混戦のWJBLが週末より再開。満タンのJX-ENEOSがいよいよ本領発揮!?

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調子が上がらずにいたJX-ENEOSサンフラワーズだっただけに、オールジャパン連覇は不安視されたが、終わってみれば今年も日本一となり、連覇を果たした。
しかし昨年とは違い、苦難の道のりであったと言える。

初戦の3回戦、東京医療保健大学を相手に点差を離しながらも間宮 佑圭選手、渡嘉敷 来夢選手の日本を代表し、相手より頭一つ上回るインサイド陣を同時に休ませず、女王らしからぬゆとり無き展開が続いた。74-54で勝利したものの、やはり連覇は厳しいのではないか、と思わずにはいられない。
続く新潟アルビレックスBBラビッツ戦は89-41で一蹴するも、準決勝では富士通レッドウェーブにリードを許す。リーグ戦において28点差で敗れた記憶が新しいだけに、ここで敗退か…という考えが先走る。
JX-ENEOSがオールジャパン決勝に進めなかったのは、8年前(2007年大会)まで遡らねばならない。ここで負けることは、それほど大きな事件なのである。
第4ピリオドに追いつくが、その後は一進一退の攻防が続く。残り2分4秒、長岡萌映子選手の3Pシュートが決まり、66-69。JX-ENEOSはシュートを2連続で外し、時間だけが過ぎ去っていく。残り1分10秒、吉田亜沙美選手が得点するが、68-69でリードは富士通。それでも諦めず、さらに集中力を高めたディフェンスでチャンスを作る。残り37秒、渡嘉敷選手の得点で70-69、逆転。時間があり、攻撃権を得た富士通の方がまだ有利だった。しかし、渡嘉敷選手のスティールでゴールまでの機会を早々に潰し、72-69で接戦を制した。JX-ENEOSは伝統を汚すことなく、決勝へと漕ぎ着けたのである。
デンソーアイリスとの日本一決定戦も、準決勝と同じような展開であったが、前日の経験を生かすように勝負どころで引き離す。66-53で勝利したJX-ENEOSが、2年連続19回目の頂点に立ち、昨年と同じ結果に終わった。

富士通#0長岡 萌映子選手

富士通#0長岡 萌映子選手

散漫な試合に見えた3回戦には理由があった。オールジャパンを制するため、もう一度自分たちのバスケットを取り戻すためにも、走り込みから鍛え直してきたと、吉田亜沙美選手が優勝会見で明かす。その疲労が抜けぬまま、決勝に照準を合わせて調整してきたことが、思い描くような展開にならなかった内容につながっていたのだ。
一発勝負のトーナメントであり、短期決戦のオールジャパンは1点でも上回って勝ち上がれば良い。運、不運もあるが、練習量で自分たちを納得させ、優勝をたぐり寄せたことこそが、JX-ENEOSの強さだと言えよう。言い換えれば、百戦錬磨のJX-ENEOSでさえ、ガムシャラに準備をして臨んでいたわけだ。シーズン中に見られた危うさを、勝利への執着心というメンタル面でカバーし、乗り越えることができた価値ある優勝である。

平均年齢を計算するとWJBLのチームは平均24〜25歳で構成されている。その中において、JX-ENEOSは22.6歳と一番若い。ルーキー時代から優勝争いをし、結果をつかんできた彼女らは若くても経験豊富である。しかし、そのほとんどが成功体験であり、思うように事が進まない時に支えとなる先輩たちも、今シーズンはチームを抜けてしまった。チームを引っ張る吉田選手がケガから復帰するまでの今シーズン序盤は、間宮選手や渡嘉敷選手であっても不安に駆られていたことであろう。昨年末に吉田選手が復帰し、日本一を目標にチーム一丸となって努力してきたことが報われたことで、様々なことを乗り越える経験を積むことができた。JX-ENEOSの伝統、チャンピオンのプレッシャー、その一員である責任……それらを乗り越えて連覇を果たした経験は計り知れない。そして、若き彼女たちは、バージョンアップをした。いや、させてしまったのだ。
チャンスがあった今年のオールジャパンだっただけに、絶対に叩いておかねばならなかった眠れる獅子を起こしてしまった──

デンソー#8髙田 真希選手

デンソー#8髙田 真希選手

WJBLは今週末1月17日(土)より再開する。これまでのような綱渡りの勝利は姿を消し、どの試合も圧倒してしまうことが想像される。接戦がバスケの醍醐味と言われるが、大差を付けようがJX-ENEOSファンにとっては強い彼女たちが戻って来たことを歓迎するだろう。
対する10チームは、そう簡単に勝たせてはいけない。特にデンソーと富士通はさらなる強い気持ちで向かっていき、目覚めさせた責任を追うべく黒星をつける戦いが求められる。1位デンソーから5位シャンソンまでが2ゲーム差でひしめき合うWJBL。いきなりデンソーvsシャンソンの上位対決が組まれており、目が離せない。
今シーズンは開幕が遅れたことで、これからが本当の勝負。日本一となり、ガソリン満タンとなったJX-ENEOSの独走を許すことなく、さらなるプライドを賭けた戦いが始まる。

WJBL現在の順位(2014年12月21日現在)

1位 デンソーアイリス(12勝2敗)
2位 富士通 レッドウェーブ(12勝2敗)
3位 JX-ENEOSサンフラワーズ(10勝2敗)
4位 トヨタ自動車 アンテロープス(11勝3敗)
5位 シャンソン化粧品 シャンソンVマジック(10勝4敗)
6位 三菱電機 コアラーズ(8勝6敗)
7位 トヨタ紡織 サンシャインラビッツ(5勝7敗)
8位 アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス(4勝10敗)
9位 日立ハイテク クーガーズ(2勝12敗)
10位 新潟アルビレックスBBラビッツ(1勝13敗)
11位 羽田ヴィッキーズ(0勝14敗)

今週末の試合日程

  • 1月17日(土)
    14:00 シャンソン vs デンソー@豊橋市総合体育館
    14:00 富士通 vs アイシンAW アイシンAW@平塚総合体育館
    14:00 JX-ENEOS vs 日立ハイテク@佐久市総合体育館
    14:00 トヨタ vs トヨタ紡織@スカイホール豊田
    18:00 新潟 vs 羽田@五泉市村松体育館さくらアリーナ
  • 1月18日(日)
    13:00 日立ハイテク vs JX-ENEOS@佐久市総合体育館
    14:00 デンソー vs シャンソン@豊橋市総合体育館
    14:00 新潟 vs 羽田@五泉市村松体育館さくらアリーナ
    14:00 トヨタ vs トヨタ紡織@スカイホール豊田
    14:00 富士通 vs アイシンAW@平塚総合体育館

第16回Wリーグ・後半戦の展望~OGの目

準決勝で21点を挙げたルーキー、トヨタ#20近藤 楓選手

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泉 誠一