第4回タスクフォース会合および JBA臨時評議委員会後の記者会見 2015年4月28日(火)、29日(祝・水)

第4回タスクフォース会合および JBA臨時評議委員会後の記者会見

FIBA(国際バスケットボール連盟)からJBA(公益財団法人日本バスケットボール協会)に、制裁(資格停止処分)に関する通知が届いたのは2014年11月26日(水)のこと。そこにはタスクフォースの設立に関する内容も記されていた。2015年1月28 日(水)、「JAPAN 2024 TASKFORCE」第1回会合から制裁解除に向けた活動がスタート。

http://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/sites/14/2014/11/JBA26073_20141126.pdf

先日、タスクフォース第4回会合(4/28:東京都品川区)が行われ、翌29日にはJBA臨時評議員会が開催された。制裁解除への動きはますます加速している(記者会見より抜粋)。

【JAPAN 2024 TASKFORCEのミッション】
1.男子2リーグの統合
2.JBAのガバナンス強化
3.日本代表(男子・女子)の強化体制確立

■先のことを考えると成功間違いなし!
質疑応答の前に挨拶した、川淵三郎チェアマンは終始にこやかな表情。「男子2リーグの統合」については十分な手応えを感じていることが見て取れた。

「血圧は安定していますよ」と笑顔の川淵三郎チェアマン

「血圧は安定していますよ」と笑顔の川淵三郎チェアマン

「今日のタスクフォースは、順調に推移しました。今日は6つのチーム(パスラボ山形:NBDL、日立東京、トヨタ東京、東芝神奈川、アイシン三河、三菱電機名古屋:NBL)と(記者会見直前に)1つのチーム(豊通名古屋:NBDL)に参加申し込みをしていただきました。現在(NBL/NBDL、TKbjリーグ)所属しているチームの中では、東京海上日動だけがまだですが、いろいろな事情でまだ持ってきていないのだと思います。(記者会見後、参加表明確認)一応47チームすべて出揃いました。すごく良いスタートが切れると思います。

 これからヒアリングを通じて、どこが1部・2部(プロリーグ)にふさわしいか階層分けをすることになります。うれしいのはいろいろなアリーナ新設の話があること。例えば、沖縄市では1万人のアリーナを2017年に向けて着工すると聞いています。東芝ブレイブサンダース神奈川……おそらく『川崎東芝』になると思いますけれども(笑)すでに川崎市から(等々力アリーナを)5000人に改造すると言っていただいています

 これはまた変わったタイプですが、高松(ファイブアローズ/TKbj)が、ある県からの誘致で動こうとしたときに、香川県や高松市が「どうしてもよそに行くな」と、県・市で全面的にチームを応援することに。累積債務解消にメドが立ち、地域のトップ企業がスポンサーになることが決定し、バスケットボール協会と県・市が後援会もつくり、スポンサー集めなども全面的にバックアップする動きが出てきました。これは狙い通りというか、全体が大きく動いてきているなと思います。

 明日(4/29)は栃木県の知事、市長とお会いします。その後(5/3)、千葉ジェッツが船橋市長と提携の調印式を行います。私が出席することになっていますが、今までほとんど行政の連携が取れていなかったのが、今回の動きをきっかけに行政サイドが積極果敢にプロバスケットボールを応援する姿勢を見せていただいている。先行きを考えると成功間違いないなと思っています」(川淵チェアマン)。

■6月19日・20日に制裁処分解除もあり得る
少し遅れて会見場に現れたインゴ・ヴァイス コーチェアマンも穏やかな笑顔。ユーモアを交えつつ、核心部分は明確かつ端的なコメントで、タスクフォースの重要性を強調する姿勢はいつもと変わらない。

「川淵さんのために血圧降下剤を持ち歩いている」とユーモアを交えてコメントするインゴ・ヴァイス コーチェアマン

「川淵さんのために血圧降下剤を持ち歩いている」とユーモアを交えてコメントするインゴ・ヴァイス コーチェアマン

「タスクフォースの活動は順調に進んでいます。肯定的な印象を受けており、すでに46 (後ほど47に修正発表)チームが入会申し込みをしているのは喜ばしいことです。われわれは新リーグを推進する義務を負っているという気持ちで進めていきたい。

全体像をパズルに例えるとかなり良いところまで完成させたのではないでしょうか。境田弁護士(正樹メンバー)のお陰でガバナンス関連の定款・規則はほぼ固まり、さらに新たなピースをパズルに加えることができました。
 それを受けて6月19・20日にFIBAのセントラルボードがジュネーブで行われますが、川淵チェアマンを招待しています。日本の状況を報告していただき、その報告がポジティブなものであれば“制裁処分の解除は十分にあり得る”でしょう。しかし、制裁解除が行われたからといって、すべての作業が終わったわけではありません。それ以降もタスクフォースとFIBAは、JBAのサポートを続けたいと考えています。

 タスクフォースに参加しているのは、全員が日本のスポーツに対して造詣の深い方々です。今日のタスクフォースでは女子バスケの強化、男子バスケの発展をどう進めていけばいいかという具体的な話もあり喜ばしい。日本体育協会、JOC(日本オリンピック委員会)、文部科学省からも提案をいただいています。また、電通からマーケディングに関する報告があり、私が大変喜ばしく感じたのは電通が話をした各企業は大変に好感触であったということです。日本のバスケットボール、ひいてはスポーツ全体にとって大変重要なことだと思います」(ヴァイス コーチェアマン)。

■新理事候補6名発表、事務総長(内定)大河正明氏挨拶
今回の会合では、JBAのガバナンス強化を担う人事案が示され6名の理事候補の名が発表された。

会  長/ 川淵三郎:公益財団法人 日本サッカー協会 キャプテン・名誉顧問

事務総長/大河正明:公益社団法人 日本プロサッカーリーグ常務理事、一般社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ理事

理  事/小野清子:元参議院議員、公益財団法人 日本オリンピック委員会名誉委員
     山本一郎:JXホールディングス株式会社 執行役員総務部長
     三屋裕子:筑波スポーツ科学研究所副所長、益財団法人日本バレーボール協会女子育成強化委員会ディレクター
     間野義之:早稲田大学スポーツ科学学術院教授、公益財団法人日本体育協会指導者育成専門部会委員

※記者会見では7番目、8番目の候補が空欄であり、7番目はバスケ界からの選出を検討中であると説明があった。なお、この人事案はJBA臨時評議委員会・臨時理事会を経て、5月13日(水)に正式決定の予定。

 プレスに公開されたタスクフォース会合冒頭、JBA事務総長に内定している大河氏が挨拶を行った。
「私も小さい頃、幼い頃はバスケットを愛し、バスケットをやっていた少年、青年でした。(長い時間がかかりましたが)これからバスケットの仕事をやっていくということで、大変身の引き締まる思いでもありますし、全力投球しなくてはならないと感じております。一人でやれることには限界がありますし、一人では何もできないわけでありますから、ここにいらっしゃる皆さまをはじめ、全国のバスケットボールファミリーの皆さまが、バスケットを強くするという同じ方向を向いて進めるように、微力ながら努力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします」(大河氏)

■魅力ある代表チームを!
「肝心なのは日本代表の強化。新たな代表チームが誕生することをお伝えし、代表チームが観たいと思うようなPR、選手が入りたいという想いを持ってもらえるような魅力ある代表チームをつくっていきたい。Jリーグができる頃、ラモス瑠偉やカズ(三浦知良)らは代表に対する強い想いがあり、『日の丸を付けたい』という情熱があって選手全体や日本代表も盛り上げた。今回の改革を機に、(バスケ界にも)同じ状況をつくっていきたいと思っています。

強化の日程を十分に把握しているわけではありませんが、長いリーグの間で代表チームを招集して練習することがあまりないと聞いている。空白の時間が多いから、1週間のうち何日を割くかは別にして、サッカーの『インターナショナルマッチデー』(※FIFAが決める国際試合開催日)のように日程を事前に決めておいて代表強化の練習回数を多くし国際試合を開催する。(強い拘束力を持って)バスケットボール協会が選手を養成していくということです。チーム関係者、協会関係者、協会の強化関係者と話し合いを持って、お互いに理解して実施していくことを考えています」(川淵チェアマン)。

■(代表強化は)提案を肉付けし、実際の形にすることが重要
「タスクフォースで男女(の日本代表)それぞれをどう強化するかという話をし提案も受けています。JBAのトーステン・ロイブル スポーツディレクターがFIBAのスペシャリストとコミュニケーションを取りながら、さまざまな提案をしており、これからはその提案にどう肉付けをし、実際の形にしていくかが重要です。新しいJBAが実行に移すということで、強化は今日明日で成功できるものではありません。学校やその他団体の協力も必要不可欠です。文部科学省、日本体育協会からもできることは惜しみなく協力するとのお声をいただいています」(ヴァイス コーチェアマン)。

■新リーグは今の実力だけで選ばない
「私の想いですが、必ずしも今、実力上位のチームを選ぶということではありません。戦力は1年ですぐに変わる。先に大きく発展する可能性のあるチーム、地域社会がしっかりサポートしてくれるチームを入れる可能性はかなりあります。例えば環境が整って、来年くらいからガッと行きそうだとなったら、そういうチームを躊躇せずに入れていくこともありますよ、ということです。

 Jリーグでは鹿島アントラーズや清水エスパルスは弱小であっても、周りのバックアップがあり、将来大きく伸びるということで選びました。地域性も考え、最後の選択のところではただ単に今の成績の順番で選ぶような、そういう愚かなことはしません。今後ヒアリングを通じてチームの望む姿、あるべき姿、理念も含めて、慎重に選考を行っていきたいと思います。」(川淵チェアマン)

「チームの振り分けですが、すべてのチームが基準を満たせる水準になることを期待しており、全チームが1〜3部のどこかに所属できると思っています。振り分けの発表は7月30日(木)の予定です。結果を楽しみに待っていてください(ヴァイス コーチェアマン)。

■戦力均衡は移籍による効果を期待
「Jリーグの時も、鹿島と清水がやっていけるのかと。前段で3年かけてプロ化はスタートしましたから、外国人選手、新人選手による戦力確保など、1年間に5人取れるという理論武装をして、戦力的に問題ないという計算のもとにやっているんです。バスケの登録はたった12人。日本代表に値する、国際試合を戦うに値する選手がどれだけいるのか……決して多くないと聞いています。

1部2部に振り分けされた時に、当然、移籍が行われるべきで、移籍によって、チームは大きく変わっていく。移籍金をどう決めて、選手は取られるけれどこれだけのお金をもらえればいいとか、双方が納得できるような(高額な移籍金は出せないと思いますけど)話し合いをしてもらって、決めていけばいいと思います。

 移籍が積極的に起こらなければ、戦力の均衡化はないと思っています。東芝あたりの優秀な選手があまり試合に出られないなら、引っこ抜けばいいでしょ!? チーム名を出して悪いけれど、具体的に言わなければ話は通じないから(笑)。くすぶっている選手に活躍する場が与えられ、伸びることがあり得るんです。移籍は今回、一番重要な要素だと思います(川淵チェアマン)。

■最高の人材を会長(JBA)に欲しかった
「JBAの会長に川淵氏を」という要請はFIBAから出たそうだが、と質問を受けたヴァイス コーチェアマンはこう答えた。

答えは簡単。日本の会長に、最高の人材が欲しかったからだ」(ヴァイス コーチェアマン)。

「FIBAからは10人(理事の定員)にしなさいと言われているけど、日本は9地域の協会が都道府県協会との関係を保っており、その連携がなければ末端とのコミュニケーションは取りにくい。最低20人とFIBAに言いました。現在では10〜18人の間ならいいと言われています。18人の理事を置き、そこにプロリーグの代表者や女子の代表者、9地域の代表者が入ると残りが減ってしまいます。だから9地域の中で代表を選んでもらい、数を少なくした上で都道府県協会との関係を重視した編成を考えています。大部分は、バスケットボール界に関係した人が理事になるということです。

 ただ僕が言いたいのは、バスケットボール界に優秀な人材がいないなんてことは絶対にありません。優秀な人はいっぱいいます。いっぱいいるのになぜこうなったかが問題で、派閥や学閥、足の引っ張り合い。1人のリーダーを盛り立て、バスケットボール界を発展させようという気風のなかったことが、今日の事態を招いているんです。この1年間、理事会の経過も踏まえて、以降は優秀な若手をどんどん登用していけばいい。そういう人材は私の周りにいっぱいいます!! だから、将来のバスケットボール界については、何も心配していません。サッカー界は乗っ取りません(笑)」(川淵チェアマン)。

■寝ても覚めてもバスケットのことばかり
最後の質問を受ける際、「良い質問をしてね」と川淵チェアマン。すると、こんな質問が……「日本のバスケの現状がドラマティックに動き、落ち着いた。川淵チェアマンの血圧も落ち着いてきたか?」

「皆さんどう思っているか知らないけれど真剣なんですよ、打ち込んじゃう。だから、寝ても覚めてもバスケットのことばかり……最初に皆さんの前でbjリーグやNBLの代表者を集めて話をしました。あのビデオを見たら目も真っ赤、顔も真っ赤。自分でも“これは脳出血かなんかで倒れるな”という印象で事実そうだった。(血圧が)200の100とかでね、女房が辞めてくれと言うけれど乗りかかった船だし、文科省さんも何とかしっかりして欲しい、FIBAから全面的にバックアップしていただいている。JOCや体協、トップリーグ連携機構、境田先生とかいろいろな人がバックアップしてくれていて、かなり強力に改革が推し進められる環境だったわけにもかかわらず、それだけ血圧が高かった。それで大河(事務総長候補)がこれは命が危ない。Jリーグを辞めても、手伝わないと、ということで決断してくれて血圧が安定した。これは本当の話です。それだけ真剣に考えている」(川淵チェアマン)。

「今の川淵さんの話を補足しましょう。川淵さんは怒りを原動力にしているのではないかと個人的には思っています。言葉は悪いが、バスケに集中すればするほど“嫌な人”になっていたのだろう。しかし、私は良い人間(笑)。実は川淵さんの血圧が上がり過ぎたときのために、必ず高血圧用の薬を持ち歩くようにしています。われわれはお互いに『凸と凹』でいい具合にサポートし合っているのではないでしょうか(ヴァイス コーチェアマン)。

法務関係で手腕を発揮する境田正樹メンバー

法務関係で手腕を発揮する境田正樹メンバー

■7番目の理事(バスケ関係者)は川淵氏に一任
翌29日(祝・水)、臨時評議員会(東京都中央区)が開催された。タスクフォースからは川淵チェアマン、ヴァイス コーチェアマン、境田弁護士が出席。経過説明の他、JBAのガバナンス強化に不可欠な定款の変更、評議員の辞表提出などが行われた。記者会見は1時間ほど予定されていたが、実際には10分程度。しかし、川淵チェアマン、ヴァイス コーチェアマンとも、“新たな一歩、着実に前進”であると強調した。今後は、5月13日(水)に予定されているタスクフォース第5回会合、臨時理事会・評議会を経て、新生JBAの体制が確立される。

 前日の記者会見で「7番目の理事はバスケ関係者から」とのコメントがあったが、この日もそれを繰り返した。ただし、「急に“これでいいよ”とはいかない。(新しい理事会を)運営していく中で“こういう人がいたらいいな”と思えたら、その人を登用していくことになるが、これから3~6カ月間に決められたらと思っている」(川淵チェアマン)。

7番目は必要に応じて、バスケット関係者を入れるということ。さらに8番目も空白で、ここも状況に応じてバスケット関係者あるいはマーケティングの専門家や法律の専門家を候補として挙げる。この理事候補者に関しては川淵さんに一任することで話をつけている」(ヴァイス コーチェアマン)。

 2015年の5月、6月、7月は日本のバスケットボール界にとっては大きな転換点。JBAの新体制確立、制裁解除による日本代表の活動再開、新リーグの階層分け……バスケットボールファミリーの結束力が求められる夏になる。