存続した和歌山トライアンズの今後を委ねる当事者たち

nbl150127

オールジャパン3回戦で敗れた3日後の1月7日、和歌山トライアンズは昨シーズンを終えた後に続き、2度目の経営破綻に陥った。
JBLラストシーズンに休部となったパナソニックから継承する形で生まれたトライアンズ。昨シーズンはウエスタンカンファレンスを制し、リーグ2位の好成績を収めたが、それも今や見る影無し。
辛うじて西地区5位(4勝20敗)で最下位は免れている。しかし観客数はつくばロボッツよりも低い、平均622名。こちらはリーグ最下位。

プロバスケチームの有無は当事者たち次第

チーム消滅が発表された日、SNSでその一報が流れているのを目にした。本来であれば本サイトで取り上げるべきトピックスだったかもしれない。しかし、この10年間で幾度と無く同じような状況のチームがいくつもありながら、そのほとんどが救いの手に拾われてきた。
まるでイソップ童話の「オオカミ少年」のごとく、またか……という思いが強く、静観していた。
1週間後の1月14日、存続が発表される。やっぱりな。

チームを強くするのも、安定した経営にするのも、チームが無くなるのも、当事者たち次第だ。
当事者とはチームや選手だけの話ではない。プロチーム名に掲げた地域の方々こそが一番の当事者である。チケットやスポンサー収入が運営基盤になっている以上、地域の方に会場へ足を運んでもらい、地元企業に応援してもらうことが大事な要素。和歌山にプロバスケチームを残したいならば、地域住民が立ち上がらねば始まらない。逆に地域の支援が得られないならば、存続する価値もないと言える。NBAやプロ野球も、集客できない土地を去る英断はこれまでも行われてきた。

和歌山に感謝、バスケに感謝

NBLは13チームのまま、無事に後半戦を迎えた。
しかしながら、トップリーグとしての理想とはかけ離れた状況が続いている。

2度も命を救ってもらった和歌山は今週末、一度は使えなくなったが支援の手により再びホームとして戻ってきたノーリツアリーナ和歌山で試合が行われる。
同じようにシーズン途中で経営破綻したつくばロボッツから5人の選手(竹田 智史選手、高島 一貴選手、佐藤 託矢選手、大金 広弥選手、橘 佳宏選手)が移籍してきた。彼らがチームに合流したのは、後半戦の初戦当日となる1月21日(水)だったそうだ。

12月1日に自由契約者リストに載り、RBC東京(クラブチーム)や3×3をしながらバスケとは離れずに努めて過ごしていた高島選手。約1ヶ月半ぶりにNBLのコートに戻ってきた。そして、今週末には初めてのホームゲームに向かう。
「早く和歌山のファンの皆さんの前に出たいですし、僕らは受け入れてもらった身なので、本当に感謝という気持ちしかありません。和歌山も辛い状況があり、選手たちはそれぞれの思いがあって、動かざるを得ない状況だったわけです。前半戦で戦ってきた和歌山トライアンズがあってこそのチームなので、僕ら移籍組はそこをしっかりリスペクトし、そのベースを今後も続けて行くようにしていくだけだと感じています」

昨シーズンまで、高島選手とはアイシンシーホース三河のチームメイトであり、今シーズンから和歌山にやってきた嶋田 基志選手はチームに残った。今週末、アイシン三河戦へ挑める状況に、嶋田選手の声も弾む。
「バスケットができるだけで本当にありがたいです。今、ここにいること自体がうれしいことであって、もしかしたら今頃どこにいたかは分からない状況だったわけです。他のチームから誘ってくれなければ、引退してたことでしょう。すごくありがたいです」

それぞれが感謝し、再びホームコートに立つ和歌山トライアンズ。これまで以上に地域密着して交流を行いながら、ファンを増やしていかなければならない。TK bjリーグからやってきた寺下 太基選手(新潟、滋賀、埼玉)はプロチームでの経験を生かし、選手やスタッフとの話し合いを重ねたことを本日より行動に移す。

nbl150127b

ノーリツアリーナ和歌山にて公開練習&ふれあいバスケ
(参加無料/どなたでも参加OK)

1月27日(火)16:00〜18:00 公開練習 18:30〜20:30 ふれあいバスケ
1月28日(水)13:30〜16:30 公開練習 17:00〜19:00 ふれあいバスケ
1月29日(木)13:30〜16:30 公開練習 17:00〜19:00 ふれあいバスケ
ノーリツアリーナ和歌山へのアクセス方法

和歌山トライアンズは消滅した…と思ったままの和歌山県民がいるかもしれない。
和歌山にプロバスケチームがあったの?と初めて知る人がいてもおかしくはない状況。
つくばともども一度は経営破綻したチームはマイナスからのスタートとなり、その信頼を回復するためには、これまで以上の努力を強いられる。トライアンズを残したい、強くしたいと思うならば、当事者である和歌山県民のサポートが必要不可欠なのだ。

1月31日(土)18:30 和歌山 vs アイシン三河@ノーリツアリーナ和歌山
2月1日(日)14:30 和歌山 vs アイシン三河@ノーリツアリーナ和歌山

チームが無くなった時の嶋田選手と高島選手の胸の内は、次号バスケットボールスピリッツ vol.5(3月中旬発売予定)にて掲載。

和歌山トライアンズ
NBL

泉 誠一