【NBL】数字には表れないチームの信頼関係。 日立サンロッカーズ東京#1木下博之

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 悲願のNBL制覇を目指す日立サンロッカーズ東京(以下、日立東京)。2014-2015年シーズンは全日本総合選手権大会(天皇杯)で初優勝を飾り、NBLレギュラーシーズでは東地区1位(45勝9敗)でプレーオフ(以下、PO)に進出するも、トヨタ自動車アルバルク東京(以下、トヨタ東京)にセミファイナルで屈した。今シーズンはあと10試合を残して、31勝14敗の3位につけている(4月4日時点)。

 Text by Hiroyuki Ohashi / Photo by Tomoko Osawa

■アイシン三河に敗戦。木下が感じる今の日立東京
 4連勝で迎えた先週3月31日のアイシンシーホース三河(以下、アイシン三河)戦(@墨田総合体育館)は、対戦成績でシーズン勝ち越しのかかった試合だったが、68-74で敗戦。今後に向けて勝っておきたい一戦だったが、第1P立ち上がりに5分以上もスコアできず、アイシン三河#5アイザック・バッツにインサイドで押し込まれてしまい、0-8の攻撃を許した。その後、挽回を図って第4P残り1分15秒には♯24広瀬が3Pを沈めて66-67と1点差まで猛追するも、タイムアウト明けにアイシン三河#14金丸晃輔に3Pを決められてしまい、あと一歩及ばなかった。

  ホームゲームでの前回の敗戦は3月6日の千葉ジェッツ戦(60-73)以来だ。「負けたときのコミュニケーションが大事」と話すチーム最年長・木下にとって、今日の試合はどう感じたのか、試合後に話を聞いた。

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 ――今日勝てば、アイシン三河とのシーズンの対戦成績で勝ち越せた試合でした。試合を振り返っていかがでしょうか?
「僕たちは連勝で来ていて、アシシンさんが連敗(3月26日、27日に東芝ブレイブサンダースに2連敗)で来ていました。もちろん、勝ちたい気持ちでいましたし、向こうは勝たなきゃいけないぐらいの想いだったと思うので、そこの違いがちょっとありました。あと、今日はシュートを打たされている感じがあって、ノーマークをことごとく落としていたのと、フリースローを入れられなかったこと(7/14:成功率50%)が敗因ではないかと思っています」

 ――インサイドに強い日立東京だと思いますが、今日はペリメーター付近のシュートや3Pが多い印象でした。それは、チームとしての戦術だったのでしょうか?
「今日は相手が早めにダブルチームに来ていたが、それに対して僕たちの対応が上手くできていませんでした。そこを突かれてしまったと思います。相手の戦術通りに試合が進んでいて、最後に僕たちもなんとか追いついたんですけど、金丸選手に3Pを決められてしまいました。あそこが落ちていたら試合はどうなったかわかりませんでしたが、そこを決めるのが彼の力だと思います」

 ――“負けたときのコミュニケーションが大事”と以前、言っていましたが、今後の試合に向けては、どう修正していかなければなりませんか?
「前回負けたときよりもフラストレーションがたまることは少なかったです。そういう点では今日は作戦負け。相手のほうがきっちり対応してきたと感じています。僕たちはそれ以上のことをして臨まないと駄目なので、良い反省になったと思います」

 ――現在の順位は3位。昨年とは違う状況でPOに臨むことになると思いますが、どういう気持ちでしょうか?
「昨年は天皇杯で優勝してから疲れもあって、チームのコンディションとしては下降気味でした。今年はそんなこともなく、どちらかといえば、少しずつ上がっている状態です。昨年よりもコミュニケーションは取れているので、ここ何試合でもう一段階上げられるようにしていきたいですね」

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■数字には表れない「強み」
 彼の言葉は受けてスタッツを確認し、数字を見てみると昨年のほうが結果は良かったので、“チームの状態が少しずつ上がっている”というコメントは意外だった。同じ45試合を終えた時点では下記の通り。数字上は、決して上向いていないことが読み取れる。

2015-2016年    
天皇杯前        平均得点81.2点 平均失点72.6点(22試合)
天皇杯後        平均得点79.5点 平均失点74.3点(23試合)

2014-2015年    
天皇杯前        平均得点82.0点 平均失点71.6点(25試合)
天皇杯後        平均得点87.6点 平均失点72.0点(20試合)

 しかし、数字とは別に「昨年よりもコミュニケーションは取れている」と言うことからもうかがえるように、“信頼関係が構築できている”ことでチームの成熟度は上がっているのだろう。マイケル・オルソンHC体制となり2年目。木下をはじめ、#10アキ・チェンバース、#33アイラ・ブラウン、#33ジョシュ・ハイトベルト、#39藤高宗一郎(ケガにより欠場中)も同じタイミングでチームに加わった。
 昨シーズンから継続して11名がロスターに名を連ねており、日本人選手だけでなく、外国籍選手を含めて同じメンバーで日立東京のバスケットを共有して戦えることは大変心強いに違いない。

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■試金石となる上位チームとの対戦
 中1日で向かった4月2日、3日のアウェイ戦、サイバーダインつくばロボッツとの対戦では負けを引きずらず、2連勝をマーク。3位の座をガッチリとキープした。日立東京は4月9日、10日にホームへ三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋を迎えると、その後は上位チームであるトヨタ東京、リンク栃木ブレックスとのアウェイ4連戦が待っている。POに向けた、試金石となる大事な試合だ。チームの状態を上げていき、どんな戦いを見せるのか、注目していきたい。