頂点で待つ1週間(琉球ゴールデンキングス#9小菅 直人選手)

琉球ゴールデンキングス#9小菅直人選手(写真は2012-2012bjファイナル)

琉球ゴールデンキングス#9小菅直人選手(写真は2012-2012bjファイナル)

50試合を終え、41勝9敗。82%の高勝率を誇る琉球ゴールデンキングスは、すでにウエスタンカンファレンス1位通過を決めている。平均観客動員数3,219人は群を抜いて国内トップ(いずれも4月20日現在)。
ホームゲームの盛り上がりについては、好評発売中のバスケットボールスピリッツvol.2で紹介されているので、ぜひご一読を!
そんな琉球が見据える先は、2年ぶりの王座奪還のみ。

昨シーズンもレギュラーシーズン1位通過したが、ホームで迎えたプレイオフ カンファレンスセミファイナルでよもやの敗退。
プレイオフに棲む魔物と言うべきか、はたまた1位通過すると1週間空いてしまう日程がもたらす災いなのか…。
「あの期間にゲームの間隔が空くのは確かに恐い部分です。体をしっかり休めて万全な体制で臨める期間とも言えるし、同じ間隔で同じルーティーンで試合に臨んだ方が良いのかもしれない。なかなか難しい期間でもあります」
昨シーズンのプレイオフを振り返ってもらったのは、bjリーグファーストシーズンから活躍する小菅 直人選手(2004JBL新潟〜2005bj新潟〜2010琉球)。

敗戦も優勝へ向けた糧に変える

琉球ゴールデンキングス#9小菅直人選手

琉球ゴールデンキングス#9小菅直人選手

9敗しかしていない琉球だが、3月1日にプレイオフ進出を決めて以降、1ヶ月余りの間に4敗を喫している。
「余裕のような部分は出さないようにと、プレイオフが決まった後もチームでは話していました。ケガ人が出てしまったこともあり、誰がその穴を埋めるかを考えながらプレイしていた状況でもあります。負けをネガティブに捉えずに、目の前の試合に勝つことだけを考え、負けた試合も優勝するための糧に変えて戦って行きたいです」
岸本 隆一選手やアンソニー・マクヘンリー選手ら先発メンバーが、短期間ながら相次いで離脱。3月1日以降は12勝4敗、勝率75%は立派な数字であるが、強いイメージを植え付けられているだけに、1つの黒星にも驚かされてしまう。
シーズンを通して見ると、寒冷地で苦戦を強いられており(青森、岩手、新潟にそれぞれ1敗)、そこはよく突っ込まれると苦笑い。そんな小菅選手自身は、新潟県出身である。
「人間とは恐いもので…慣れというのは本当に恐いですよ。沖縄の気候に慣れてしまうと、冬でも新潟の春先ほどの気温なのに、思わず『寒い』って言っちゃいますからね。笑」
温暖な沖縄は「ケガをしにくい」と小菅選手も感じており、今シーズンもケガ無くこれまで全50試合に出場中だ。

プレイオフ進出を賭けたチームはもちろん、すでに逃しているチームも勝たねばならないと襲いかかってくるシーズン終盤は、それまでとは状況が異なることも考えられる。
「僕らが変わらずに試合に臨んでいても相手の方が気持ちで優り、それが結果として出てしまいました。新潟戦(4/5 琉球68-79新潟)も、大分戦(3/30 琉球69-81大分)もそうです。それはケガ人がいるとかいないという問題以前に気持ちの部分で負けてしまったわけです。もちろんそれが全てでは無いですが、プレイオフを勝ち抜くためにもメンタルは大事。これまでの敗戦を良い経験としてプレイオフを迎えるのか、またはダメな部分を出してしまうのかは自分たち次第です」
同じことがプレイオフでも待っている。ファーストラウンドを勝ち抜き、勢いに乗るチームを待ち構える琉球だが、「それでも僕らにはホームコートアドバンテージがあるので負けられません。ましてやホームでブースターに負け試合をお見せするわけにはいかないので、しっかり勝ちきりたいです」と語気を強めた。

土曜日の初戦が全て

小菅選手は、5千人を収容した朱鷺メッセを使用していた頃の新潟アルビレックスBBに在籍。2007-2008オールスターでは、その朱鷺メッセでMVPを獲得した。移籍した琉球はすでにお伝えした通り、日本最高の集客数を誇っており、キャリアを通じて多くのブースターに支えられている。
「やっぱりホームで試合ができることはいつでもありがたいことですし、幸せなことです。新潟も沖縄も、会場にはものすごい数のブースターが集まってくれます。そして、自分たちの背中をプッシュしてくれますので、このような環境でプレイできることを本当に感謝しています。だからこそ、ブースターの方たちのためにも結果を出したいと日々思っています」
同じ轍を踏まないことが、昨シーズンの悪夢を払拭できる唯一の手段である。
「体を休めつつもゲームモードを崩さずにして臨みたいです。やっぱり土曜日の初戦が全てだと思うので、そこに全力を賭けて戦えるように準備します」

近々に行われた4月20日の高松ファイブアローズ戦は59-62で敗れた。今週末、浜松・東三河フェニックスとのアウェイゲームがラストゲーム。イースタンカンファレンスの頂点で待つ1週間を充実した日々にするためにも、大事な試合となる。

  • レギュラーシーズン最終戦
    4月26日(土)18:00 琉球 vs 浜松@岡崎中央総合公園体育館
    4月27日(日)13:30 琉球 vs 浜松@岡崎中央総合公園体育館
  • プレイオフ カンファレンスセミファイナル
    5月10日(土)11日(日)13:00@沖縄市体育館
    チケットは4月25日(金)より一般発売開始
地元新潟でのアウェイゲームでシュートを決める小菅選手

地元新潟でのアウェイゲームでシュートを決める小菅選手

日本代表を目指さないとダメでしょ!

bjリーガーに取材する時は、『日本代表を目指しているか』と聞くようにしている。bjリーグから選ばれない時期はあったが、今は違う。浜松のビッグマン太田 敦也選手は日本代表の一人だ。また、新たに日本代表を指揮する長谷川健志ヘッドコーチは、今一番見たい選手は?という記者からの質問に対し、「bjリーグの選手たち」と即答。外国人の出場枠がNBLより多いbjリーグだからこそ、プロになってから成長できている選手はいるはずであり、その環境で揉まれていることに対して自信を持っているとさえ思っていた。
しかし、実際にこの質問を向けると「意識したことがない」「僕なんかが…」という答えが多い。

3月で32歳を迎えた小菅選手にも、最後に同じ質問を投げかけた。
「プロバスケット選手になった時から日本代表は目指していますし、32歳のおっさんになった今でも変わりません。日本代表に選ばれないのは、単純に自分の技術が足りないだけの話。現役である限りは技術を磨いて行きたいし、日本代表を追い求めて行きたいです」
あまりにうれしくて、思わず握手を求めてしまった。そして、これまでの多くのbjリーガーはネガティブな意見が多かったことを打ち明ける。すると、さらなる前向きな答えが返ってきた。

「どうせやるならば日本代表を目指さないとダメでしょ。僕は新潟でプロとしてのキャリアを始めた時からその思いを持って常にプレイしていますし、今でもそれは変わってません」

日本代表がアジアでも勝てないと嘆くならば、自分の力で変えてやるという強い気持ちと高い志を持った選手が増えて欲しいと願っている。その気持ちと行動こそが日本のレベルアップとなり、這い上がる原動力となるはずだ。
アジアの戦いを見れば、身長はさほど関係なく、ましてや経歴なんて誰も知りはしない。
選手が掲げる目標が高いからこそ、周りにいる人たちは共感し、応援したくなるものだ。
ブースターが選手たちの背中を押しているが、見方を変えれば、大きな夢を持って羽ばたくその背中に一緒に乗せてもらっているとも考えられる。
日本最高のブースターを乗せられるだけの大きな背中で、王座奪還を目指す。

ウエスタンカンファレンス セミファイナル

  • 5月10日(土)12:30 琉球 vs 浜松@沖縄市体育館
  • 5月11日(日)12:30 琉球 vs 浜松@沖縄市体育館

琉球ゴールデンキングス
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泉 誠一