アースフレンズ東京Zを支える “TAKUMA & TAKU”の新たな挑戦! #13渡邉 拓馬と斎藤 卓AC

2014年8月2日、地元・大田区総合体育館で選手、スタッフのお披露目(公開記者会見)を行ったアースフレンズ東京Z。小野 秀二HCの下、チームのミッションである『日本代表が世界一になること』『日本から世界に通用する選手を輩出すること』の実現に向け、全員が“熱く”練習に取り組んでいる。
若手主体のチームを支えるのが「TAKUMA & TAKU」。同学年の2人は、ベテラン選手として、また異色コーチとして若手選手たちにアドバイスを送る。それは、彼らにとっても新たなチャレンジとなる。

トッププレイヤーのプライドを賭けて

新天地に賭ける渡邉 拓馬選手

新天地に賭ける渡邉 拓馬選手

──チーム最年長であり、JBLで新人王を受賞し、優勝経験もあります。ベテランとして、求められる役割は認識していると思いますが?

渡邉:それは自然と……やるべきことはわかっています。オファーを受けた段階から、チームを引っ張っていくことが求められています。僕なりのアプローチですが、プレイで見せて、声に出して伝えていきたい。これまであまりやってこなかったところかも知れませんが、ベテランになり、移籍を意識し始めてからですね。アースフレンズ東京Zという、新しいチームではより必要な役割だと思います。

──移籍については悩んだのではないでしょうか?

渡邉:トップリーグにいてプレイタイムが限られる環境より、自分が先頭に立って引っ張る、そんな意識が強くなりました。このチームはスタートしたばかりで、みんなでチームの歴史を創っていこうという意識が高い。ただ、トップリーグ入りを目指すチーム(アースフレンズ東京Z)は誕生したばかりですが、大人向けのバスケ教室を開いたり、クラブチームを立ち上げたりと、山野勝行代表の考えやこれまでの取り組みに共感できたのも大きかったですね。

──ご自身のバスケへの取り組み、意識が変わったのでしょうか?

渡邉:これまでのキャリアで、ある程度実績は残せたのではないかという思いはあります。今度は、次の世代に自分の経験を伝えたい、(どういうカタチでも)バスケを教えたいという気持ちが湧いてきました。アースフレンズは目標が明確で、かつ具体的に動いていますから、モチベーションを高く維持できる環境です。若手選手が多く、僕が教えることで個々のポテンシャルを上げることができるでしょう。経験を伝えることで、試合に臨む準備や、勝つ喜びを共有できるかも知れません。そう考えると、これからの自分のバスケ人生においても有意義な経験ができると思います。プレイヤーとして勝利に貢献するのは当然ですが、プラスαの貢献ができるかも知れない……それがモチベーションであり、移籍を決めた理由のひとつなんです。

──伝えていくこと。それが、ベテランの使命であり、バスケ界への恩返しになる?

渡邉:僕はまだまだ動けるので(笑)、一緒にプレイをして教えることが大切だと思います。トップリーグであれば「言わなくてもわかるだろう」で済んでも、今は一つひとつ確認し、皆の意識やレベルを高めていかなければなりません。選手たちが刺激を受け、面白がって楽しく上達していく、というのが良いですね。

──ご自身にとって、とても新鮮な環境ですね。将来は指導者を視野に?

渡邉:まだ漠然とですが、以前よりは明確になってきました。プレイで見せる、言葉で伝える、その両方が必要だと感じています。どういう関わり方であれ、指導すること、伝えることはやり続けたい。技術的なことだけでなく、「どういう思いでプレイを続けてきたのか」という気持ちの面も重要なので、それを伝えたい。どういう言葉で伝えればいいのか……それは、これから学ばなければなりませんね。

──地元のイベント出演やクリニックなども増えたとお聞きしましたが?

渡邉:人前に立つことが増えました。でも、実はそれも移籍を決めた理由なんです。このチームは下地づくりの期間があったと言いましたが、約5年間、大人対象のバスケスクールをやったり、地元との連携をつくり上げたりしてきたチームです。自分もその活動に参加し、今までの経験を伝えつつも、また新たな(自分自身の)バスケキャリアを構築したいと考えたんです。人と接して、自分の思いを伝えることの面白さ、難しさが勉強できるかな、と。

──とはいえ、まだまだプレイヤー、拓馬を披露しますよね?

渡邉:そうです。これ以上フィジルカル面が向上するとは思いませんが(笑)……段階を踏んで、まだまだステップアップしたいと思っています。これまでは企業チームで多くのことを経験し、キャリアを積んできました。今度は、プロチームで自分の可能性を伸ばしたい、そう思っています。しかも、このチームがNBDLチャレンジ1年目、小野HCも充電を終えて指揮官復帰1年目。だから僕も、このチームではルーキーとして関わりたかったんです。来シーズンだったら意味がないというか、皆と一緒にスタートしたかった。新たなチャレンジには最良のタイミングです。
小野さんとは久々に同じチームなりました。実は、JBL1年目、小野さんもトヨタ自動車で初采配。一緒に優勝を経験し、新人王。不思議な縁ですが、またアースフレンズ東京Zでも1年目に一緒に頑張ることになったので、あのときの再現を目指したいと思います。今回の僕の移籍が、(トップリーグも含め)あとに続く選手たちが選択肢を広げるきっかけになれば嬉しいですね。そして何より、ファンのみなさんと一緒に喜べる結果を残したいと思っています。

#13 渡邉 拓馬(わたなべ たくま)
1978年10月7日生まれ、福島県出身。188cm/83kg。拓殖大学 → トヨタ自動車アルバルク(2001~2012年) → 日立サンロッカーズ東京(2012~2014年)

斎藤 卓アシスタントコーチ

斎藤 卓アシスタントコーチ

教えること、教わることでより成長できる

──渡邉選手とは同学年ですが、学生時代に接点は?

斎藤:当時、僕らは2部とか3部。試合をしたこともなければ、接点はなかったですね。もちろん、一方的に知っていましたよ(笑)新人戦で4位になったんですが、そのときも対戦はありませんでした。

──渡邊選手は知っていたとか。ギガキャッツでのプレイも観たそうです。

斎藤:それは意外ですね。以前、コーチ研修会に参加した際、同じ班になって話をするようになりました。その時点では、彼がチームに加わることは決まっていませんでした。プレイヤーとしてのキャリアは豊富ですから、(役割は違いますが)一緒にチームのために頑張っていきたいですね。

──指導者は、いつ頃から意識していたのでしょうか?

斎藤:東海大卒業後、ギガキャッツ(ギガスピリッツ)でプレイをし、その後TEAM-Sでプレイを続けました。ギガキャッツ1年目は小浜監督(元孝/元日本代表HC)がいらっしゃって、そのあと1年間、トーマス・ウィスマンHC(現リンク栃木ブレックスHC)に指導を受けました。選手もいすゞ自動車から引き続いて在籍している、佐々木暢さんや松島ウォルターブラウンなどがいて、トップリーグの雰囲気を少し味わえたと思います。オールジャパンではJBLのオーエスジーに勝ってベスト8入り。準々決勝でアイシンと当たり、撃沈しましたが(笑)
その後、ギガスピリッツになってからですが、ベンチワークを引き継いだんです。プレイヤー兼任でしたが、ベンチワークや練習メニューなど、自分が中心になってやるようになりました。その頃から、コーチングは意識するようになりましたね。

──ギガキャッツ(ギガスピリッツ)の経験が大きかった?

斎藤:そうですね、トムとの交流は得がたい経験です。オールジャパンでは試合会場で顔を合わせ、「頑張っているな」って声を掛けてくれて……彼との1年間は濃密でしたね。プレイヤーとしてのプロもいれば、コーチとしてのプロもいます。彼はコーチとしてのプロですから。

──ストリートボールとの出会いは?

斎藤:ギガキャッツと同じ時期にスタートしていたでしょうか。一時、仕事の関係でバスケをあまりやっていたかった頃があったんです。その後、転職と同時にバスケを再開し、TEAM-Sの練習にも参加しました。ギガキャッツの活動は継続していたので、5on5は主にそっち。オールジャパンを目指したり、クラブ選手権を目指したり。その頃、NIKEが主催するストリートバスケの大きなイベントがあって、そこに初めてTEAM-Sとして参加したのがきっかけですね。そういったイベントには出たこともなかったし、派手なことはできない。地味なバンクシュートできっちり得点したり、(レジェンドの頃も)自分だけピックアンドロールをやったりしていました。

──当時、ストリートボーラーから見れば相当新鮮だったわけですね?

斎藤:そうでしょうね、当時ピックアンドロールなんてみんな眼中にない。みんな1on1で勝負する。自分でドリブルしてゴールに向かって行く、みたいなプレイヤーばっかりでした(笑)今では考えられないですね。

──その後、コーチングとしてはアースフレンズのバリバリチームがスタート?

斎藤:そうです。コーチ専任として関わるようになりました。昨年の9月からですが、1カ月後にオールジャパンの神奈川県予選があって、2カ月後にクラブチーム選手権の県予選があって、全国クラブチーム選手権出場を勝ち取りました。

──コーチを目指した理由というか、モチベーションとなるのは?

斎藤:コーチングができる人というのは限られていると思うんです。ヘッドコーチはチームに1人。チャンスがあるかどうかという意味でも狭き門です。あとは、適性。そういう意味でもかなり限られていると思います。(自分なりに)適性があるほうじゃないかな、と考えていましたが、そうイメージできたことも、コーチを目指す理由のひとつですね。

──アースフレンズ東京Zからのオファーは?

斎藤:オファーをいただいたときは、まだNBDLの加盟は決まっていませんでした。ただ、コーチ専任で、というお話をいただいたんです。ギガスピリッツに在籍しつつも、マンネリ化してしまったというか、チーム自体の変化が乏しくて……僕の指示しだいで動く、みたいな感じで、それでいいのかな、と。考えた末に、夏の大会を最後にしたいと申し出ていたタイミングだったんです。

──コーチとしてステップアップを目指したいと?

斎藤:タイミング的にはそうです。そのうちにNBDL入りが決まり、ゼロからスタートできることに。さらに小野HCの就任が決まり、自分が想像する以上に好条件が整ったんです。コーチングのやり方はある程度、確立できていると感じています。ただ、コーチとしてもプレイヤーとしても、トップリーグやNBDLでの経験はありません。小浜HCやトムしか知らない。それで、他のトップレベルのコーチがどういう教え方をするのか、というのに非常に興味がありました。小野さんがHCに就任すると聞き、ワクワク感はありましたね。もう興味津々(笑)どういうスタンスで指導して、チームづくりはどのように進めていくのか……日本代表選手であり、大学やトップリーグでコーチを務め、優勝経験もあります。それを目の前で見ることができるわけですから。

──開幕すればもっと刺激がもらえるでしょう。ご自身の将来像はいかがでしょうか?

斎藤:そこはまだあいまいです……コーチングの最終的な目標というかゴールとして日本代表チームに関われればいいな、と漠然と思っていますが、今はどんな環境、カテゴリーでもコーチングができればいいので将来像にあまりこだわりがありません。一時期、文部科学省の「トップアスリート派遣事業」の一環として教育現場で体育を教えていました。大田区の小学校で、体育のコーディネーターとして3年間勤務し、都内の高校生への指導もしています。どのようなカタチであれコーチングをしたい。どのチーム、どのカテゴリーというこだわりはありません。教えることが面白い。

──コーチ学であったり、コーチングテクニックであったり、その習得方法は?

斎藤:いろいろな試合を見たり、本を読んで勉強したり……などをしてはいますが(バスケに限らず)何かを教えるということに関しては、大人も子供も一緒で、本質的なものに変わりないと感じています。いかに伝えるか、いかに理解してもらえるか。例えば、拓馬には拓馬のバックボーンがあり、僕とは違うアプローチがあるでしょう。それを見るだけでも勉強になります。自分がステップアップ、キャリアアップすることが、そのままチームへのフィードバックになる。教えることと、学ぶことは共通していて切り離すことができません。これからシーズンが始まりますが、選手からも大いに刺激を受けながら、チーム一丸となって成長したいと思います。

──コーチ留学は興味がありますか?

斎藤:もちろん、興味はあります。アメリカやヨーロッパへ……チャンスがあればぜひぜひ!

斎藤 卓アシスタントコーチ(さいとう たく)
1979年1月1日生まれ、東京都出身。東海大学卒。横浜ギガキャッツ(横浜ギガスピリッツ)、TEAM-S。コーチ歴:アースフレンズ”バリバリチーム”(2013〜2014年)
“バスケットボールの教科書”TAKU(TEAM-S)引退

小野秀二ヘッドコーチ

小野秀二ヘッドコーチ

チームの指揮官、小野HCに2人への期待を聞いてみた。

「拓馬に期待するのは、ひとつは経験。これまでトップリーグで戦ってきたというキャリアです。我々が戦う場(NBDL)がどういうところなのか、そのレベルの高さを知っているわけですから、若手選手に伝えて欲しいですね。シーズンが始まれば痛感するでしょうが、今から理解できれば、備えもできます。そういう意味では中村(大輔 #24/兵庫ストークスから移籍)や粂川(岳勤 #0/TGI・Dライズより移籍)もNBL、NBDL経験者ですから、彼らを中心に、練習に臨む意識が変わってくればと思っています。
そしてもうひとつは、彼本来のプレイを取り戻すこと。どちらかというと彼は寡黙なイメージですが、今は練習でよく声が出ています。ベテランと若手が刺激し合ってレベルアップして欲しいと思います」

「斎藤ACと話していると、彼のバスケットボールへの思い、そしてコーチングへの熱意が伝わってきます。アシスタントコーチの仕事は多岐にわたり大変ですが、とても意欲的に取り組んでくれています。これからもっとコミュニケーションを深めながら、チームの指導などシェアしていきたいですね。大いに期待しています」

「私自身一年間現場から離れ、いろいろな経験をさせていただきました。新たに気持ちで選手たちとともに目標に向かって突っ走りたいと思っています」という小野HC。若いチームは“明るく、元気に”練習や試合を重ね成長しているが、「これからもっとチームとして個人として、プレイの精度を上げていかなければなりません」(小野HC)──そのためにも“TAKUMA & TAKU”の活躍は不可欠だ。新たなスタートを切り、それぞれの夢に向かって邁進するアースフレンズ東京Z。“TAKUMA & TAKU”の挑戦も始まったばかりだ。

充電を終えた小野HCが就任!

  • 開幕戦/10月18日(土)13:00、19日(日)13:00
    東京海上日動ビッグブルー vs アースフレンズ東京Z@‘東京海上日動石神井体育館
  • ホーム開幕戦/10月25日(土)19:00、26日(日)15:00
    アースフレンズ東京Z vs 大塚商会アルファーズ@大田区総合体育館

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