遅咲きの負けず嫌い(トヨタ自動車アルバルク東京#11宇都 直輝選手)

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僕は試合が終わったらすぐに帰るし、練習が終わればすぐにバッシュを脱いじゃう。終わったらボールなんて一切触らない──

トヨタ自動車アルバルク東京のルーキー、宇都 直輝。
周りが見ているだろうイメージを、彼自身が説明してくれた。
見た目の印象からして“チャラい”と思われてる方も多いかもしれない。かくいう筆者も同じ意見だ。笑

3年連続得点王にも関わらず…

専修大学時代、関東大学リーグでは1年生から3年連続得点王を獲得。金丸 晃輔(アイシン三河/明治大学)、辻 直人(東芝神奈川/青山学院大学)、満原 優樹(日立東京/東海大学)、比江島 慎(アイシン三河/青山学院大学)ら錚々たる先輩たちがいたにも関わらず、下級生ながら堂々たる活躍を見せていた。
オールラウンダーであり、ポイントゲッターの宇都は自由そのもの。試合中には誰彼構わずしゃべりまくる。あれだけしゃべりながら息を切らさずにプレイを続け、得点を決める変わり者に、ついつい興味が沸いていた。

得点王にも関わらず、ユニバーシアード日本代表や李相佰盃日韓バスケットボール競技大会のメンバーに選ばれたのは一昨年前、4年時が初めてだった。周りからも遅咲きと言われる宇都は、その評価を受け止めている。
「これまで優勝候補になるような強いチームにいたことがなく、本当の意味でのトップレベルでプレイしたことがありません。常に下克上の立場にいたから、全力でやらないこと(手を抜くこと)を知りません。目の前の相手に対して、勝ちたい。ただそれだけです」
そのセンスだけは認めざるを得ない。まだまだ自由という束縛から抜け出せていない荒削りな部分は目立つが、PGまたはSGとして大成する可能性は十分にある。
そう思わせるのは、努力という確固たる礎が、宇都にも備わっているからだ。

練習の虫

150212b宇都の中学時代を知る方とたまたまお話できる機会があった。その頃からとにかく負けず嫌いで、練習の虫だったと言う。練習が終わると、必ずチームメイトと1on1をし、勝つまで帰らない。いつも体育館を出るのは一番最後。
その話を宇都に向けると、イメージが崩れてしまうことを恐れて言い返してきたのが冒頭の言葉だ。笑

トヨタ東京には専用体育館がある。今はどれほど練習をしてるのだろうか?
「日々区々ですが、納得がいくまでやる、という勝手に決めた自分の中でのルールがあります。大学の時もそうでした。試合に負けた後は、納得がいくまで練習をしてから帰る。それは今も変わりません」
1on1で勝つまで帰らない=納得していない。
今も昔も、宇都がバスケに傾ける情熱は1mmたりとも変わってはいない。
「今はさすがに1on1は無いですけど、練習中で良くなかったプレイは練習し直してます。その日のうちにやっておいた方が、プレイ自体を忘れないですからね」

結果は後からついてくる方式で!

努力をしていても、なかなかそれを発揮できるだけのプレイタイムを得られていない現状。それでも、限られた時間の中でアグレッシブにゴールへアタックし、アピールをしていたのが印象に残った。
「今は試されていると思っています。与えられた時間の中でアグレッシブに攻め、プレイタイムを勝ち獲る。もらうのではなく、勝ち獲るという気持ちでいますし、ヘッドコーチごと、みんなを見返してやろうと思っています」
先発PGの伊藤大司が欠場となった2月11日は、13:48出場。長いシーズン中、必ずチャンスは巡ってくるものだ。

東京オリンピックまで、もう5年余り。東京開催が決まった時、同い年であり、チームメイトの田中 大貴はその舞台でエースとして、日本代表を引っ張りたいと言っていた。同じ質問を宇都にしたところ、「その大貴を応援したい」とかわす。だが、遅咲きの宇都の活躍を逆算していけば、ちょうど2020年頃が一番脂の乗った時期ではないか。あらためて、東京オリンピックへの思いを聞いた。
「………」
宇都は黙ってこちらを向いたまま、頷いている。
その気持ちを汲んで、今日のところはこのまま終わらせよう──

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と、言ったそばからしゃべるのもまた、宇都のキャラだった。

「もちろん(出たい)気持ちはあります。目先のことも大事ですし、未来のことも大事です。トヨタに入ったのも、とにかく一番うまくなりたいからです。ここで練習してうまくなっていけば、自ずと日本代表に選ばれると思い、そのためにがんばっています。大学の時もそうでした。ずっと得点王だったけど、李相佰盃など学生代表に選ばれたのは4年の時だけ。そこでフテる(ふてくされる)ことなく、チームのためにがんばっていたし、それは今も同じ。結果は後からついてくる方式でやっていきたいです」

スター選手が集まるトヨタ東京。そこにいるだけで成長できる環境はあるが、伸びるかどうかは自分次第。
「プレイタイムが短いのは悔しいですが、そこはしょうがない。トップリーグはそういう世界だし。それを分かりきった上で、自分が出た時に何ができるかを常に考えてプレイしています。最終的に優勝するという段階に来たときに、コートにいられればそれで良い。だってまだ僕、ルーキーだしっ!」と、最後は開き直る。
「高望みしても良くないので、一つずつクリアしていきたい」

得点力ある大型PGとして、東京オリンピックの舞台にいるべき選手の一人として、密かに期待している。
今夏にはユニバーシアードがあり、再び日の丸を付ける可能性は高い。
名前どおり、実直に努力してさらに才能を開花させ、もっともっと輝いてもらいたい。

2月のトヨタ東京はホームゲームマンスリー!

  • 2月14日(土)15:00 トヨタ東京×アイシン三河@大田区総合体育館
  • 2月15日(日)15:00 トヨタ東京×アイシン三河@大田区総合体育館
  • 2月21日(土)14:00 トヨタ東京×広島@スカイホール豊田
  • 2月22日(日)15:00 トヨタ東京×広島@スカイホール豊田
  • 2月28日(土)15:00 トヨタ東京×和歌山@墨田区総合体育館
  • 2月29日(日)15:00 トヨタ東京×和歌山@墨田区総合体育館

トヨタ自動車アルバルク東京
NBL

泉 誠一