FIBAへの回答期限まで約3週間。統一プロリーグ草案から着地点は見出せるのか?

他競技の関係者などが集まるセミナーや懇親会に参加する機会が多い。その度に、日本のバスケをアピールさせていただきながらも、逆に心配されることも多い。
2つのリーグは結局どうなるのか?
心配しているのは、スポーツに従事されている方ばかりではない。散髪に行けば美容師にも「バスケはどうなるの?」と聞かれ、統一プロリーグへ向けた動きへの関心度は高い。

これまで理事会には限られたメディアしか入れず、その全容を知ることはできなかった。しかし、昨日行われた「平成26年度 第7回理事会の内容に関する記者説明会」には小誌も潜入することができ、統一プロリーグの進捗状況を伺う機会を得た。
そこで聞いた報告は、残念ながらこれまでの報道からの進展は何も無く、統一プロリーグへ向けた草案を理事会に経緯報告しただけであった。
報告内容だけを聞いていると、日本代表や各チームが国際的な試合交流ができなくなるFIBAからの制裁は回避できないのではないか、という不安を抱く。
深津 泰彦 JBA会長、丸尾 充 NBL理事長、河内 敏光 TK bjリーグコミッショナーが揃って登壇した昨日の報告内容をまずは共有しよう。

深津 泰彦 会長による理事会の内容に関する報告

10月末までに回答期限を迎えるFIBAからの指摘事項について。
・リーグ問題
・男子日本代表の強化問題
・JBAの改革
この3点がFIBAより指摘されているが、今日はリーグ問題についての検討状況を説明します。
JBA、NBLとTK bjリーグの三者の代表と各リーグのチーム代表者、さらに第三者を入れて9名で新リーグ組織委員会を立ち上げ、意見交換を7月から12回に渡り行い、集中的な議論を続けてきました。
統一プロリーグの実現に向けて率直な意見をぶつけ合い、お互い真摯な姿勢で協議を続け、今は詰めの段階に差し掛かっています。しかし、今日の段階では最終案には至っておりません。今日の理事会では、これまでの経緯報告をし、理事の意見を聞きました。
10月末の最終期限へ向けて正式案が固まり次第、臨時理事会を開催し、機関決定をしてFIBAに回答したいと思っています。次の臨時理事会で正式に機関決定するまでは決定事項をお話しすることはありませんが、今日の理事会において組織委員会から草案を報告しましたので、それをベースに少しお話しさせていただきます。

■統一プロリーグへ向けた草案について
統一プロリーグを新たに作るにあたり、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」など共通認識や志をお互いに確認し合う必要があり、かなりの時間をかけて議論してきました。
組織委員会ではこの3つに関しては、ほぼ一致しているところであります。

ミッション(信念):バスケットボールを通じ、社会の健全な発展への貢献。バスケットを見て感動し、興奮してもらって社会に貢献していく。
ビジョン(志):お客様の満足。地域社会の活性化への寄与。バスケットの普及拡大と競技力向上。
バリュー(行動規範):選手のみならずリーグに携わる全員が真のプロフェッショナルになることを制約して進める。

■リーグ概要
新たに設立する一般社団法人にてリーグを運営することを前提に検討を進めています。
スタート時は1リーグ制。NBL、TK bjリーグが全て参加すると40チーム近くになるが(TK bjリーグ22チーム+来シーズン新規参入2チーム+NBL13チーム+NBDL数チーム)、一つのリーグとしてスタートすることを考えています。今後、カンファレンスやディヴィジョンに分けるという議論は考慮していきますが、当初は1リーグでスタート。
この体制で数年経過した後、過去の実績やチームの経営状況、成績を含めたチームの運営状況を鑑みながら総合評価での階層化を考えています。また、2016年シーズン開幕時から、現在のNBDL同様の育成リーグは併せ持ちます。

■リーグ参加要件
運営法人、チーム名、選手契約に関する条件を詰めているところです。以上の条件+審査基準を設けた上で、応募してくるチームに対して審査していきます。

■統一プロリーグ開幕へ向けたスケジュール
2014年10月末:FIBAへの回答期限
2014年12月末:正式に参加要件を明記し、公募開始
2015年3月末:公募締切
2015年6月頃:審査による参加チーム決定
2016年年初:統一プロリーグ運営会社設立
2016年10月:統一プロリーグ開幕

以上は草案であり、決定事項ではありません。
統一プロリーグの実現へ向け、それぞれの立場で最大限の努力をし、前進しているところです。

質疑応答

(Q)前回の協議以降、どの点が進展した点であり、問題点なのか?また、今日の理事会でどのようなことを指摘をされたのか?
(深津会長)ご指摘の通り、参加要件のところはお互い合意が取れているわけではありません。一つ目は参加チームの法人形態。原則的にはバスケを主たる事業とした法人という方向で検討していますが、まだ完全に両リーグ参加チーム間で理解を得られていないのが現状です。その理解を得るべく進めているところです。
2つ目は、チーム名。地域名を中心にリーグとしては進めるべきだと議論していますが、企業チームはチーム名に企業名を入れたいという強い要請が出ており、お互い理解に向けて協議している段階です。
3つ目は選手の扱い。企業チームには社員選手も多くいます。現在、社員選手として契約し活躍されている場合は、2016年以降も経過措置としてそのままで了承します。ただし、2016年以降はプロリーグとなるため、その時点から契約する選手は全てプロ選手として契約させます。大方に理解されていますが、全てに理解されているわけではありません。

(Q)3つの団体が2つのリーグを合わせて統一プロリーグを発足するにあたり、その経済効果を試算されているか?
(深津会長)具体的な数値としての経済効果は試算していません。ただ、2つのリーグが一つになることでの相乗効果は当然出ると思っています。バスケファンからも歓迎されると思っています。従いまして、新しいリーグは多くのお客様に来ていただき、いろんな意味で盛り上がると思っています。

(Q)FIBAとの今後の接触時期はいつか?また、その時に具体案を明文化されたものを提出するのか?
(深津会長)今週末、仙台で行われる3×3 WORLD TOUR FINAL 2014(10月11日・12日)にFIBAのパトリック・バウマン事務総長が来日します。その折りに会って、これまでの検討状況を報告します。その中で最終的な回答をどういう形で出せば良いかというディスカッションを行う予定です。リーグ問題に関しては、JBA、NBL、TK bjリーグの三者間での覚書が成立したものを出さなければ、FIBAは了解してもらえないと認識しています。

(Q)参加要件で難航しているのは、運営形態とチーム名に絞られているのか?同意を得られていない部分はあるが、期限も迫ってきており、完全一致でなくても押し切って進むのか?
(深津会長)原則的には、NBLとTK bjリーグを統合してプロリーグを作ることであり、両リーグとその参加チームの合意を大前提に進めています。チームによっては、この参加要件では参加できないという場合もあるかもしれません。体制として両リーグがひとつになるという姿は最低限必要だと思っていますが、参加できないというチームが出て来るのは致し方ないと思っています。しかし、両リーグが一つになったという姿は作り上げていかなければなりません。まだまだいろんな課題はありますが、これから細部の議論をしていく中で、お互いにすり合わせていけると思っています

(Q)両リーグの統合が大前提であれど、参加を見送るチームも出て来る可能性はある。ただ、FIBAへの回答期限もある中で、ひとまず覚書を提出するのか、それともチームの合意が得られなければ先送りしてしまうのか、優先順位はどちら?
(深津会長)リーグが了解してくれればすぐにでも覚書を交わせますが、リーグはチームがあって成り立っているわけなので、チームの賛成が得られなければリーグはサインができません。リーグとしてサインできるかどうかは、チームが理解するかどうかにかかっています。その中でどうしても1〜2チームは、この要件では参加できないということは起こり得るかもしれませんが、最終的には来年3月の応募締切までに意思表明をされるわけです。新しいリーグを作るということで賛成していただければ、それでサインを得られると思っており、10月末までに覚書を用意しなければならず、それを前提に話し合っているところです。

(Q)チーム名に関してだが、現在の草案では一切企業名を入れないということか?
(深津会長)地域名+ニックネームが原案として出てるが、企業チームからは企業名をぜひ入れたいという強い要請が出ており、その問題をお互いに理解し合えるかどうか協議しているところです。

(Q)チーム数は公募に応じて、そのまま制限無く参入可能か?
(深津会長)2016年開幕へ向け、チーム数の制限はないです。2つのリーグを統合するわけですから、現在のリーグに属しているチームが全て参加することが前提であり、そこからのスタートになります。将来的には、階層化されることは当然あり得ることです。チーム数が奇数であっても、それはやむを得ないことだと思っています。

(Q)統合により、フランチャイズが重複する都道府県も出て来るが?
(深津会長)具体的に言えば、東京と愛知は複数のチームがあり、フランチャイズが重なってきます。NBL、TK bjリーグが持ってるフランチャイズ権を遵守する中で、それをどう分けて行くかという点に関しては当該チームで十分協議しながら、リーグとしてどう認めていくかという流れになります。1都道府県の中に、複数のチームが存在するのは起こり得ることだと認識しています。

(Q)リーグ以外の問題点である強化と組織の改革について、どう報告するのか?
(深津会長)今日、この場で報告できるまで具体的には詰め切れておらず、進行形のことが多いので、今日お話しできることはありません。

(Q)参加要件に合意できず漏れるチームもあるかもしれないが、煮詰まっていない参加要項や選手への待遇、そしてクラブチームなのか実業団チームなのかというこれまでもクリアできない点であったが、現時点でその点は手応えを感じ見通しが立ってるのか?
(深津会長)参加要件に関しては、各企業とも話し合ってるが了解は得られていません。プロリーグ化するにあたり、バスケを主とした事業を行う運営法人を作って、運営してもらうことが必要です。しかしこれは企業チームそれぞれの事情もあり、2016年の立ち上がりからすぐにできるかどうかはまだ分かりませんが、その方向に向かって努力してもらうということを各企業にお願いしているところです。そこがクリアできればクラブチームと同じ条件になり、今までの企業チームとは違いプロチームとなるわけですから、この運営面がクリアされるかどうかが一番大事な今回の要件となっています。お願いして回っており、なんとか理解を得たいというのが現状です。

(Q)企業チームなしでのスタートも想定内か?
(深津会長)それは想定していません。2つのリーグが1つになるわけですから、企業チームが来なければ意味は無いです。企業チームも含めて参加することが大前提で話を進めています。多くのチームが来ないことには統一プロリーグは成り立たないです。

(Q)当初は1リーグでのスタートとなるが、可能性としてはNBDLから上がるチームもあるのか?
(丸尾NBL理事長)NBDLは育成リーグとして位置づけしているので、精査が必要です。今の位置づけを踏まえた上で、年末まで細かい条件を考えていきます。元々プロリーグを臨んでいないチームも多くあるので、慎重に考えなければなりません。

(Q)現在NBLやTK bjリーグに所属していながら、参加要件によっては下部リーグにあえて行くチームもあり得るのか?
(丸尾NBL理事長)要件が満たされなければ、受け皿としてのNBDL的なリーグは用意します。あとはチームの選択は様々あると思います。
(河内TK bjリーグコミッショナー)リーグが参加しろとは言っても、チームが参加条件を見て独自の判断に任せます。

河内 敏光 TK bjリーグコミッショナー 囲み取材

(Q)チーム名称が隔たりとなってるのでは?
(河内コミッショナー)現状としては、それは飲めない話。一番大切なのは理念に沿ってスタートすべき。TK bjリーグというよりも、生い立ちが譲れない部分。それ(チーム名に企業名が含まれること)が課題となってるのは事実。

(Q)スタート時は企業名がついていても、将来的に外すことを明言すればOKか?
(河内コミッショナー)今の段階ではそうですね。そうでなければNBLと何が違うのか、本当にそれでうまく行くのか、ということも含めて今と変わらない。まだ草案だが、前向きに話し合いを進めているところ。

(Q)草案は、TK bjリーグ参加チームにも賛同を得られるものになってるのか?
(河内コミッショナー)いや、まだそれはTK bjリーグ全チームに認識しておらず、そのような報告会が1回しか無かったもので、この草案はまだ……
(リーグ広報)いくつかの焦点があり、絞りつつあることは事実ですが、今の段階ではまだ草案であるため、チームとしてもジャッジできない状況であり、意見を言ってる段階です。

(Q)深津会長からの草案の説明を聞いた限りでは、TK bjリーグも合意できるという話し合いになってるという印象を受けるが?
(河内コミッショナー)そうですか?そういう感じでは…。

(Q)逆にTK bjリーグ側として通して欲しいと思う事項とは?
(河内コミッショナー)TK bjリーグ側というよりも、今、組織委委員会でやはりみんなで良い形で前向きに話を進めていると言うようなところは間違いなく進めていえる。ただ、どうしようという点については、もう少し時間がかかるかなというところ。前向きには進めているが、どっちの方向に進むかは正直言って分からない。ただ、草案から正式案になる時にどうなるのか。FIBAからの最終期限が残り3週間ほどであり、そこしかないところで、そこら辺をどういう風に詰めていかなければいけないのか話し合っていく必要がある。

(Q)時間が無い中でどこまでのラインであれば、認められるのか?
(河内コミッショナー)それは、FIBAがどこまで求めているのかというところにもある。スタートするのは2016年ですから、意外と時間がある。どこまでのものをまず作るのか。ポンポンと全てを決めるのが良いかどうか、というところもある。ちゃんと決めて行かなければ、後々、継続的にうまく行かなくなってしまっては何もならない。深津会長からも10月10日近辺にFIBAの事務総長が来日するという話があったが、その時の話し合いでどこまで必要なのかが組織委員会にも出て来ると思っている。今、全部を決めるというのは、たぶん良い方向にも行かない。

(Q)TK bjリーグは今もチームが増えているが、2016年へ向けた草案は関係なくTK bjリーグの基準に沿って審査しているのか、または統一プロリーグを考慮しているのか?
(河内コミッショナー)それはTK bjリーグの基準に沿っている。今後、どうなるかは分からないし、まだ合意していないので、統一プロリーグ在り気でエクスパンションを募集していることは全く考えていない。

(Q)統合することが決まっていてもあえてチームを受け入れているのは?
(河内コミッショナー)逆に言えば、来年の新規参入チーム(石川と長崎の2チーム)が決まったが、次はエクスパンション募集を考えておらず、来年は公募しない。

(Q)プロリーグに企業チームが存在して困る点とは?
(河内コミッショナー)僕自身も経験しているが、選手やスタッフが次のシーズンに向けてがんばろうと言っても、社会や経済的に企業が継続できないとなれば休部・廃部に追い込まれてしまう。がんばっていける間は、広く浅く地域の人達に支えてもらえるチーム作りの方が、継続できると思っている。

(Q)過去の歴史を振り返れば、優勝しても廃部となったケースもあったが、プロチームにそれは無い?
(河内コミッショナー)一応、それは無いのではなないかと思っている。それが一番大きい。
(リーグ広報)いわゆる勝つか負けるかというところだけではなく、お客さんに観に来ていただくことが重要です。要はどこを向いてチームを運営しているかという点に関しては、プロはお客さんに観に来ていただいて、チケットを買っていただくことが主なチームの目的となります。TK bjリーグのチームはそれで生計を立てています。優勝して人気が上がることも大切ですが、経営が成り立たずに潰れてしまっては当然意味がありません。勝つことが目的では無く、お客さんに見てもらうことが目的であり、その結果として見てもらうことで強くなり、収入が増えれば強化費にも回せる、それがプロチームという認識。そうではなく、勝てば良いというチームが同じ中に入っていたのですが、目的がバラバラになってしまうということ。バスケットを主とする事業というのは、その点です。他ですごく稼いでいるから、バスケットは勝てば良いというのは方向性が異なってしまいます。誰に、どこに向かってやってるのかが明確なのが、プロとしての要素だとTK bjリーグとしては考えています。
(河内コミッショナー)だから入ってすぐに優勝するよりも、うまくいってるチームは最初は苦しい思いをしてるが、2〜3年目に成績が出たチームの方がすごくうまく行く可能性は高い。

(Q)3つの参加要件に関しては、TK bjリーグとしては希望通りではないか?
(河内コミッショナー)TK bjリーグとしてではなく、組織委員会の中ではそのような方向で考えているのは間違いない。

(Q)企業チームはすぐにその要件を満たすことは無理だが、発足後の猶予期間で移行するような条件を出して来た時に、どのラインまで了承できるのか?
(河内コミッショナー)それはどういうところで問題提起が出て来るかで変わって来ると思う。全く、安易に変えてもらうという雰囲気で出て来るのでは、組織委員会として最後の合意を見つける部分はすごく変わって来てしまうと思ってる。

(Q)10月末の期限までにTK bjリーグ内での各チームとの話し合いはどの程度持たれるのか?
(河内コミッショナー)草案が出て来たところで1度、チームの方に意見をもらってるところ。次は、正式案がいつのタイミングでできるかによるが、その前には方向性を説明することはリーグの立場として絶対にしなければならない。

(Q)次の会議はいつ?
(河内コミッショナー)1週間に1度定例会は行われており、次は14日、そして20日。この20日の日程には、“エンドレス”と書かれている。

(Q)TK bjリーグの中で、企業チームでも了承しているチームはあるか?
(河内コミッショナー)すいません、まだ一つひとつのチームに確認できていないので、もしかするとそういうチームもあるかもしれない。今はまだ分からない。
(リーグ広報)全体を集めた会議で草案を紹介した際、それでも良いのではないか、という具体的な意見は出て来ていません。ただ、沈黙だったので、本心は分かり兼ねるというのが現状です。

(Q)TK bjリーグがネーミングライツとしてターキッシュ エアラインズが付いたが、運営企業を作ることは別としても、企業名を付けることで新たなるビジネスチャンスとして考えられるのでは?
(河内コミッショナー)今、まさにその話をしているところ。ユニフォームには胸に大きな企業名が入っている。ただ、チーム名に企業名を入れるかどうかという点について、組織委員会の中での意見は、仙台vs沖縄という表記の次に、トヨタvs群馬のようなものはどうなのか?統一した方が、きれいではないか、という話は出てる。

丸尾 充 NBL理事長 囲み取材

(Q)NBLにバスケットの運営法人を持ってる企業チームはあるのか?
(丸尾理事長)定款を変えて、バスケットを事業としてるチームは2つあり、企業の子会社に運営を事業化させている。NBLになってから、プロ化を見据えて自主運営をするようにしており、事業をできるようにしている。今までは外注だったのが、企業の子会社が運営することで利益としては外に出なくなる。その子会社が事業として取り組める仕組み作りとして、定款を変更したり、追記している。事業を行う準備や形はできてきている。それは全部ではなく、今は2つの企業が着手している。僕らが言ってるのは、バスケットでメシが食える体質にしなければいけない、それが本当のプロではないか。言葉は悪いが、企業の業績が悪ければ潰されてしまう。バスケットの成績ではなく、会社の業績で潰されることをずっと繰り返して来た。そういうことが無いように、バスケットがメインとなる事業体を作らなければならない。今、その事業体の売上の2〜3割がバスケットであり、それ以外は他で収益を上げているようであれば、50%に持って行こうというような努力をこれからして行きましょう、そういう話をしており、準備は始まっている。

(Q)バスケットが事業体としても、チーム名に企業名が入ることはTK bjリーグは認めていない?
(丸尾理事長)名前にこだわっている。企業名(が入らないこと)にこだわっている

(Q)安定した運営さえできれば、企業が出て来るのも悪いことではないのでは?
(丸尾理事長)そこはいろんなものの考え方がある。企業がつくことで資金のルートが確保でき、安定したビジネスモデルができるという考え方と、固定企業にしてしまうと地域活動の足かせになるという考え方もある。それがTK bjリーグのチームが主張しているところであり、我々もそういう考え方があるのはもっともだと思っており、ニュートラルな状態で意見を聞いているところ。安易にお金が企業から流れて来るという仕組みを、TK bjリーグは指摘しているという風に理解した方が良い。

(Q)企業名を外すことは組織委員会としての総意なのか?
(丸尾理事長)今、組織委員会としての草案であり、正式案として持っていかねばならない。あるべき姿が何かという点については、地域名とニックネームであり、事業体というのはバスケットが主とならなければならない。選手の契約も、2016年からはプロ契約というのがあるべき姿であり、そこに対して経過措置的な話や企業名の落としどころのような話が出て来る可能性はある。でも今、あるべき姿を目指して突っ走って、議論を進めている。深津会長も話していたが、あるべき姿としてプロ選手とはいえ、その前に社員選手として入って来てそれを2016年から切り替えるのは、酷な話であろうと。TK bjリーグにもそういう選手がいるのだから、入団時の形態で社員契約として入って来た選手たちが辞めるまでは、社員選手のままで良い。それは経過措置。そういうことを一つひとつクリアしていこうというのが現段階。

(Q)あるべき姿に関しては、TK bjリーグはもとより、NBLも過半数のチームはプロであり、その要件は満たしている。企業チームが問題となり、それぞれ会社の理解が必要となるわけでありながら、さらにFIBAからも10月末までというタイムリミットがある特殊な事情が今回はある。この期限を優先するためにも見切り発車は必要では?
(丸尾理事長)企業チームには会社の理解を得られるよう動いてもらっているところ。FIBAとの話し合いもあるが、10月末までに方向性を定めてリーグをやるということについて、賛同した、合意したというサインは書けるはず。そういうやり方も一つであり、10月末までに全てをクリアしなければならないのであれば、来年3月までの参加要件など甘いことは言っていられない。リーグとしての方向性にまずは賛同してもらいながらも、まだまだ詰めなければいけないことはいっぱいある。詰めていく中で、来年3月までにその要件は飲めないというチームも出て来るかもしれない。というようなことを想定しながら、個人的には頭の整理をしている。

(Q)今週末、仙台にバウマン総務理事に現段階を説明し、OKと言われればそれで通るものなのか?
(丸尾理事長)彼は今回の来日で結果を絶対に出さない。そういう人。話は聞くけど、月末までにしっかり書面にしろ、というタイプ。

(Q)月末までにクリアすべき案件は、3つの課題のうち、リーグだけで良いのか?
(丸尾理事長)それは3つ全て。リーグ問題、ガバナンス、強化の3つがあるが、皆さんにとってはリーグ問題が一番分かりやすい。一緒にしなければならない事柄としては明確だが、FIBAが求めているのは、日本が将来に向かってどういうバスケットの発展が見られるのか、ということからすると、短期のことよりも中長期のことを指摘されている。3つの問題の中で、一番重要なのはガバナンスだ。協会がきちんとした仕組みを作り、2020年、2024年へ向けてどういう風に物事を考え、そのためにどんな仕組みを行っているのか、従来は体たらくだったよね、というところを指摘されている。ガバナンスが一番大事であり、ガバナンスがしっかりしていれば強化の問題も整理でき、リーグ問題も整理できる。FIBAが指摘しているのも、そういうことだと僕は理解している。
非常に分かりやすいのは、10月末までにそれらを解決しなければならないと言われていること。リーグが2つから1つになったことが、一番見えやすいから話しているだけ。ガバナンスを重要視している。FIBAだって、日本を潰そうとしているわけではなく、いかに日本を良くするかという点において支援をしたいと言ってきているだけ。2006年の世界選手権(現FIBAワールドカップ)というビッグイベントがあったにも関わらず、その後の日本バスケットは国際大会での成績も含めて、沈滞してしまった。せっかく世界選手権を行ったのに、発展していかないということに対して、バウマンは指摘してきているわけである。それはアジア全体にも言えること。2008年に北京オリンピックがあっても、その後はどうなった?アジアゾーンが強くなって来ないということを指摘している。今度、2020年には東京オリンピックがあるが、それも線香花火のような一過性のもので終わってしまっては、なんのために大会を持って来ているのかをしっかり考えろ、と提起されている。2017年からFIBAワールドカップ予選がホーム&アウェイになるが、せっかく事業をできる仕組みを作ったのだから、うまく乗れるように協会がうまくやらなければダメだ、そういうことがガバナンスだと言ってる。それをより良くするためにも、2つのリーグがあるよりも分かりやすくちゃんと一つにして、皆さんから認識されるようにしなさいね、こう言ってるわけ。このように物語化した方が、分かりやすい。

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さて、昨日のやりとりを文字に起こしてみたが、皆さんはどのように感じただろうか?
私は不安でしかない。しかし、現状を理解することはできた。
草案には「ミッション」「ビジョン」「バリュー」が盛り込まれており、この時点で、三者が共通理解しているはずだ。しかし、話を聞く限りでは問題は山積であり、それぞれにまだまだ高い壁があるように感じた。
Jリーグ創設に関する書籍などを読むと、多数決で例え3割しか賛同を得られなくても、川淵 三郎チェアマン(当時)は信念を通し、英断していったという。
草案とは言え、統一プロリーグへ向けた骨子はできた。
それが三者の志であり、ブレ無い信念であってもらいたい。着地点を見出し、日本バスケ界が新たなる一歩を踏み出すことができるのか!?
FIBAが定めるデッドラインまで、あと約3週間しかない。

JBA
NBL
TK bjリーグ

泉 誠一