【クラブチーム】 「全クラ優勝」「ALL JAPAN出場」 情熱を注いで目標へ! それが『RBC東京』

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Photo by Norio TSUBURAOKA

RBC東京の『RBC』とは「リキオ・バスケットボール・クラブ」の略。主宰兼コーチを務める三木さんのファーストネーム「力雄(=りきお)」に由来したもの。チームの源はbjリーグの発足がきっかけだった。bjリーグ発足前、旧日本リーグ時代に『さいたまブロンコス』のヘッドコーチに就任。2002-03、2003-04シーズンに連覇した後、“オリジナル6”としてbjリーグに参加したのが埼玉ブロンコスだ。現役を退いたチャールズ・ジョンソンヘッドコーチがチームを指揮し、三木さんはテクニカルアドバイザーとしてチームをサポートすることになった。
そこで、「リーグがプロ化するなら“プロにふさわしい選手を育成しなければ”」そう考えたという。三木さんがつくったのは「トライアウトやドラフトを経て、プロ入りを目指す選手のためのチーム。サテライト的なチームは、プロリーグのためだけでなく、日本のバスケットボール界の発展のためにも欠かせません」。実際にプロ入りした選手や指導者になった選手が多数おり、バスケに関わるさまざまなキャリア形成を後押し続けている。

■43歳までプレーヤー、コーチの道へ

三木さんは京都府出身。東山高校から京産大へ進み、卒業後は日本リーグ1部の熊谷組で活躍した。その後数年間、国体選手としてプレーし、関東実業団に所属を変更した熊谷組本社では43歳まで現役を続けた。その後58歳となった現在も日本スポーツマスターズの東京都代表のスタートメンバーとしてプレーを続けている。

──長く現役を続けられましたが、コーチになったきっかけは?
三木:本当はコーチの器じゃないと思っていました。「人に教える」というのは無理だろうと……国体選手の頃、子どもが通っている小学校からミニバスの指導を頼まれたんです。それで、今まで自分が教わってきたファンダメンタルを思い出したり、技術書を読んだりしながらコーチの勉強を始めたんです。その子たちが思った以上に上手くなってくれて嬉しかったですね(笑)。そのまま同地区の中学校に進学するというので、今度は中学校で教えることになりました(東京都中央区の銀座中学で、都大会準優勝・関東大会ベスト8)。

──指導者としてのスタートしてみて、何か新しい発見がありましたか?
三木:43歳までプレーヤーとしてコートに立ち、そろそろバスケ人生も終わりかなと思っていました。ところが、並行してコーチをやるようになり、「バスケは教えるのも面白いぞ」って(笑)。教える喜びと、教え子たちが成長していく喜び、それを同時に経験できたのが良かったんでしょうね。

──その後、以前の日本リーグ2部にあたる旧日本リーグでヘッドコーチに就き、連覇を果たされました。トップクラスのチームを指揮したのはそれが初めてですか?
三木:44歳の時です。このレベルの選手たちを教えるには、自分がもっと勉強しなければなりません。これまで以上に技術解説書を読み漁ったり、先輩指導者のところへ押しかけて練習を見学させていただいたり……「もっとバスケの面白さを伝えたい」「コーチングのスキルを上げたい」その一心でした。日本リーグといえどももとは2部ですから、観客動員は少ない。これではアカンと……チームの優勝はもちろんのこと、バスケ自体を盛り上げていかなければ、そう考えていましたし今も同じです。

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RBC東京#92小松昌弘

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RBC東京#23宮島智久

■すべてはバスケのため。情熱は衰えず

──それが「RBC東京」の活動につながっているわけですね? チーム入りの条件や練習など、厳しいとお聞きしていますが?
三木:結構、厳しいですよ(笑)。簡単には入れません。当然、バスケのスキルは見ますが、挨拶や人と話す時の態度など、ヒューマンスキルなども厳しく指導したい。ベテランでも若手でも、キャリアは関係ありません。同じ仲間として活動するわけですから、少しでも人として成長してもらいたいんです。

──厳しい指導が実り、全国クラブチーム選手権(全クラ)への出場を果たしました。今年はALL JAPANにも出場されましたが?
三木:我々はクラブチームなので、一番目に「全クラ優勝」です。昨年(2015年)12月、東京都予選の決勝で負けてしまいましたが、関東大会(全クラの予選)には出場できるので、ここを勝ち抜いて全国優勝を狙っています。ALL JAPANについては新たに設定した目標ですが、私自身、現役時代に経験しています。お正月に最高の舞台でバスケットができる、その喜びを味わってもらいたいんです。選ばれたプレーヤーしか立てないコートですから、プライドが生まれますし、自信にもなります。モチベーションもぐっと上がる……皆には、そう伝えています。

──2つの目標設定は、年々力が付いてきた実感があるからでしょうか?
三木:その通りです。バスケのスキルだけではありません。どの競技にも共通していると思いますが、「一生懸命に取り組むことで必ず人は育つ」そう考えています。ベテランも若手も関係なく叱るときは厳しく叱りますが、いい大人になって大声で怒鳴られることはないでしょう。諦めないで最後まで頑張る、食らいついていく気持ちが大切なんです。バスケの指導、コーチングにとどまらず、現役を退いた後の人生に、いかにプラスになるかを常に意識しているつもりです。選手たちは真剣ですし、私も真剣に付き合っています。

──そういえば、2015年は第1回の3×3日本選手権で優勝されましたが?
三木:それに関してはまったくノータッチ。3×3は競技が違うと思っていますから。RBC東京で出場してもいいけど、出るからには恥ずかしいことはするなよ、と(笑)。ストリートで活躍する選手たちがいますが、彼らにとってこのチームがいい刺激になってくれたらいいと思っていますし、ストリートや3×3での経験をチームに還元してくれるのが嬉しいですね。

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RBC東京#1野呂竜比人

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RBC東京#91佐藤裕二

話を聞いたのは2016年1月1日。「ALL JAPAN 2016」の1回戦で東海大に負けた直後のことだった。終始、柔和な笑顔の三木さんだったが敗戦について触れると、「リバウンドが少なかった。相手の方がよく跳んでいる。試合前に注意したはずなのにそれができていない。ルーズボールも相手の執念が上回っていた……」と悔しがった。バスケに賭ける情熱はますます燃え盛っているようだ。
『埼玉ブロンコス アソシエイトコーチ』の名刺の裏には『日本体育協会 公認スポーツ指導者』『JBA(公益財団法人 日本バスケットボール協会)公認B級コーチ』『RBC東京バスケットボールチーム 主宰(兼)コーチ』『警視庁バスケットボール コーチ』『東京医科歯科大学バスケットボール コーチ』『京都産業大学バスケットボール OB会副会長』といった肩書が並ぶ(京産大のアシスタントコーチでもある)。「バスケは自分の(人生の!?)一部。あって当たり前の生活」という三木さんらしい。

「本当は練習を見ていただければ、大声で怒鳴っているところもお見せできるんですけど(笑)」……真剣にぶつかり合い、目標に向かってひたむきにバスケに打ち込む「RBC東京」の練習は、きっと面白いに違いない。
※「第29回関東クラブバスケットボール選手権大会」兼「第42回 全日本クラブバスケットボール選手権大会 関東地区予選会」/1月30日、31日@さいたま市記念総合体育館

 

■バスケに賭ける情熱が凄い!
RBC東京#7鈴木慶太(K-TA)

 ストリートボールリーグ『SOMECITY』。F’SQUADの「K-TA」といえば誰もが知っている存在だ。3×3日本代表としても活躍している鈴木選手にチームのこと、三木コーチのことを聞いた。

──チーム入りのきっかけは?
鈴木:入団当時(約8年前)のRBC東京はプロを目指す選手たちのチームでした。ストリートバスケの活動と並行して、とにかくバスケットボールが上手くなりたかったので、しっかりとしたバスケットボール哲学のもと、しっかり練習できるチーム(環境)を探していたんです。人づてに、「厳しいけど、良いコーチがいるし、社会人クラブチームだけど、週4ぐらいで練習しているチーム」があると聞いてトライアウトに参加しました。

──入ってみていかがでしたか?
鈴木:コーチ、トレーナー、マネージャーと、クラブチームとは思えない、しっかりとした練習環境がそこにあり、充実していましたね。僕自身、学生時代は海外在住期間が長かったので、日本の部活の環境でバスケをしっかりと教わった経験がありませんでしたから、人から指導してもらえるというのがとても新鮮でした。三木コーチのバスケに賭けるエネルギー量というか、情熱は相当なもので、一バスケ人として、それに応えたい、負けないようにというか、負けたくない。そんな気持ちで取り組んでいます。

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RBC東京#7鈴木慶太

──三木コーチの印象は?
鈴木:とにかくバスケに対して熱い人! 常に厳しく、不甲斐ないプレーには容赦なく怒鳴られたりすることもありますが、それは高いスタンダードを求められているからこそ。それに、この歳になると、叱られる機会ってそうはありません。叱るというのは、エネルギーが必要ですから、逆にありがたいと思います。自分もずいぶんと怒られてきましたが、それは主力として起用されることが多く、期待されているからこそだと感じています。その期待に応えたいですし、正直、負けたくない……というか三木コーチとも勝負です(笑)

──ストリートの世界でトップクラス。でも、このチームにくれば関係ない?
鈴木:ここではもちろんフラットです。自分も刺激をもらえるし、いろんな場所でプレーしている自分が周りのいい刺激になれば良いなと思っています。自分の中では、ストリートも競技バスケも5on5も3on3も3×3も関係ない。要は上手くなりたい、その一心ですから。そんな気持ちで追い求めるうちに、良い出会いに恵まれました。

──本当にいろいろな環境でプレーしていますよね?
鈴木:そうですね、(ストリートでは)国際大会にも出場し、恵まれていると思います。またここ最近は、さまざまな場所で知り合った選手とも練習やバスケする機会が増え、オフシーズンには、NBLでプレーする岡田くん(優介/千葉ジェッツ)くんや高島くん(一貴/熊本ヴォルターズ)たちが、RBCの練習に参加してくれるんです。彼らが「オールジャパンで戦おう」と発破かけてくれて……それはいい刺激になっています。今回はNBLのチームとは対戦できませんでしたが、彼らがRBCの練習に参加してくれるのは、やはり三木コーチを始めとして、チームのみんなが真摯にバスケに情熱を注いでいるからこそ実現するんだと思います。プロの選手が参加しても練習になる、そう思ってくれるチームであり続けたいですね。RBCでの次の目標は、関東大会を勝ち上がって全日本クラブ選手権で優勝すること。もちろんライフワークのSOMECITYやストリートボールのフィールドでも、まだまだ目一杯バスケを楽しみたいし、高みを目指していきたいと思います。

東京都クラブバスケットボール連盟 ⇒ http://club.tokyobasketball.jp/
日本クラブバスケットボール連盟 ⇒ http://club.japanbasketball.jp/