関東大学リーグ:混戦を抜け出した東海大学が優勝!勢いづけた1年生の躍進と4年生の献身

最終日までもつれた関東大学1部リーグを制したのは東海大学だった。しかしマジック『1』にしながら、2部から昇格した神奈川大学に敗れたことで優勝が1日遅れた。陸川章ヘッドコーチは「昨日の敗戦ができたことは、神大に感謝。ひたむきに一生懸命プレーするのは我々も同じ。今日は最後まで、誰が出てもファイトしてくれた中で勝つことができた」と、本来の姿を取り戻した日本大学戦は82-57で圧倒。3年ぶり5回目の頂点に立った。

気付けばポイントガードになっていた大倉颯太、兄と同じ反応の良さを発揮する八村阿蓮

リーグ戦はトライ&エラーを繰り返しながら選手たちは成長し、チームを強固なものにする期間である。今シーズンの東海大学はけっして良いスタートを切ったわけではない。当初は4年生の#10鶴田美勇士選手、3年生の#0寺嶋良選手と#22笹倉怜寿選手と#25平岩玄選手、そして2年生の#28津屋一球選手が先発を任されていた。しかし、2勝2敗と思うように勝てない序盤の戦いに対し、陸川ヘッドコーチは6試合目からラインナップを変更する。1年生の#11大倉颯太選手と#86八村阿蓮選手を抜擢。若き才能たちが勢いづけ、勝ち星を重ねていった。

「大倉を本来は2番で起用し、もっと得点を獲らせようと思っていましたが、いつの間にかチームを仕切ってポイントガードになってました(笑)。(八村)阿蓮はそれほど大きくない(198cm)ですが、やっぱりお兄さん(八村塁選手/ゴンザガ大学3年)と一緒でブロックなどの反応が素晴らしい」という陸川ヘッドコーチは、彼ら自身の対応能力やバスケIQの高さを評価する。

兄・塁選手とは同い年であり、ともに数々の国際大会を戦ってきた平岩選手は、弟・阿蓮選手という素材をどう見ているのだろうか?
「すごく技術があり、能力もあり、パワーもあって、練習中はやられるときもあります。でもまだ若く、血気盛んなところがあり、今日の試合も最後は頭に血が上っていました。冷静にさえできれば、もっと恐い存在になる。ビッグマン同士、お互いに協力をして息の合ったプレーもできるようになってきました。今の東海大学は4番や5番ポジションだからといってアウトサイドプレーをしてはいけないわけではないので、どんどん挑戦していって欲しいです。阿蓮が成長してくれることで僕も成長できます」

1年生の活躍の裏には「下級生を支えたり、プレータイムがなくなってもベンチで応援したり、出番が回ってくれば今日のようにしっかりつないでくれた4年生たちの力は大きい」と陸川ヘッドコーチも感謝している。最上級生たちが気持ちを切らすことなく献身的にコート内外で戦い続けたことでチームがひとつになり、実を結ぶことができた。

ディフェンスは武器であり、お守り

最後に東海大学が日本一になったのは田中大貴選手(アルバルク東京)がMVPを飾ったときであり、すでに5年が経つ。3年生の平岩選手にとっては初のリーグ制覇となり、MVPに選ばれた。だが、その喜びよりも関東大学リーグを2度制覇したがインカレでは勝てなかった過去を教訓に気を引き締める。

「優勝したとはいえ他のチームとの差がなく、ここからインカレまでずっと右肩上がりでいくわけでもないです。うまくいかないときこそ、このリーグ戦で学んだことを思い出し、それを生かして一発勝負に強くなっていけるようにしたいです」

A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチを師事する陸川ヘッドコーチもまた、「我々のアイデンティティーはやはりディフェンス。そこが我々の武器であり、お守りである」と基本に立ち返って、もう一度磨きをかける。1年生を起用したリーグ戦は、目をつぶらなければいけない場面もあった。インカレまでの残る約1ヶ月でさらに精度を高めていき、日本一奪還を目指す。

最終結果

優 勝:東海大学(18勝4敗)※3年ぶり5回目
準優勝:大東文化大学(17勝5敗)
第3位:専修大学(15勝7敗)
第4位:筑波大学(14勝8敗)
第5位:青山学院大学(14勝8敗)
第6位:白鴎大学(11勝11敗)
第7位:日本大学(10勝12敗)
第8位:早稲田大学(10勝12敗)
第9位:神奈川大学(8勝14敗)
第10位:明治大学(7勝15敗)
第11位:中央大学(5勝17敗)
第12位:拓殖大学(3勝19)

中央大学と拓殖大学が2部降格。明治大学は2部3位の駒澤大学と、神奈川大学は2部4位の国士舘大学と入替戦を行う。
降格したチームはインカレへの出場権がなく、昇格した2部チーム(日本体育大学、法政大学)がその権利を得た。

アワード

■最優秀選手賞:平岩玄(東海大3年)

■優秀選手賞
大倉颯太(東海大1年)
八村阿蓮(東海大1年)
盛實海翔(専修大3年)
モッチ・ラミーン(大東大3年)
増田啓介(筑波大3年)

■得点王:増田啓介(筑波大3年)434得点
■3Pシュート王:多田武史(拓殖大3年)89本
■リバウンド王:シェイク・ケイタ(日本大2年)349本
■アシスト王:長谷川暢(早稲田大4年)85本

関東大学バスケットボール連盟
インカレ概要は全日本大学バスケットボール連盟

文・写真 泉 誠一