今の繰り返しが未来につながる~国際強化試合2017 対イラン戦に望むこと~

週末――2月10日(金)、11日(土)――、北海道立総合体育センター(北海きたえーる)で、男子日本代表vs.男子イラン代表の国際強化試合がおこなわれる。Bリーグがおこなわれている最中にこうした代表戦がおこなわれるのは、今年11月から始まるワールドカップ・アジア地区予選を想定してのこと。
しかも長谷川健志・前ヘッドコーチが退任され、新しい体制で世界を目指す初戦でもある。結果もさることながら、その戦いぶりを注目せずにはいられない。

しかし国際強化試合への思いをしたためる前に、今一度、ワールドカップならびにオリンピックへの道のりを示しておく必要がある。
そこで前編・後編の2つに分けて、話を進めたい。前編は新たに見えてきた世界への道のりの紹介である。

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ワールドカップとオリンピックがリンクする新システム

これまでのアジア選手権は国内リーグのシーズンオフ、つまり夏の前後に大会開催都市を訪れ、一極集中方式でおこなわれていた。そこで3位以内に入ればワールドカップに出場できていたわけだが、今回からその予選方式が変更となる。2017年11月、2018年2月、6月、9月、11月、そして2019年2月の6回に分け、それぞれの対戦相手とホーム&アウェイで対戦していく形になったのだ。

それとともに、その新しいアジア地区予選に参加するまでの道のりも変わる。
アジアは現在7つの地区(サブゾーン)に分けられている。東アジア、東南アジア、南アジア、西アジア、中央アジア、湾岸、そして今回からはオセアニアもアジア地区に組み込まれる。その7つのサブゾーンにそれぞれ、今年9月におこなわれる「FIBA ASIA カップ」の出場枠が与えられるのだが、日本が属する東アジア地区の出場枠は「2」
中国、韓国、チャイニーズタイペイなどがいることを考えると、2つの出場枠を争うのは当然、熾烈を極めてくる。その枠を増やす戦いが、昨年9月におこなわれた「FIBA ASIA チャレンジ」だった。5位以内に入れば、その国が属するサブゾーンに「FIBA ASIA カップ」への出場枠が振り分けられる大会だった。
果たして、その「FIBA ASIA チャレンジ」で日本は6位に終わった。自力でサブゾーンの枠を拡大させることはできなかったが、韓国が2位、中国が5位になったため、東アジア地区の「FIBA ASIA カップ」への出場枠は「2」から「4」に増えた。

「チャレンジ」やら「カップ」やら、同じような大会名で混乱しそうだが、ファーストステップの流れはご理解いただけただろうか?

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次に目指さなければいけないのが「FIBA ASIAカップ」への予選ともいうべき「東アジア選手権」で4位以内に入ること。今年5月、もしくは6月におこなわれる予定の同大会で、せっかく「2」から「4」に増やした「FIBA ASIA カップ」の出場枠を取り逃しては意味がない。出場国はまだ発表されていないが、日本、中国、韓国、チャイニーズタイペイに、モンゴルや香港あたりが加わるのだろうか。そのなかで4位以内を目指す。これがセカンドステップ。

4位以内に入ると、8月にレバノン・ベイルートでおこなわれる「FIBA ASIAカップ」に出場できる。そこで7つのサブゾーンを勝ち抜いてきた計16チームが争い、うち上位14チームが上記のワールドカップ・アジア地区予選に参加できる「ディヴィジョンA」というグループに入ることができる。加えて、FIBAおよびFIBA ASIAから提案された2チームも「ディヴィジョンA」になるというから、あくまでも推測だが「FIBA ASIA カップ」に出場すれば、ほぼ「ディヴィジョンA」と考えてよいのかもしれない。これがサードステップ。

それら3つのステップをクリアしたうえで、上記の6回に分けた、ホーム&アウェイ方式のワールドカップ・アジア地区予選で上位7チームに入ると、2019年に中国でおこなわれるワールドカップへの出場権が与えられる。

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その翌年、2020年には東京でオリンピックが開催されるため、一般的に日本は開催国枠での出場が考えられるが、現時点で日本に2020年の東京オリンピックの開催国枠は与えられていない。開催国枠そのものはあるが、それを与えるかどうかはFIBAのセントラルボードが開催1年前に決定する。FIBAとして、より高いレベルのバスケットをオリンピックで披露しようと思えば、現状の日本の力では即断できないのだろう。1998年にギリシャでおこなわれた世界選手権以降、2006年の自国開催の世界選手権を除くと、日本が自力で世界の舞台に辿り着いたのは、昨年のリオデジャネイロオリンピックの世界最終予選だけ。それもラトビア、チェコに完敗している。それではFIBAも容易には首を縦に振らないはずだ。是が非でも2019年のワールドカップの出場権を獲得し、日本が世界基準に達したところを見せたい。

また2020年以降のオリンピックを考えても、オリンピックイヤーの前年に開催されるワールドカップに出場することが非常に重要になる。というのも、ワールドカップで7位までに入れば、自動的にオリンピックへの出場権が得られるが、現状の日本の実力を考えると一足飛びに世界7位に入るのは難しい。しかもオリンピックは、32チームが出場できるワールドカップと異なり、12チームしか出られない狭き門。ワールドカップの上位7チーム以外は、世界最終予選で出場権を勝ち取らなければならず、開催国枠を狙う日本も世界でその実力を示していかなければならない。
つまり、ワールドカップに出場できなければ、その後のアジア推薦で世界最終予選の2チームの枠に入ることも至難の業なのである。裏を返せば、ワールドカップに出られなければ、オリンピックへの道はほぼ閉ざされると言っても過言ではないのだ。

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後編「アジアのライバルを相手に世界基準の激しさを見せられるか」へ

バスケットボール男子日本代表チーム 国際強化試合2017
2月10日(金)19:00 11日(土)15:00@北海きたえーる

文・写真 三上 太