勝利へ導く明るい光(京都ハンナリーズ #17 日下 光選手)

12月11日、東地区2位のアルバルク東京を71-67で破った京都ハンナリーズ。ケビン・コッツァー選手の15点を筆頭に、岡田優介選手、小島元基選手がそれぞれ11点を挙げた。その活躍もさることながら、チームディフェンスで勝利をもぎ取った試合でもあった。戦うべきはコートに立つ選手ばかりではない。出場時間0分の日下 光選手が、ベンチから献身的に戦っていた姿に目を奪われる。

34歳、チーム最年長の日下選手は、常にコートに向かって声を出して仲間たちを鼓舞していた。さらに、バスケを始めたばかりの少年のように、片時もボールを離さずにいつでもコートに立つための準備を怠らない。

bjリーグ元年(2005年)にドラフト1巡目3位指名された仙台89ERS時代から、浜口 炎ヘッドコーチとはずっと一緒に戦ってきている。「タフな試合が続くときはプレイ面ばかりではなく、いろんな面ですごく助けられています。選手たちにも僕のバスケットスタイルを常にアドバイスしてくれています」と浜口ヘッドコーチは信頼を寄せており、目指すべきバスケットを熟知する日下選手は欠かせないパートナーでもある。

試合に出られなかったにも関わらず、快くインタビューゾーンに現れた日下選手が熱い思いを語ってくれた。

for the TEAM 〜自分が活躍するよりもチームが勝つことが最優先〜

ーー ベンチではボールを片時も離すことなく準備し、チームを鼓舞する姿勢に感銘を受けました。

僕の優先順位としてはチームが勝つことが最優先事項です。その中で、自分が試合に出たい気持ちはもちろんあります。プロ選手としてこれを言って良いのかは分かりませんが、自分が活躍するよりもチームが勝つことを最優先にしています。それでも、いつでもコートに出る準備はしています。

ーー A東京戦の勝利は大きな1勝になったのでは?

アルバルクはすごく強いチームであり、昨日の試合(12月10日●75-78)は接戦で負けてしまいましたが、良い試合をしたから良しではなく、明日は勝とうという気持ちで準備してきました。その結果が今日の勝利につながったわけですし、チームとしても良い方向に向かっていると思います。

ーー 昨シーズンのNBLで最高勝率チームだったA東京の印象は?

すごくタレント揃いの強いチームでしたが、しっかりしたバスケットさえできれば、今日のような勝ちゲームができるわけです。特に(岡田)優介の古巣であり、優介はその後に移籍したチームでアルバルクに勝ったことなかったということを僕自身も知っていました。彼のためにも1勝させたいということを特に今日は考えていました。

ーー 浜口ヘッドコーチ(元アシスタントコーチ)にとっても古巣でしたが?

すごい前(2004-2005シーズン)のことですが、それも知ってました。炎さんはすごく負けず嫌いであり、ずっと近くにいてそのこともすごく感じています。昨日の敗戦後も、「良い試合をするだけではダメだ、勝つための準備をしよう」と話して今日の試合を迎えており、本当に勝てて素直にうれしいです。

ーー 今シーズンはメンバーが大幅に入れ替わり、チームは1から築き直している中、日下選手は仙台の時から浜口ヘッドコーチの下で戦い続け、全てを知ってることでチームのためにしてきたことは?

僕のやることはシンプルで、(浜口)炎さんの考えていることを浸透させようと思ってやってきたのがまず一つです。逆に今年のチームは僕が言わなくても率先して、自らやろうという気持ちがある選手たちばかりです。なので、自分の準備をしながら、チームを鼓舞することが今の役割。試合にはなかなか出られていませんが、いつでも準備をしながら、チームの勝利のために自分ができることを一生懸命やってる状況です。

個性豊かで、ストロングポイントが各選手によって違うおもしろいチーム

ーー ベンチから客観的に試合を見てることで、昨日の敗戦からアドバイスできたことはありましたか?

昨日は最後まで勝ち急いでしまっていたので今日は焦らずに、まずはディフェンスを徹底することを考えていました。今日は60点台に抑えて勝てました。京都はディフェンスから入るチームであり、60点台に抑えるゲームをして勝利をつかむためにも、みんなでディフェンスを意識して今日の試合に入りましたし、ディフェンスとリバウンドが勝てたキーポイントでもありました。

ーー 冷静に見られているからこそ、仲間たちに伝えることができていたようにも見えましたが?

選手であれば、コートにいて熱くなる気持ちはもちろん分かります。逆に僕は冷静にベンチで見られる立場でもあるので、特に外国籍選手と良いコミュニケーションを取ることを意識していますし、常に実行しています。

ーー 現在は旧NBLから移籍してきた選手がスタメンを務めていますが、新たに加わった仲間たちの印象は?

今年は個性豊かで、ストロングポイントが各選手によって違うおもしろいチームです。それでもチームにならないと勝てないので、まずはチームワークを作るのがベテランである僕の仕事でもあると思っています。同じ方向に向かせられるようにどうすべきかを、いつも考えています。

ーー オーバーカンファレンスでの戦いで楽しみにしているチームは?

どこもそうですが、やはり古巣の仙台戦(1月27日・28日)がすごく楽しみです。しかも仙台での試合であり、僕が京都に移籍してきてから初めてのことです。自分の役割を全うしたいです。

ーー 統一して始まったBリーグの感想や課題点は?

バスケ界にとってはすごく良い方向に進んでいるし、盛り上がっているとは思いますが、まだまだの部分もあります。それはお客さんもそうですし、選手もそうですが、全体でもっともっと盛り上げていかなければなりません。バスケットは絶対にもっともっと楽しく、見ていても楽しいスポーツです。選手だけでは無く、みんなで盛り上げていきたいです。特に京都は観客動員数が少ないので、僕たちができることは率先してやっていきたいです。

京都の次戦(12月17日・18日)は東地区1位の栃木ブレックスを迎え、ハンナリーズアリーナでのホームゲーム。A東京に勝った勢いそのままに、連勝を狙う。

京都ホームゲーム会場では、愛くるしいマスコットの“はんニャリン”にもご覧いただいている「バスケットボール・スピリッツvol.3」を無料配布していただける予定です。WEB版とともにぜひ手にとっていただき、ベテランたちの熱い思いをご堪能ください。

京都ハンナリーズ

文/写真・泉 誠一