うらやましきナビスコカップ 〜何事もやってみなければ分からない〜

サッカーの場合、Jリーグと平行してナビスコカップと天皇杯のトーナメント戦が行われ、3大タイトルと言われている。JリーグとナビスコカップはJ1に所属するチーム同士で争われるが、天皇杯はバスケ同様、学生や企業チームなど地域予選やそのカテゴリーを制した様々なチームが一同に介し、打倒Jリーグを目指すアップセットを期待してしまう。今でこそチーム数が増えてJ1勢だけで行われるナビスコカップだが、2001年まではJ2(準会員クラブ)も含めて行われていた。
11月8日、土曜の昼下がり。ガンバ大阪 vs サンフレッチェ広島のナビスコカップ決勝戦を観戦しながら、バスケもカップ戦から統一へ向けた準備をしてみては?と思ったわけで──

集客に苦戦するリーグ戦

長いシーズンを戦うリーグ戦は、他のプロスポーツを見てもマンネリ感は否めない。リーグ戦よりも一発勝負のトーナメントの方が日本人にとっては受け入られており、集客にもつながっている。それを物語るように高校生の大会はいずれも人気があり、プロ野球もクライマックスシリーズが導入された。Jリーグも来シーズンから2ステージ制へ移行し、スーパーステージ(仮称)なるトーナメント戦が始まる。
その昔、日本でもNBAやNFLの試合が行われていたが、NFLがプレシーズンマッチになったり、NBA選手たちによる夏の時期のエキシビションマッチになると途端に客足が減るそうだ。欧米では公式戦でも、プレシーズンマッチでも、変わらずにスポーツを楽しむために会場へ足を運び、スーパースターたちと過ごす空間を満喫する。しかし、日本では真剣勝負だけしか、その価値を見出さなかった。その結果、スターたちの来日が遠のいてしまった一因だと、当時の仕掛け人から伺ったことがある。
真剣勝負とはいえ、負けても明日があるリーグ戦は、なかなか盛り上げづらい。

幸い日本には、かたやプロ、もう一方はトップリーグと位置づけ、平行する2つの男子バスケリーグがある。
どっちが強いんだ?というのは交流や統一しないかぎり、永遠に答えは出ない。
統一してしまえば、こんなことも考えなくて済むのだが、早くても2016年からのスタートとなる。ならばその前に、それぞれ違うルールを体験したり、真剣勝負をしてお互いのレベルを測ったり、交流することで集客がUPするのかなどなど、着地点を見つけるための試験的なカップ戦を行ってみれば良いのではないだろうか。

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ホーム&アウェーで各リーグルールを体験し、集客力でも勝負だ!

昨シーズンの順位や勝率をもとに、チーム数が多いTK bjリーグは致し方ないが、初戦で同じリーグ同士の対戦を極力避けたトーナメント表を作ってみた(図)。琉球ゴールデンキングスの山が、今シーズンの調子が良いチームで混み合っているのは、言いっこなし。あくまでサンプルである。

トーナメントながら、ホーム&アウェイの2戦で決着をつける。1勝1敗になった場合は得失点差とともに、集客数も加算して雌雄を決するのも一つの案だ。異なるルールが問題視されるのが常だが、各ホームゲームを行うチームのリーグルールに則れば、それは平等となり、解決される。
週末はリーグ戦で埋まっているため、自ずと平日開催となる。レギュラーシーズンはNBL54試合、TK bjリーグ52試合あり、25週強の毎週末に実施されている。両リーグ合わせて現在35チーム。奇数のためにシードが3チームあり、その下にいる1回戦からスタートするチームは、決勝まで6回戦を勝ち抜かねばない。ホーム&アウェイの2試合を行うので、横並びの一斉開催としても12週間が必要だが、レギュラーシーズンはそれ以上の日程が組まれているので十分に合間の平日で実施できてしまう。

今後、約40チームを合わせた形で統一プロリーグが実現した場合にも、平日開催は避けては通れないだろう。ならば、今から平日にバスケを観る環境を作るためにも、カップ戦が必要なのである。NFLのマンデーナイトのように、平日の決まった曜日にバスケが観られることを認知させ、集客向上につなげていけば良い。

理不尽なことを乗り越えてこそ強化

外国籍選手の数が違う、ジャンプボールの有無が違う、そもそもサラリーキャップが違う…などなど、挙げればキリがない。しかし、日本の強化を求めるのであれば、理不尽なことを乗り越えなければ成長はない。国際試合では外国人だらけのチームに挑む日本代表にとっても、外国人とマッチアップできる機会を増やしたいところだ。NBLの方が日本代表選手が多いのだから、TK bjリーグのルールでも、NBLと同じオンザコート数で戦うくらいの男気を見たい。

何事もやってみなければ分からない。
トライしてこそ、良い面も悪い面もひっくるめて反省点が明らかになり、話もスムーズに先へと進む。
本来はその舞台が天皇杯(オールジャパン)であり、TK bjリーグのチームが出場すれば良いだけの話。しかしながら、来春のオールジャパンも出場は見送られた。統一プロリーグへ向けて話し合っている今、同じ舞台に立てるこのチャンスこそ生かすべきである。TK bjリーグのスケジュールを確認すると、年始からオールジャパン決勝戦の1月12日まで試合が無いチームは、約半数の12チームもあるではないか。
オールジャパンへの門戸が開かれ、すでに4年目を迎える。もうスケジュールを言い訳にはできず、逆にこれだけのチームがスケジュールを空けて準備していたとさえ感じる。逃げてばかりおらず、公式戦に出ることで解り合えることもあり、逆にルールを変える意見も言えるはずだ。

やっぱり何事もやってみなければ分からないのである。
考えれば考えるほど、男子バスケリーグは本当にややこしい。サッカーの分かりやすい構図と有意義なカップ戦を目の当たりにしたことで、バスケ界のおかしな状況を再認識させられ、モヤモヤする日々は続く。

オールジャパン2014
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TK bjリーグ

泉 誠一