日本代表コンビがオールスターゲームで復活(TK bjリーグ/チームWEST東野智弥HC/浜松、東頭俊典HC/大阪)

今年のTK bjリーグ オールスターゲームにおいて、個人的に一番楽しみにしていたのが、チームWESTのベンチだった。
東野 智弥ヘッドコーチ(浜松・東三河フェニックス)と東頭 俊典アシスタントコーチ(大阪エヴェッサ/HC)は、2011年アジア選手権まで、水野 宏太HC代行(レバンガ北海道)とともに日本代表アシスタントコーチとして、当時のトーマス・ウィスマンHC(リンク栃木ブレックス)を支えていた。
あれから3年強。
世界を知るリーグ屈指の熱き男たちが、夢の舞台で再びコンビを組んだ。

(左)東野 智弥ヘッドコーチ(浜松・東三河フェニックス)、(右)東頭 俊典アシスタントコーチ(大阪エヴェッサ/HC)

(左)東野 智弥ヘッドコーチ(浜松・東三河フェニックス)
(右)東頭 俊典アシスタントコーチ(大阪エヴェッサ/HC)

用意周到な二人

作戦ボードに向かって何やら書いていたのは、アシスタントコーチを務める東頭HCの方だった。
「たまたまファーストプレイが僕の方だったので」と言うが、その様子は真剣そのもの。隣にいる東野HCは、ポケットから何やら紙を2枚取り出し、眺めている。
オールスターゲームらしからぬ、用意周到な二人。何かをしてくれそうだ。

選手を入れ替えながら様子見のゲーム序盤。青木康平(ライジング福岡)、清水太志郎(大分ヒートデビルズ)のベテランに続き、ルーキーの畠山 俊樹(大阪)をPGとして投入。すると、手でサインを作ってナンバーコール。その瞬間は、オールスターゲームで笑いを取るための演出か…と思って見ていた。

「EAST(チャーリー)パーカーHC(群馬クレインサンダース)はNBAで指揮を執った経験があり、我々としてもしっかり用意しなければいけないというプレッシャーがありました」(東野HC)
前日練習から、「(東野HCは)チームでプレイすることを強調していた」と東頭HCは言う。東野HCはたった1試合だけの夢舞台でも、短い準備期間の中でも、チーム作りに努めていた。

「できるだけNBAでやってるようなプレイをタイムアウトごとに指示を出し、積極的に提供した」(パーカーHC)
東野HCの予想どおり、3度のNBAオールスターゲームを経験したパーカーHCは、最高峰のプレイを惜しみなくチームに注ぐ。

シーズン同様に熱い指揮官・東野ヘッドコーチ

シーズン中と変わらぬ熱い指揮官・東野ヘッドコーチ

ディフェンス重視

2Q、WESTに流れが来るや否や、「ボールプレッシャー」と叫ぶ東野HC。
え?オールスターなのに⁉︎と、思わず吹き出してしまった。笑
コンビを組む東頭HCも「最初から東野さんはディフェンスって言ってましたからね」と笑う。
「勝ちに行くよ」「勝たなきゃしょうがない」と東野HCは選手たちに発破をかける。
「バックコート陣は若い選手だったので、ディフェンス時は上からラインを上げさせていました。昨日も普通にディフェンスの練習をしてましたよ」(東頭HC)
ディフェンスに軸をおいたのには、ワケがあった。
「このチームの構成上、小さいプレイヤーが多かったので、ディフェンスをやろうという話は選手たち自身からありました。試合になれば、すぐに実行できる選手たちはとても頼もしかったです」(東野HC)
そう、最初からみんなで勝ちに行っていたのだ。

4勝4敗で迎えた今年のオールスターゲーム。熱い指揮官たちが選手たちをうまく乗せていき、WESTが勝利。勝ち越しとなる5勝目を挙げ、東野HCは安堵の表情を見せた。
「レギュラーシーズンさながらの準備をし、それを選手たちがこれほど反応してくれるのかというシーンがいくつもありました」(東野HC)

チームで戦うことを強調したWEST。キャプテンにはレジー・ウォーレン(京都ハンナリーズ)を指名。しかし、試合途中でケガに見舞われてしまった。
「レジーがケガしてしまった後も、『レジーのために勝とう』ってみんなが言ってたんです。なんか寄せ集めのオールスターという感じはなく、本当にスターが集まった良いチームになってました。自分もすごく楽しくできたので、本当に良かったです」(東頭HC)

選手たちを迎える東頭アシスタントコーチ

選手たちを迎える東頭アシスタントコーチ

明日からはまた敵同士

「今日、久しぶりに日本代表時代のコーチが揃いました。あれから何年も経ち、彼もヘッドコーチになって活躍しています。最後に、東頭HCとも『良いコンビだね』なんて、そんな話をしました。でも、また敵になります。今日は楽しみ、明日から敵。そういうわけですから、お互いにまたがんばりたいです」(東野HC)

「他のチームの選手たちが落ち着いてる姿を見ることができ、やっぱり違うな、という気がしましたね。そこをチームに戻ってからどう伝えていけるのか、というのがこの舞台を経験した僕と畠山の役割。大阪も良いところまできているので、もう少し上げていきたいです」(東頭HC)

今シーズン、同じウェスタンカンファレンスにいながら、二人の戦いはまだ実現していない。相見える初戦は2月末。それまで浜松は上位をキープし、大阪は順位を上げて熱いゲームを期待したい。
熱さを保ったまま、オールスターゲームは終わった。今週末よりプレイオフ、そして有明(ファイナル)へ向け、TK bjリーグの温度は冷めることなく後半戦が再開する。

  • 2月28日(土)3月1日(日)@湖西市アメニティプラザ
  • 3月14日(土)15日(日)@住吉スポーツセンター

浜松・東三河フェニックス
大阪エヴェッサ
TK bjリーグ

泉 誠一