NBLがプライドを守ったオールスターDay1

「NBL ALL-STAR GAME 2014-2015 in TOKYO」が始まった。1月17日(土)に行われたDAY1はNBL/NBDLが胸を貸し、異なるカテゴリーが挑むゲームが2つ用意されている。
NBL/NBDL U-24チーム「HOPES」vs大学選抜チーム「FUTURES」によるNEXT GENERATIONSから始まった。このゲームに向けて、「特別な準備はしていない」とHOPESの佐々 宜央HC(リンク栃木ブレックス アシスタントコーチ)、FUTURESの池内 泰明HC(拓殖大学)の両指揮官は声を揃える。
今シーズン、韓国との定期戦である李相佰盃、スプリングフィールド大学(アメリカ)と対戦した交際親善試合、さらにビクトリア大学(カナダ)を迎えた関東大学バスケットボール連盟創立90周年記念試合と3度の国際試合を経験したメンバーが主体となるFUTURESだけに、チームワークは申し分ない。この試合がtotoであれば、アップセットに賭けていただろう。

#32狩野 祐介選手(東京エクセレンス)右と#0ベンドラメ 礼生選手(東海大学3年)の東海大学マッチアップ

#32狩野 祐介選手(東京エクセレンス)右と#0ベンドラメ 礼生選手(東海大学3年)の東海大学マッチアップ

NEXT GENERATIONS
オフェンスの学生軍、ディフェンスで受ける先輩たち

FUTURESは「ディフェンスよりはオフェンス、楽しめるように思いっきりシュートを打っていこう」、迎え撃つHOPESは「NBL/NBDLのプライドを持ち、ファンの方々が見てくれているので楽しいゲームをすること。そして楽しさの中にもマジメに、ガチな試合をしよう」とそれぞれのヘッドコーチが伝えて送り出し、ティップオフを迎える。
HOPES#24田中 大貴選手(トヨタ自動車アルバルク東京)が先制して始まるが、血気盛んなFUTURESが得点を重ねて先行していく。HOPES#23ジョフ・バンバ選手(拓殖大学2年)を中心に、開始5分で13-5とFUTURESがリード。久しぶりにインサイドでコンビを組む青山学院大学出身の#43永吉 佑也選手(東芝ブレイブサンダース神奈川)と#88張本 天傑選手(トヨタ東京)だったが、ゴール下を外しまくって点差を詰められず、第1ピリオドを終え27-10とFUTURESが10点差をつけた。

#6馬場 雄大選手(筑波大学1年)のダンクシュート

#6馬場 雄大選手(筑波大学1年)のダンクシュート

第2ピリオド開始早々、#21笹山 貴哉選手(4年)から#6馬場 雄大選手(1年)へ筑波大ホットラインのアリウープバスが飛ぶ。失敗に終わったが、FUTURESの方がノリノリだ。#23バンバ選手がダンクを決めて37-26、二桁差が続く。しかし、HOPESのキャプテンを務める#32狩野 祐介選手(東京エクセレンス)の3Pシュートから巻き返し、最後は#10アキ・チェンバース選手(日立サンロッカーズ東京)がスティールからブザービーターを沈め、43-41とHOPESが2点差まで追い上げて前半を終えた。

#23泉 秀岳選手(東京アースフレンズ東京Z)のファーストシュートが決まり、後半開始早々にHOPESが同点に追いつく。
「祐眞さんのディフェンスはイヤだった」と言うのは#0ベンドラメ 礼生選手(東海大学3年)。HOPESはその#0藤井 祐眞選手(東芝神奈川)が前線から、タイトなディフェンスを仕掛け、FUTURESに得点を許すことなく6連続シュートで57-50と逆転し、さらに点差を広げる。タイムアウトを取って立て直すFUTURESは杉浦 佑成選手、そしてダンクを決めた馬場選手の筑波大学1年生コンビが、再び流れを呼び込む。64-63、HOPESが1点リードして第3ピリオドを終えた。

意地の張り合いとなったラスト10分。#81張本選手が3Pシュートで引き離せば、#0ベンドラメ選手がアグレッシブなドライブから体制を崩しながらゴールを奪う。オールジャパンを制した立役者の一人、#10チェンバース選手が要所で3Pシュートを決めて突き放すが、諦めないFUTURESは#7晴山ケビン選手の得点から巻き返し、1点差のまま時間は過ぎて行く。
24秒強あった残り時間。HOPESがラストオフェンスでボールを回し、最後に手を離せば終わる計算。FUTURESがファウルゲームに行く様子もない。しかし、#43永吉選手がボールを持ったまま24秒バイオレーションを告げるブザーが鳴る。即席チームならではのコミュニケーションミスで微妙に時間が残ってしまった。
0.4秒。FUTURESには#23バンバ選手や#6馬場選手がおり、スローインからのアリウープも狙える。十分に逆転できる可能性はあったが、そう簡単にボールを入れさせない先輩たち。オフェンス重視のFUTURESが盛り上げたが、HOPESがディフェンスでNBL/NBDLのプライドを守り、84-83で勝利した。

アグレッシブにゴールを奪ったベンドラメ選手

アグレッシブにゴールを奪ったベンドラメ選手

「最終的には盛り上げられたし勝つことができたのですが、途中で相手に離されるところもあったので、そこはしっかりNBL/NBDLとしての戦いを見せなければいけなかったのは反省点。でも、こうやって盛り上がることで、バスケットがメジャーになっていくためにも良い試合だったと思います」と話すのは、3本の3Pシュートを含む17点を挙げた#32狩野選手。
試合中はベンドラメ選手、#7晴山選手(東海大学4年)ら後輩たちとのマッチアップも見どころの一つであった。
「久しぶりだったのでとても楽しかったですし、あいつらも年を重ねる毎に力もつき、体も強くなってきているので今後がとても楽しみです」

惜しくも敗れたFUTURESだったが、「楽しかったです。いつもと違う雰囲気の中でも、思いっきりできました。NBLの選手たちと対戦できたことは、貴重な経験になりました」と話す3年生の#0ベンドラメ選手は16得点。序盤に点差を離せた点については、「最初はどういうものかが分からないので、僕ららしさを出すしかなかった。体力勝負や走ることが僕ららしさなので、早い展開でシュートまで持って行くことができたことでリードできたのだと思います」と言う。惜敗した試合であったが、「先輩たちは余裕がありました。1Qから全力で来られたら、もっと点差はついていたかもしれません。その点で力の差は感じました」と率直な感想を述べる。数々の国際試合をともにしたメンバーで臨んだこの試合も「みんなとは仲が良く、コンビネーションも分かっていました。お互いに笑顔で楽しめたと思います」と話し、笑顔でコートを後にした。

1点差で辛くも勝利したNBL/NBDL U-24選抜

1点差で辛くも勝利したNBL/NBDL U-24選抜

NBL/NBDL U-24選抜「HOPES」○84-83● 大学選抜「FUTURES」

  • HOPES 主なスタッツ
    アキ・チェンバース 18点
    狩野 祐介 17点
    張本 天傑 9リバウンド
    藤井 祐眞 8アシスト
  • FUTURES 主なスタッツ
    ジョフ・バンバ 19点/9リバウンド
    ベンドラメ 礼生 16点/3アシスト
    晴山 ケビン 11点
    馬場 雄大 10点/3アシスト/3スティール

3×3 UNPLUGGED
初めてだからこそガムシャラにアツくなる

眞庭 城聖選手(熊本ヴォルターズ)

眞庭 城聖選手(熊本ヴォルターズ)

続いて3×3 UNPLUGGEDは、NBL・NBDL・PREMIER.EXE、そして日本代表の4チームによるトーナメントを開催。SOMECITY参戦経験がある#9遠藤 祐亮選手(リンク栃木ブレックス)、#27眞庭 城聖選手(熊本ヴォルターズ)とFIBA 3×3 ALL STARS(カタール・ドーハ/2014年12月)に出場した一色 翔太選手(つくばロボッツ)、さらにベテラン野口 大介選手(レバンガ北海道)を加えたTEAM NBL。初戦の相手は、3×3のプロリーグ選抜メンバーであるTEAM PREMIER.EXEと対戦。
なんとなくストリートな雰囲気を醸し出すコーンローの野口選手。なぜ、このチームに選ばれたと思うか聞いてみると、「見た目……ですかね?」と即答。願い通りの回答に、二人で爆笑してしまった。なぜならば、野口選手にとってはこの日が3×3初体験となるからだ。
NBLを叩くならばこの初戦がチャンスであり、プロとして活動するPREMIER.EXEが有利かと思われた。しかし思いの外、野口選手のシュートタッチが良い。3×3は普段とは一回り小さい6号ボールが公式球となり、勝手が違う。「試合前、サブアリーナでメチャクチャ練習してました」とマジメな野口選手の努力が実を結び、21-8でKO勝利。21点が入った時点でゲームセットとなる3×3ルールに則り、10分ゲームの時間を余したまま試合が終了した。「外のシュートが良く決まり、リバウンドを獲ってイニチアシブを取ることができました。もちろんディフェンスも良かったです」と一色選手は初戦の勝因を挙げている。

TEAM NBL○21-8●PREMIER.EXE

3x3日本代表を引っ張る鈴木 慶太選手

3×3日本代表を引っ張る鈴木 慶太選手

もうひとゲームはTEAM NBDL vs 3×3日本代表戦。「高さがあり、3×3経験豊富なNBDLが優勝候補」とMC MAMUSHIがバックステージでの話題を披露。マシュー・カイル選手(東京海上日動/211cm)、石田 剛規選手(東京エクセレンス/187cm)、長谷川 武選手(元3×3日本代表/大塚商会アルファーズ/195cm)、兼子 勇太選手(パスラボ山形ワイヴァンズ/189cm)と、平均195.5cmはNBLよりも8cm高い。
開始5分はどちらもシュートが決まらずロースコアな展開であったが、中盤を過ぎると一気に得点が動く。ぶつかり合うインサイドの攻防、そして序盤がウソのようにお互いにシュートを沈める好勝負。最後はWORMこと落合 知也選手の2Pシュート(3×3は3Pシュートエリア内が1点、外側は2点となる)で勝負あり。16-13で3×3日本代表が裏の下馬評をひっくり返し、面子を保った。

3×3日本代表○16-13●TEAM NBDL

試合前、日本体育大学時代の先輩であるM21(UNDERDOG)と約束したダンクを決めた野口 大介選手(レバンガ北海道)

試合前、日本体育大学時代の先輩であるM21(UNDERDOG)と約束したダンクを決めた野口 大介選手(レバンガ北海道)

決勝戦はTEAM NBL vs 3×3日本代表のプライドを賭けた戦い。オールスターの主役でなければならないNBLに対し、日の丸を背負う3×3日本代表も3×3のトップ選手として負けられない。得点が倍となる2点プレイを決め合いながら、どちらも譲らない試合展開となる。しかし終盤、NBLは眞庭選手、一色選手がそれぞれ2連続で得点を挙げると抜け出し、残り1分ほどで15-9。続くプレイでは「見てるお客さんはダンクのような派手なプレイを求めているでしょうし、見た目もこうなので3Pシュートばかり打ってるわけにもいかない」と言う野口選手のダンクがダメ押しとなり、18-10でTEAM NBLが勝利した。

TEAM NBL○18-10●3×3日本代表

3×3 UNPLUGGEDが盛り上がる理由は、NBL選手たちがルールを確認しながらガムシャラにプレイする点にあるような気がした。勝手知ったる5on5のゲームであれば、抜きどころや周りの選手の特長なども理解しており、余裕を持ってプレイできる。しかし、ルールや環境が異なる3×3ではそのゆとりを持てずに、一生懸命になってしまう。
「試合前はルールの確認し、絶対に勝とうとシンプルな話をしただけです。みんな外のシュートが上手いので、空いたら積極的に打つことは心がけていました」と言う一色選手は3×3経験者である。しかし、その一色選手でも、いろいろ気を遣いながら手探りの試合は、「より疲れました」と言っていた。

FIBA 3×3 ALL STARSや3x3PREMIER.EXEにも参戦する一色 翔太選手(つくばロボッツ)

FIBA 3×3 ALL STARSや3x3PREMIER.EXEにも参戦する一色 翔太選手(つくばロボッツ)

初めてのオールスターゲームの舞台、そして初めての3×3を戦い終えた野口選手に感想を伺った。
「3×3日本代表チームが全力でぶつかってきてくれたので、お互いリスペクトしながらバスケットができたと思います。3×3日本代表が強くなり、世界でも通用して欲しいです。そのためにも僕らががんばってバスケットを盛り上げていかなければ、注目もされない。バスケットを盛り上げることを優先させて、僕らも行動しなければいけないです」

この日の全てのゲームを、観客席から高みの見物していた高校生たち。オールスターの雰囲気を前日に感じることができたことで、何かしら自分のプレイをイメージできたことだろう。ウインターカップでオールスター以上の集客数となる1万人の前で、そしてテレビカメラの前でシビれる試合を経験した彼らにプレッシャーはないはずだ。
メインイベントのNBLオールスターゲームの前に行われる高校選抜 DREAM GAME。5番勝負が用意されているうちの2つを終え、全体のMVPを決めるとなれば今日の時点ではアキ・チェンバース選手か狩野 祐介選手か、はたまた3×3から一色 翔太選手か、眞庭 城聖選手ではないだろうか。
2日間用意されている「NBL ALL-STAR GAME 2014-2015 in TOKYO」で一番目立つスター選手は誰なのか?
もしかすると、高校生がその座を奪ってしまうかも知れない。明日もNBL選手たちのプライドが試される。

最上段で観戦する高校生たち

最上段で観戦する高校生たち

2015年1月18日(日)

  • 9:30  開場
  • 10:00 My First Basketball
  • 12:30 NBDL ALL-STAR GAME
  • 14:30 高校選抜 DREAM GAME
  • 16:40 NBL3Pシュートコンテスト・ダンクコンテスト
  • 17:30 NBL ALL-STAR GAME

NBL

泉 誠一