り広げられるはずです。東、中、西地区を1部と2部で適用し、地区分けを行います(3部は地区分けしない)。

【2016-2017シーズン参加クラブ】
=1部=
〈東地区〉
レバンガ北海道/仙台89ers/秋田ノーザンパピネッツ/リンク栃木ブレックス/千葉ジェッツ/トヨタ自動車アルバルク東京 

〈中地区〉
日立サンロッカーズ東京/東芝ブレイブサンダース神奈川/横浜ビー・コルセアーズ/新潟アルビレックスBB/富山グラウジーズ/浜松・三河フェニックス

 〈西地区〉
アイシンシーホース三河/三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋/滋賀レイクスターズ/京都ハンナリーズ/大阪エヴェッサ/琉球ゴールデンキングス 

=2部=
〈東地区〉
青森ワッツ/岩手ビッグブルズ/パスラボ山形ワイヴァンズ/福島ファイヤーボンズ/サイバーダインつくばロボッツ/群馬クレインサンダーズ 

〈中地区〉
東京エクセレンス/アースフレンズ東京Z/信州ブレイブウォリアーズ/豊田通商ファイティングイーグルス名古屋/西宮ストークス/バンビシャス奈良

 〈西地区〉
島根スサノオマジック/広島ドラゴンフライズ/高松ファイブアローズ/大分・愛媛ヒートデビルズ/熊本ヴォルターズ/レノヴァ鹿児島 

=3部=
埼玉ブロンコス/大塚商会アルファーズ/東京海上日動ビッグブルー/東京サンレーヴス/東京八王子トレインズ/金沢武士団/アイシン・エイ・ダブリュ アレイオンズ安城/豊田合成スコーピオンズ/ライジング福岡 

 ■3地区制、昇降格導入の意味
川淵:全国をカバーして試合をするのはコストがかかります。地域で分けるとコストの低減と、近くの県との対抗戦がダービーマッチに似たところもあり、試合が盛り上がるだろうと。ただ、残念なのは中国、四国、九州から1部に入るクラブがなかったことです。最後までこだわりましたが、我々は高いハードルを設けていて、そのハードルが越えられないのに、越えたクラブをさておいて、地域性第一と考えるのは問題があるということで、それを第一優先にはできませんでした。それら地域のクラブに一生懸命頑張っていただき、ぜひ1部に入ってほしいと心から願っています。

優勝チームを決めるプレーオフなら要は勝ち負け。3つのカンファレンスの優勝チームと、2位同士で勝利数の多いところで優勝を争うというようなことが、優勝決定プレーオフの一つの条件でしょう。降格・残留を決めるプレーオフも含めて、新しくスタッフが決まった後、委員会等で最終的に決めたいと考えています。レギュラーシーズンは各カンファレンス内で6試合、他のカンファレンスとは2試合ずつで54試合(5クラブ×6試合+12クラブ×2試合)。日程には余裕があるので60試合くらいやれないかと考えています。カンファレンス間の試合数が違ったとしても、米大リーグもそうだから……そこまで検討はしていませんが、試合数は増やしたいと思っています。

■2シーズン目以降のクラブライセンス
質疑応答は各クラブの地元メディアから、階層分けの結果に対する確認がほとんどだった。その中でも興味深かったのは、「大逆転で1部に入ったクラブがあったとおっしゃっていたがそれはどのチームか?」「滋賀レイクスターズはアリーナの条件に苦しみ、立見をかなり多く計上してクリアした。今後も新しいアリーナをつくるための活動が必要になるのか?」という、2シーズン目以降のクラブライセンスに関わる質問もあった。

川淵:大逆転があったのは横浜。市長自らが動かれたことと、有力スポンサーがかつてなかった金額を拠出するということがありました。当初はまるで念頭に入っていなかったんですが、アリーナその他を含めて、(1部に)上げるべきだということで、最後に大逆転がありました。

滋賀が1部にいられなくなるのは、弱くなってしまったら。戦力が整っていれば問題ないということです。あとは赤字が続かないこと。滋賀は社長がすごく熱心で(私も滋賀県知事とお会いしましたけれど)、国体その他があるなら新しいアリーナを草津市の体育館に予算を拠出し、増築はできないかというようなお願いなどいろいろ努力されたんです。最終的には草津市の体育館ではどうしても5,000人は確保できないので、県の体育館を使うことになりました。今回1部が決まりましたが、あれくらいの熱心さをもってクラブ運営をしていけば、いずれ草津市に立派なアリーナをつくろうという動きにもなっていくだろうという情熱を感じています。ぜひ1部残留を続けられるよう、皆さんも応援してください。

大河:一つ補足しますと、滋賀のアリーナは5,000人中1,000人ほどが立ち見になると聞いています。他のクラブに比べると圧倒的に立ち見の比率が高い。今回は良いとしても、クラブライセンスの中でアリーナの基準(例えば、立見席は入場可能人数の2割以内までとか)を定めていこうと思っています。ホスピタリティや安全面を考えると、そういったことを早晩決めていく可能性があります。そういったこと踏まえ、各クラブや行政と向き合っていきたいと思います。

横浜は有力スポンサーの獲得が1部入りの決め手になった。滋賀は何とか5,000人のアリーナにメドをつけ、1部入りへ前進したことがわかる。今回の階層分けは、1部の基準「ホームアリーナの入場可能数5,000人」「年間試合数の8割のホームゲームを実施できるホームアリーナの確保」「年間売上2.5億円」と、2部の基準「ホームアリーナの入場可能数3,000人」「年間試合数の8割のホームゲームを実施できるホームアリーナの確保」「年間売上1億円」という条件を総合的に判断した上で決まった。

それぞれの所属リーグ(1・2部)で初年度を戦い、次年度以降の昇格を目指すのであれば、たとえ良い戦績を残しても、必要とされる『クラブライスセンス』を取得していなければならない。ということは、これで終わりではなく、ここからがまた新たなスタートだということ。クラブや行政、地方協会の情熱と努力はもちろんだが、それを後押しするファンやブースターの力が必要になる。その意味でも、ラストシーズンとなる2015-2016シーズンはできる限りアリーナに足を運び、地元クラブにもアウェーのクラブにも声援を送ってほしい。日本のバスケットボールファミリーが新たな潮流を起こすときだ。

笑顔を見せる川淵チェアマン

笑顔を見せる川淵チェアマン

■2部・3部の切磋琢磨も重要
なお、3 部についてはプロ・アマ混成のリーグであり、2部昇格を目指すクラブは「一定の条件を満たせば準加盟クラブとなることができ、準加盟クラブであることが、2部ライセンス取得の前提条件となる」と定められている。準加盟クラブの審査の詳細は後日発表されるとのことだが、川淵チェアマンはこのようなコメントをした。

川淵:(今の日本の)バスケットボール界は、実業団リーグ(実業団連盟)とクラブリーグ(クラブ連盟)が別々にあります。そして、各都道府県協会に必ずそれらがあるかというとそうではなく、まったくないところも多い。そういう(実業団リーグとクラブリーグ)ものを一つに合併し、地域社会の中で一般の人がプレイを楽しみ、その延長線上で「地域リーグから3部に入って2部、1部へ進む仕組み」がバスケ界にはないんです。ピラミッド型の組織をつくることが急務だと思っていますし、そういう方向で進めていきたいと思います。

これは、JPBLチェアマンであり、JBA(公益財団法人 日本バスケットボール協会)会長としての考えでもあろう。多くの登録者を抱えるバスケットボールに当てはめれば、アリーナスポーツとしてますます発展し、すそ野が広がるに違いない。しっかりしたピラミッドを構築できれば競技力は上がり、世界と戦うことができるはずだ。そのためにも、できるだけピラミッドの頂点は高くなければならない。2016年秋に開幕する男子新リーグには大きな期待したいと注目が集まっている。