目指すは「NBLを下から突き上げるリーグ」 今、NBDLがおもしろい!

(左から)高山 師門(東京Z)、坂本 健(豊通名古屋)、鮫島 宗一郎(パスラボ山形)、佐藤 正成(東京Z) 4人はいずれも東海大学出身

(左から)高山 師門(東京Z)、坂本 健(豊通名古屋)、鮫島 宗一郎(パスラボ山形)、佐藤 正成(東京Z)
4人はいずれも東海大学出身

1月17日、18日の2日間にわたって開催された今年のNBL ALL-STAR GAME 2014-2015は、高校、大学、U-24、NBDL、NBLとさまざまなカテゴリーのチームが参加し、例年とはひと味違ったにぎわいを見せた。これまで観たことのないカテゴリーのチーム、選手を知ることも観戦の楽しみ。この2日間で新たなお気に入りの選手を見つけたファンも少なくなかったのではないだろうか。

高山師門(東京Z)

高山師門(東京Z)

参加する選手たちにとって、年に一度のこの祭典に選出されるのは誇らしいこと。今回ファン投票によってNBDLオールスターメンバーに選ばれたアースフレンズ東京Zの高山師門(フォワード部門1位)、佐藤正成(フォワード部門2位)の2人も「うちから拓馬さん(渡邉・ガード部門1位)が選ばれるのは当然だと思っていましたが、自分たちもこんなに投票してもらえるなんてびっくりです」と喜びの表情を隠せなかった。

アースフレンズ東京Zは今シーズンより小野秀二氏をヘッドコーチに迎えNBDLに参入した新チームだが、リーグでの活躍はめざましく前半戦を終えて13勝5敗、堂々3位に付けている。元旦から開催されたオールジャパンでは2回戦でNBL千葉ジェッツと対戦し、惜しくも5点差で敗れたものの最後の最後まで予断を許さぬ白熱戦を演じた。チームの得点源の1人でもある佐藤は東海大出身のルーキー。大学時代は同期のエース田中大貴(トヨタ自動車アルバルク東京)の控えとしてプレイタイムこそ多くはなかったが、186cmの身長でドライブ、シュート、リバウンドとすべてに臆せぬ『仕事人プレイ』が光った。この日は3Pシュート8/10と絶好調で両チームを通してトップの30得点をマーク。文句なしのMVPに輝いた。

「うれしいです。いつもは“7”を付けているんですが、今日は“0”だったのでこっちの方が調子上がるのかなぁと」と冗談をまじえて笑う佐藤に「リーグ後半戦もこれぐらいやってもらわないとね」と、横から突っ込みを入れたのは高山。東海大で佐藤の1年先輩にあたる高山はアースフレンズ東京Zの先発メンバーであり「ゴール下で常に身体を張ってチームに貢献してくれる」と小野HCの評価も高い。

佐藤正成(東京Z)は3Pシュート8/10と絶好調で両チームを通してトップの30得点をマーク

佐藤正成(東京Z)は3Pシュート8本を決めた。

この日は同じEASTチームに鮫島宗一郎(パスラボ山形ワイヴァンズ)、敵のWESTチームに坂本健(豊田通商ファイティングイーグルス名古屋)という大学の先輩たちがおり、試合終了後はちょっとした同窓会ムードも漂った。
「僕が大学4年のときに師門が3年、正成が2年、あのころに比べると2人ともすごく成長してますよ。ほんと、すばらしい!」(坂本)
「健さんは大学のときから身体はって、シールして、リクさん(陸川章HC)に求められたことを忠実にやり通してみんなからも信頼されてました。今もそれは変わらないですね。相変わらずダンクでも魅せてくれますし(笑)」(佐藤)
「こういう後輩たちとまた一緒に戦えるのはうれしいですよ。負けてらんね~!と思います」(鮫島)

(左)高山 師門坂本 健(豊通名古屋)、(右)鮫島 宗一郎(パスラボ山形)

(左)高山 師門坂本 健(豊通名古屋)、(右)鮫島 宗一郎(パスラボ山形)

そういえば前日の17日に行われたNBL / NBDL U -24選抜対大学選抜でMVPに選出された狩野祐介も東海大出身。こちらは現役の後輩たちと戦って「この2年で(後輩たちが)大きく成長しているのに驚きました。すごく刺激になりました」と語っていた。狩野が所属する東京エクセレンスは現在17勝1敗でリーグトップを走る。狩野とともにU-24チームに選ばれた樋口大倫やNBDLオールスターメンバーの斎藤豊など若手とベテランがバランスよく噛み合ってオールジャパンでベスト8入りしたことも記憶に新しいところだ。
「オールジャパンとかオールスターはたくさんのバスケファンが集まる場所なので、僕たちのゲームを見たことがないお客さんに見てもらうチャンスでもあります。いいプレイをしてNBDLの存在をアピールしたいですね」(狩野)
アピールという意味で言えば、NBDLのゲームでは応援席から選手の名前を連呼する熱いファンの姿が目立った。NBDLのゲームにあまり馴染みがない観客が思わずその声の方を振り返る。戦う選手だけでなく、応援そのものがチームをアピールしているような光景。そんな光景が生まれるのも日ごろから地元のイベントや地道なボランティア活動を通して、チームが地元住民と密な関係を育んできた証だろう。以前アースフレンズ東京Zのホームゲームを取材した際、座席の1つひとつ、トイレのドアの1つひとつに観客への感謝を記したメモが貼られていることに驚いたが、そうした細やかな心配りは必ず人に届くものだ。NBDLの会場にはそんなアットホームな雰囲気がある。

(左)狩野祐介、(右)樋口大倫(ともに東京EX)

(左)狩野祐介、(右)樋口大倫(ともに東京EX)

図式にすれば、NBDLはNBLの下に位置するリーグであり、全国レベルで言えばNBLより認知度が低いのは否めない。

ケガにより出場機会はなかったが存在感は示した渡邉拓馬(東京Z)

ケガにより出場機会はなかったが存在感は示した渡邉拓馬(東京Z)

「だからこそ僕ら(NBDL)は上(NBL)にプレッシャーを与えていくような存在にならないと…という思いはあります。そういう気概を持って戦いたいし、そういう僕らのゲームをたくさんの人たちに観てほしい」と語るのは長年NBLでプレイした経験を持つ渡邉拓馬。「うちの若い選手たちの能力は高い。でも、バスケットを学ぶという意味ではまだまだ。年長の自分が彼らに伝えていかなければならないことは多いと思うし、同時に一緒に成長していきたいとも思っています。やりがいありますよ(笑)」

NBLの下に位置するリーグとは言え、決してレベルが低いわけではない。オールジャパンでその実力を知り、オールスターでその魅力に気づいたファンも少なくないはず。ならば次はぜひ会場へ。NBLを突き上げろ! プレイオフ目指してデットヒートが期待できるNBDL後半戦は今週末1月24日からスタートする。

NBDL スケジュール

  • 1月24日(土)
    12:30 豊通名古屋 vs 豊田合成@大府市民体育館
    14:00 大塚商会 vs パスラボ山形@越谷市立総合体育館    
    15:00 東京Z vs 東京海上日動@国立代々木競技場第二体育館    
    18:00 東京EX vs アイシンAW@小豆沢体育館
  • 1月25日(日)
    12:30 豊通名古屋 vs 豊田合成@大府市民体育館    
    14:00 東京Z vs 東京海上日動@国立代々木競技場第二体育館    
    14:00 大塚商会 vs パスラボ山形@越谷市立総合体育館    
    15:00 東京EX vs アイシンAW@小豆沢体育館

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松原 貴実