ニッポンのストリートボーラーたち[その5] 理“想”を追い続け、いつか“現”実に……SOGEN 【SOMECITY 2015-2016 TOKYO 1st PLAYOFF】に登場!

stb20150825_sougen003a.k.a. SOGENこと樋口 想現。英語表記もいいが、本名の“想現”もかなりカッコいい。子どもの頃はサッカー少年で、KAZU(三浦 和良)に憧れJリーガーを目指したこともあると言う。残念なこと(いや、幸いなこと!?)に地元の中学校にはサッカー部がなく、選んだのがバスケットボール。すると今度はマイケル・ジョーダンに憧れ、誰よりも高く跳べる選手になりたいと思うようになった。
それからはただ一筋に、「バスケオンリー」の環境を追い求めるSOGEN。現在はTOKYO BEASTの一員として、『SOMECITY』が主戦場。
強く“想”えば、きっと実“現”できる……我武者羅に理想のボーラー像を追い求めるSOGENを見ていると、その純粋さゆえに応援したくなるから不思議だ。

──想源ってカッコいい名前ですよね? 自分でも気に入っていますか?
SOGEN:気に入っています(笑)。この名前のお陰で頑張れるところがあるというか、この名前じゃなかったら、気持ちの面でもっと弱い部分が出てしまっていたかも知れません。

stb20150825_sougen001──名前の由来は聞いていますか?
SOGEN:意味としては「想像が現実になる」とか、「夢は実現する」。そのために、自分の気持ちは強く持たければいけない、そうあってほしいと願って名づけたそうです。だから、僕はこの名前の通り、自分の夢をきちんと思い描くようになったというか……。

──自分の名前のことを意識したのは、いつ頃からですか?
SOGEN:中学生の頃からかな。小学生の頃は珍しい名前なのでからかわれることが多くて、「爽健美茶」とか「そうめん」とか言われてましたね。中学からはそれはなくなって、逆に自分で意識するようになりました。バスケを始めたのもその頃です。それも重なっているからかもしれません。

──バスケを始めたのは中学1年から?
SOGEN:1年の3学期からです。ミニバスは経験がなくて、サッカー少年でした。東京都文京区の出身なんですが、周りの友達がやっていたわけではなく、サッカークラブもなかった。小学校、中学校とも校庭が狭かったからだと思います。僕はJリーグを観てハマりました。KAZU(三浦和良選手)に憧れていたんです。“自分はKAZUになる”って、ずっと一人でサッカーをやっていましたね。

──サッカーでプロになりたいと思っていた?
SOGEN:そうです。でも、中学にサッカー部がなくて、バスケへ。それは最初に仲良くなった友だちがバスケ部に入るって言ったのと、兄が2人いるんですがどちらもバスケをやっていたというのが大きかったです。

──男3人兄弟で、皆バスケ?
SOGEN:そうですね、歳も近いんです。僕自身、ミニバスの経験はないんですが、それで気後れすることはありませんでした。それよりも、自分がイメージしているプレイが上手くできないことが悔しかった。自分では「これぐらいできるはず」って思っているけど、初心者なのですぐにはできない。実際の自分との差が大きくて、「これじゃ試合に出られない」っていう気持ちでした。

──「もっと上手くできるはずだ」って、想像はできたけど実際はそうではなかった?
SOGEN:最初に思い知らされたのは中2の夏合宿。試合形式の練習になると、ずっとBチームに入ることになるんですが、それが悔しかった。“何かを変えなきゃ、いつまでもこのままだ”って思って……当時はM・ジョーダンに憧れていて、「そうだ、もっとジャンプ力をつければいいんだ」って(笑)。
 その合宿を経験してから、部活の練習以外に縄跳びや走り込みをやるようにしたんですが、その結果、それまでより20cmぐらい高く跳べるようになったんです。

──それまでジャンプ力とかは目立つ方ではなかった?
SOGEN:そうですね、皆よりちょっと跳べるぐらい。背も高いほうじゃなかったから、一生懸命「自主練」しました。

──中2の夏合宿は、心が折れそうになかったとか?
SOGEN:それはなかったです。それよりも、自分で決めた練習メニューを最後までこなせない時に「なんでだ!?」って、心が折れそうになりました。その度に「自分で決めたことは最後までやり通そう」そんなふうに気持ちを奮い立たせました。

──負けず嫌いだけど、時々自分に負けそうになってしまうこともあった?
SOGEN:時々ありましたね(笑)。でも、自分の名前を意識することで頑張れるところがあるんです。当時は一日おきに、「縄跳び、腹筋、ダッシュ」「腕立て伏せ、ダッシュ」などオリジナルのトレーニングメニューを自分で決めてやっていました。でも、どうしてもできない時がある……今思うと、1人で頑張ろうとし過ぎていたからかな!? なので、とにかくバスケの練習はチームメイトと一緒にやることが大切、そう考えるようになりました。
 その経験が今のTOKYO BEASTの練習にも生きています。チーム練習で少しキツイ練習をやる時は、皆で一緒にやればやり切れる。中学生が1人で練習することにおいては、それなりに頑張っていたんでしょうけど、今はできるだけ皆に声を掛けるようにしています。

──中学の頃から、自分に足りないものを埋めようと努力したんですね。部活の成績は?
SOGEN:区で2位とか……都大会には行けませんでした。2年の夏合宿が終わって、秋の最初の公式戦からはスタメンになりました。そういう意味では努力が報われたわけで、素直に嬉しかったし、バスケに対するモチベーションが上がったことを覚えています。

──バスケを始めてから、これまで辞めようと思わなかったのはどうしてでしょう?
SOGEN:う~ん、どうしてかな!? バスケを始めてからずっと、自分が思い描く理想のプレイヤー像というのがあって、それを追い求めているからでしょうか。「こうなりたい」じゃなくて、「ゼッタイなってやる」って思っていて、まだ届いていないからでしょうね。「このままで辞めるわけにはいかない」って。

──それは今も変わらない?
SOGEN:変わらないですね、もっと上手くなれると思っています。

──高校は強いところでプレイしたいという気持ちはなかったですか?
SOGEN:中学時代はちょっとやんちゃだったんで、高校進学はどうなるかわからなかったんです。勉強も疎かにしちゃってましたし……まぁいろいろあって、結局、高校でバスケはやりませんでした。そのかわりに地元の先輩のクラブチームでプレイをしたり、兄のチームにお邪魔したり……。

stb20150825_sougen002──さて、この先どうしようかと悩んだりしなかった?
SOGEN:できるだけ「バスケ最優先」の生活がしたいんです。何事においてもバスケを第一に考える。どうゆう状況であってもバスケを辞める選択肢はなかったので、今もそのまま。もちろん仕事はしますけど、何よりも好きなバスケが続けられる環境を重要視しています。

──いろいろあったときにストリートバスケと出合ったわけですね。きっかけは?
SOGEN:いろいろなクラブチームに顔を出していたんですが、そのつながりです。毎週通っていたチームにLEGENDのYOHEIさんがたまたま来ていて、FEB(Far East Ballers)の練習に誘われたのが最初です。参加してみたら、自分のバスケライフがガラッと変わったんです。そこからはFRBの練習のみで、他のクラブチームはいっさい行かなくなりました。

──ストリートにハマった?
SOGEN:それが22、23歳の頃。現在の主戦場はストリートです。バスケのために時間をめいっぱい確保する生活を続けています。5on5から3on3に変わりましたが、中学の頃に追い求めたプレイヤー像、ボーラー像は今も変わっていないですね。

──TOKYO BEASTは何年目でしょうか?
SOGEN:6年目ぐらいかな。SOMECITYは一度降格しましたが、また戻ることができました。SOMECITYのレギュラーチームは何とか死守したいと思っています。チームとしても明確な目標になりますから、皆のモチベーションが上がるんです。そう意味では、SOMECITYは僕たちにとって、常に挑戦しがいのあるステージですね。

──ストリートをやっていて、気持ちが燃える瞬間というのは?
SOGEN:3対3ですから、1人目は抜くことができても2人目にブロックに来るヤツがデカかったりするんです。その場合、どうやって体をぶつけて、そいつの上からシュートを決めるかというのが僕のテーマになっています。やっぱりデカいヤツにぶつかっていって、それでシュートを決めるのというが一番楽しいです(笑)。 

──クラブチッタ川崎は独特の雰囲気があって、とても楽しい空間ですよね?
SOGEN:人が近く居て、「観られている感覚」が強い。観客が多ければ多いほど燃えますよ。あとは、出てくるボーラー全員が、「自分が一番だ」っていう気持ちがあります。負けた相手がPLYAOFFなんかで活躍するのを観るのが嫌。誰もが負けず嫌い。常に“上を狙う”のが永遠のテーマというか、今でも追い求めています。

──「現住所」はTOKYO BEASTということで、「出張」してはさまざまなコートでプレイをするわけですね?
SOGEN:そうですね、TOKYO BEASTが自分の家みたいなものです。キャプテンは409(シュレック:安室)ですが、練習メニューなどは僕が決めます。事務的なことは409に任せて、練習の段取りなどは僕が受け持っています。

──「ストリートと出合って変わった自分」がいますか?
SOGEN:まだまだ理想のプレイヤーには成り切れはいませんが、それでもストリートボール界では僕のプレイを観に来てくださる方がいます。そういう意味では、出合った頃から居心地の良い環境でした。

──FEBからストリートに関わっていますが、そろそろ次世代のボーラーたちが育っています。その辺りの感覚はいかがでしょうか?
SOGEN:スキルの高いボーラーがいますから、とても楽しみにしています。まだまだ負けるわけにはいきませんし、ハートではゼッタイ負けません。ストリートに賭ける情熱はバトンをつないでいければいいなと思っています。

──何度も「理想の選手に……」と口にしていますが、例えばそれはどのようなイメージ?
SOGEN:NBAで例えればD・ローズ(シカゴ・ブルズ)や、少し前のスーパースター、A・アイバーソン(フィラデルフィア・76ers他)とか……小柄でも得点力があって、ゲームを引っ張るタイプ。会場全体を支配するようなプレイヤーです。

stb20150825_sougen004──クラブチッタ川崎は、そんなSOGENを観たいというファンがたくさんいますよ?
SOGEN:もっともっとアピールして、PLAYOFFで勝ち上がっていくような強いチームになりたいです。これからも自分の理想を追求したい……なれるかどうかわからないし、どこかで諦めなきゃいけない瞬間が来ると思いますが、それはまだ先のことだと思っています。すぐに自分で限界を決めず、我武者羅にプレイを続けていきます。これからも期待に応えられるボーラーであり続けたい、そう想い続けています(笑)。

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取材をお願いしたのは「平成27年度 関東実業団バスケットボールリーグ戦」の最終日(@国立競技場代々木第二体育館)。以前から声を掛けていたものの、なかなかタイミングが合わず、次回のSOMECITYに時間をもらおうと考えていたのが、思いがけずこの日、観客席に見慣れた風貌のSOGENを発見。聞けば、TOKYO BEASTに所属するチームメイトが出場しているとのことだった。

観客席のSOGENを見つけて挨拶に来る選手も居り、バスケで広がる“顔の広さ”はさすが! コートやルールの違いはあっても根っこは同じバスケなんだ、と改めて嬉しくなる。本人の言葉からはバスケ一筋のひたむきな想いが感じられた。中学高校時代はやんちゃだったと言うが、その頃のSOGENはことバスケに関しては純粋な気持ちを注ぎ込んでいたに違いない。そんな“愛すべきSOGEN”のリアルハートを上手く伝えられないのがもどかしい。ならば百聞は一見に如かず! SOGEN(TOKYO BEAST)は、8月26日(水)@新木場スタジオコーストで行われる【SOMECITY 2015-2016 TOKYO 1st PLAYOFF】に登場するので、ぜひ会場へ! 

SOMECITY OFFICIAL SITE ⇒ http://www.somecity.tv/

【参考記事】

http://www.bbspirits.com/interview/ud140609/

http://www.bbspirits.com/interview/stb140815/

http://www.bbspirits.com/interview/stb140908/

http://www.bbspirits.com/interview/sb141215/