いぶし銀の輝きを放つ車椅子バスケ選手たちーその2ー(ワールドバスケットボールクラブ #15 大島朋彦選手)

天皇杯 第46回日本車いすバスケットボール選手権大会で3年連続4強入りを果たしたワールドバスケットボールクラブ。しかし、大島朋彦選手(46歳)は「実力的には5番か6番目のレベル」と自己評価している。準決勝では宮城MAXに敗れ、3位決定戦でも埼玉ライオンズに勝てず、昨年と同じ4位の結果に終わった。

宮城MAX戦、前半は31-33と2点のビハインドでしのぎ、対等な戦いを見せる。
「抑えるべきは藤本(怜央)選手であり、シュートは打たれていましたが、極力ゴールから遠いところから打たせて、しっかりリバウンドを拾っていこうという話はありました」
大島選手は作戦通りの展開に手応えを感じていた。しかし、第3クォーターだけで8-22と一気に引き離されてしまう。

「今までも宮城MAXはその時間帯の強さが際立っていました。案の定、そこで持っていかれてしまって辛抱ができなかったですね」
52-74、今大会における宮城MAXの最少得点に抑えてはいるが、自ら得点ができず金星を得ることはできなかった。

1回戦の相手はパラ神奈川スポーツクラブ。古澤拓也選手(22歳)と鳥海連志選手(19歳)と将来の日本を背負う若きエースが揃っている。対するワールドバスケットボールクラブの先発メンバーは、最年少が30歳の竹内厚志選手であり、3人の40代を擁して立ち向かう。前半こそ24-31とリードされていたが、経験値の差で試合の流れをしっかり読み、58-51で逆転勝利している。

「いかに5人で合わせて戦えるかが大事です。うちには能力が高い選手がいるわけではありません。でも、それぞれの選手の持ち味を出せるように、周りが協力し合えることが必要です。一人が20点を獲らなくても、2人で15点ずつ取り合った方が30点になります。そういう意識で全員が得点を獲れるようなチームにしていきたいです」

今大会へ向け、「やっぱり得点が獲れなければ勝てません」とこれまでのディフェンス重視のスタイルから、オフェンスの強化に専念してきた。
「まだまだ連携はチグハグしています。もう少しお互いを尊重して助け合えれば、さらに良いオフェンスができるようになると思っています。今大会はそれがうまく出せなかったからこそ、まだ伸びしろはあるということを気付かされました」
常に4強へ進出してはいるが、準決勝の壁を越えられずにいる。オフェンス力を高めていけば、その壁を越えられると大島選手は信じてもいた。

2020年東京パラリンピックの舞台である武蔵野の森総合スポーツプラザではじめて大会が行われた。初戦はサブアリーナだったが、「メインアリーナで試合がしたかった」と最初の目標を叶えることはできた。
「やっぱり良いですね。この大きな会場で試合ができることは、選手として幸せなことです。得点が入るたびに観客が盛り上がっていたので、楽しいですよね。バスケットは本当に楽しいです。この経験を試合には出られなかった選手たちともしっかり共有していくことが大切です」

このアリーナを経験したからこそ、2020年パラリンピック出場への意欲が出たのではないかと思ったが、「いやいや、もうそんなレベルで到底できないですよ」と即答された。
「日本代表がメダルを獲れるような戦いをしてくれるように応援しています。それが東京パラリンピック後の車椅子バスケの盛り上がりにもつながっていくと期待しています。鳥海や古澤など若い選手たちがもっと活躍して欲しいです。ちょっと今回はその二人を活躍できないようにしてしまいましたが…」

大きな壁になるベテランがいるからこそ、若い選手たちは成長できる。まだまだ大島選手には立ち塞がってもらわねばならない。平均年齢38.8歳、13人中10人が35歳以上のワールドバスケットボールクラブが、4強の壁を越えることは大きな希望でもある。成長に年齢制限はない。

日本車いすバスケットボール連盟

文・写真 泉 誠一