選手らが率先して楽しみ、観客を楽しませたWJBLオールスター2017

1月14日(土)、日本中が寒波に包まれ、“バスケのまち”長岡も大雪に見舞われる中、「WJBLオールスター2017 in 新潟」が盛大に行われた。リオデジャネイロオリンピックで世界を驚かせた女子日本代表12名をはじめ、地元アルビレックスBBラビッツから昨年のMVPを獲得した出岐 奏選手と初選出の井上 愛選手、アテネオリンピックを経験したベテランの矢野 良子選手と大神 雄子選手(ともにトヨタ自動車アンテロープス)、さらに日立ハイテククーガーズのルーキー菅原 絵梨奈選手など世代を超えたスターがアオーレ長岡に集結。
 
東西に分かれた選手たちは、それぞれの技と驚きのプレーで、アリーナを埋め尽くした観客を楽しませる。ノーガードの打ち合いとなった夢舞台は、最後までもつれる接戦へ。終盤に最年少21歳の馬瓜エブリン選手(アイシンAWウィングス)が勢いづけたWESTが88-86で逆転勝利し、昨年のリベンジを果たした。2本の3Pシュートを含む24点を挙げた髙田 真希選手(デンソーアイリス)がMVPに輝いた。
 
「ベンチパフォーマンスを全力でがんばる」と意気込んだWESTキャプテンの大神選手。様々なかぶり物やパーティーグッズでベンチを盛り上げ、選手たち自らが率先して楽しんでいた。ベンチパフォーマンスは仲間たちに託し、大神選手自身は31分間コートに立って、15点・8リバウンド・8アシスト。守っては身長差23cmの渡嘉敷 来夢選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)に挑む。虎視眈々と狙っていたMVPだったが、その目標は今年も叶わなかった。
 
オールスターならではの様々なマッチアップで楽しませる選手たち。大神選手に負けじと、吉田 亜沙美選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)も同じく23cm高い王 新朝喜選手(三菱電機コアラーズ)をマーク。王選手に押される吉田選手は、「ホントにー?」と悲鳴にも近い声を挙げて笑いを誘う。他にも高低差あるマッチアップが至るところで展開されていた。また、20年目を迎えた矢野 良子選手と16,127票のファン投票No.1の間宮 佑佳選手による玄人好みのマッチアップも見せ場を作った。
 
どちらも譲らぬ接戦となる中、第4ピリオド開始早々に山場を迎える。スティールからディフェンスがいない自陣に向かって行くのは渡嘉敷選手。日本人唯一のダンクができる女子選手であり、期待に満ち溢れた視線が注がれる。
が、その結果は……
土下座で平謝りする渡嘉敷選手だったが、素晴らしいチャレンジに温かい拍手が送られた。日本の女子選手として初となる試合中にダンクを決める日は、Wリーグ後半戦に期待したい。
 

新境地に挑んだスター選手たち

 
渡嘉敷選手はダンクだけではなく、本戦前に行われたスキルズチャレンジにも出場し、新境地に挑んでいく。こちらも最後のダンクは成功できなかったが、ドリブルやパスのスキルの高さを披露。3PシュートコンテストにはJX-ENEOS、そして女子日本代表のセンターである間宮選手が出場し、驚かされる。11点を成功させ、新たなる可能性をアピールした。しかし、それぞれ7人が出場した各コンテストにおいて、間宮選手も、渡嘉敷選手も残念ながら最下位に終わっている。常にトップに君臨する彼女らにとっては、バスケ人生初の最下位を味わったのではないだろうか。

間宮選手の3Pシュートも、失敗に終わった渡嘉敷選手のダンクシュートも、続けていけば必ず近い将来、勝利へ導く武器となるはずだ。バスケをがんばっている子供たちに、チャレンジすることの大切さや世界と戦うためには大きくても様々なスキルが必要であることを示した有意義なエントリーであった。と同時に、負けず嫌いな二人である。コンテストで最下位となり、EASTは敗れ、今シーズン初黒星を喫した。試合後、渡嘉敷選手は「負けるのは今日だけで良いです」と悔しいコメントを残している。この不名誉な結果に、さらに奮起することが想像される後半戦が、今から怖い。

オールスター本戦では、MVPを獲得した髙田選手が2本、WESTを勢いに乗せた馬瓜選手は3本、EASTの長岡 萌映子選手(富士通レッドウェーブ)も2本と、それぞれ3Pシュートを成功させている。間宮選手やJX-ENEOSでシューターとして頭角を現している宮澤 夕貴選手も含めて、180cm台の選手たちのシュートレンジは絶賛拡大中。2020年東京オリンピックに向けて、進化している姿をこのオールスターでも魅せてくれた。

vol4
 

笑顔の『“自分(わたし)”たち』から本気の『“選手(わたし)”たち』に戻る瞬間(とき)

 
弊誌Vol.4「GIRLS BE AMBITIOUS〜“選手(わたし)”が“自分(わたし)”に戻る瞬間(とき)」で魅せてくれたような柔らかい表情で楽しんだオールスターは終了した。笑顔の“自分(わたし)”たちは、本気の“選手(わたし)”たちに戻り、今週末から始まる2次ラウンドに向かう。昨年末までの1次ラウンドでの上位6チームと下位6チームに分かれ、一発勝負のリーグ戦でさらなる順位争いが始まる。プレーオフに進出できるのは8チームであり、上位リーグに進むチームはすでに確定となった。これからは一つでも上の順位を目指す戦いとなる。残り2枠は下位6チームで争われる。下位リーグは1次ラウンドの勝率は持ち越されることなく、1回戦総当たりのリーグ戦の結果だけで順位を決める。
 
Wリーグは今シーズンよりアーリーエントリー制度を導入し、2次ラウンドより大学4年生たちのシーズン中の加入が認められた。インカレやオールジャパンでも素晴らしい活躍を見せた対象者の中には、即戦力と期待される選手も多い。1次ラウンドで苦戦したチームにとっては若い力が起爆剤となって、上位に引き上げていく可能性もある。 

装いを新たに、全国各地で世界レベルのプレーを魅せるWリーグをぜひ会場で堪能していただきたい。今シーズン、いまだ負け知らずの女王JX-ENEOSから白星を奪うのはどこだ!?
各6チームが1会場で試合が繰り広げられることが多い2次ラウンドは、一挙に3試合観られるのでお得に楽しめる。

アーリーエントリーの畠中 春香選手(左:デンソーアイリス)と宮坂 桃菜選手(右:新潟アルビレックスBBラビッツ)
 

2次ラウンド開幕戦

(上位グループ)
1月21日(土)草薙総合体育館
13:00 JX-ENEOSサンフラワーズ vs デンソーアイリス
15:00 トヨタ自動車アンテロープス vs 三菱電機コアラーズ
17:00 富士通レッドウェーブ vs シャンソン化粧品シャンソンVマジック
 
1月22日(日)静岡県武道館
13:00 三菱電機コアラーズ vs JX-ENEOSサンフラワーズ
15:00 シャンソン化粧品シャンソンVマジック vs トヨタ自動車アンテロープス
17:00 デンソーアイリス vs 富士通レッドウェーブ
 
(下位グループ)
1月21日(土)鳥屋野総合体育館
12:00 日立ハイテククーガーズ vs 新潟アルビレックスBBラビッツ
14:30 羽田ヴィッキーズ vs アイシンAWウィングス
17:00 トヨタ紡織サンシャインラビッツ vs 山梨クィーンビーズ
 
1月22日(日)鳥屋野総合体育館
12:00 山梨クィーンビーズ vs 羽田ヴィッキーズ
14:30 アイシンAWウィングス vs 日立ハイテククーガーズ
17:00 新潟アルビレックスBBラビッツ vs トヨタ紡織サンシャインラビッツ
 

アーリーエントリーによる新加入選手(1月18日現在)

デンソーアイリス
#17 畠中 春香選手(大阪薫英女学院→大阪人間科学大学)C/185cm
 
トヨタ自動車アンテロープス
#15 安間 志織選手(中村学園女子高校→拓殖大学)PG/161cm
 
羽田ヴィッキーズ
#87 奥田 花選手(八雲高校→拓殖大学)F/174cm
 
新潟アルビレックスBBラビッツ
#1 宮坂 桃菜選手(千葉英和高校→東京医療保健大学)G/163cm
#25 根来 真奈選手(津幡高校→神戸親和女子大学)F/168cm
#56 ナウタヴァイ 圭理選手(埼玉栄高校→新潟経営大学)CF/177cm

WJBL

文・泉 誠一 写真・WJBL