オーバータイムで韓国撃破――その裏側にあったキャプテンの苦闘

大神雄子選手

女子バスケのアジア選手権3日目、日本はオーバータイムの末に韓国を【78-71】で下し、開幕3連勝を決めた。

この勝利は渡嘉敷来夢の27得点・10リバウンドのダブル・ダブルや、終盤に見せた吉田亜沙美の鬼気迫るドライブ、そこからのアシストが目立つところではあった。ファウルアウトした間宮佑圭も体を張ったプレイで得点を重ねたし、シューターの宮元美智子は今日も3ポイントシュートを5本決めている。彼女たちが勝利の立役者であったことは間違いない。

一方でエースの大神雄子はチームトップの6アシストをマークしているものの、得点は9点ともうひとつ伸びなかった。しかも残り1分半で5点リードしているところから、韓国のベテランシューター、ビョン・ヨナに2本立て続けに3ポイントシュートを沈められている。その点は大神自身も認めるとおり、彼女のディフェンスミスである。

それでも大神が日本代表の中心にいることに変わりはない。結果として韓国戦は一人乗り切れない形になってしまったが、年齢的にも経験的にも若いチームをまとめあげ、気持ちよく予選リーグを戦わせているのは大神である。

「今日はみんなで我慢できた勝利だったと思います。(第4Qの)最後に3ポイントを2本決められたのは自分のミスでもあったんですけど、それでもオーバータイムの末に勝ち切れたことは、チームとしてもすごく大きな自信になったと思います」

韓国に対しては、昨年のロンドンオリンピック世界最終予選で大勝しているものの、アジア選手権では2004年の仙台大会以降、勝っていない。そのとき最年少としてベンチに座っていた大神が、今は最年長としてチームをけん引し、9年ぶりの勝利に導いたわけだ。大神は今日の韓国戦の大切さをこう述べている。

「8日間で7試合をおこなうアジア選手権では予選リーグのどこかで競合するチームの勢いを止めて、こちらの勢いをつけなければならない試合が出てきます。それが今日の日韓戦だったと思います」

アジア選手権を何度も戦ってきた大神だからこそ言える言葉だろう。そんな数字に表れないところにも大神の偉大さはあるのだ。

「韓国に予選リーグで勝ったことは大きな意味を持ちますが、まだ中国戦が残っています。その試合で勝ち切らないと三つ巴になって1位通過争いが混乱してしまいます。2位、3位通過になってはこれまでと同じことになるので、今日勝ち切ったことでOKとならないようにチームを引き締めていきたいと思います。それも自分の役割ですから」

宿敵・韓国に勝ったとはいえ、それで終わりではない。まずは予選リーグを1位で通過し、少しでも優位にセミファイナルを向かいたい。そして目標である優勝を決める瞬間までチームが一体になって戦わなければならない。経験豊富なキャプテンの目はすでに次に向けられている。

吉田亜沙美選手(左)、渡嘉敷来夢選手(右)

女子日本代表のアジア選手権・予選ラウンド対戦スケジュール

10月27日(日)日本 94-59 カザフスタン
10月28日(月)日本 69-57 チャイニーズ・タイペイ
10月29日(火)日本 78(OT)71 韓国
10月30日(水)16:00〜 対インド
10月31日(木)16:00〜 対中国
11月2日(土)準決勝
11月3日(日)決勝
*すべてタイ時間。日本との時差:マイナス2時間。例)日本22時=タイ20時

JBA:第25回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会特設サイト
FIBA ASIA:第25回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会サイト(英語)
フジテレビNEXT:TV放送スケジュール

文・三上 太