新潟のスコッティ・ピッペン(新潟経営大学 #30 今村佳太選手)

NBAレジェンドの一人であるスコッティ・ピッペンは、大学入学当初は185cmほどだった。それまでガードを任されていたが、入学後の1年で15cm身長が伸び2mを越えた。身長に比例するようにメキメキと頭角を現していく。シカゴ・ブルズ入りした後、その才能を開花させ、6つのチャンピオンリングを手にしたのは有名な話である。同じようにハンドリングの良い191cmが新潟経営大学にいた。4年生の今村佳太選手である。

「中学校卒業時は170cmほどしかありませんでした。高校で185cmまで伸び、大学に入ってからもちょっとずつ伸びて191cmまでになりました。身長が伸びるのは遅かったですが、ずっとガードをやってきたのでアウトサイドプレーやドリブルも全く苦ではないです。それが自分の特長であり、このインカレでも存分に出していきたいです」
少し成長は早かったが、アメリカで活躍する渡邊雄太選手(ジョージ・ワシントン大学4年)も似たケースである。

初戦は東北学院大学に80-51で快勝した新潟経営大学は、2回戦へと駒を進めた。今井選手はゲームハイの18点/9リバウンドと活躍。これまでの2年間も1試合22点を挙げるなどオフェンス力はすでに証明済みだ。集大成となる今年は、「1年〜4年まで上下関係もなく、どんな展開であってもコミュニケーションを取ることを大切にしてきました」というチームワークを発揮。そのプレーがしっかりと表れていたのがディフェンスである。

ドライブで抜かれたり、身長で劣っている仲間に対して、カバーやダブルチームで助けに行き、チームディフェンスの要として体を張る。「チームがきつい時間帯に率先して声を出すことは1年間通してやってきましたし、それが形となって出すことができています」とエースとしての自覚を持ち、士気を高めていた。

1年間でパワーアップした成果を試す王者との戦い

一昨年前は初戦で日本体育大学に、昨年は2回戦で専修大学にそれぞれ敗れている。3度目の正直となる4年生となった今年は「ベスト8」を目標に掲げた。つまり、昨年越えられなかった2回戦突破を意味しており、同時にシード校の関東勢を倒さなければその目標に達することはできない。

2年前の日本体育大学戦で敗れたとき、「全くフィジカルの部分で通用しませんでした」と痛感し、その後は1日6回の食事をこなしながら体を大きくすることに努め、1日も欠かさずにウエイトトレーニングを行って体を作り上げてきた。昨年のプログラムを見ると80kgだった体重が、今年は92kgへとパワーアップに成功している。
「フィジカルの面では関東勢は強いですが、自分だって通じる部分はあると思うので、どんどんチャレンジしていきたいです」

ポイントガードからセンターまでオールラウンダーとして活躍する今村選手の真価が問われる次戦(11月21日(火)17:00)、王者・筑波大学に挑む。1回戦を突破した後のミーティングでは田巻慎吾監督から「明日が勝負だぞ」と気合いを入れる声が聞こえてきた。
「目標を達成するためにも破らないといけない相手ですし、対戦できるのが本当に楽しみです。自分たちの力を試すにも最高の相手であり、勝って目標を達成したいです」

小学生の頃から憧れていたアルビレックス

新潟県長岡市出身の今村選手。「小学生の頃からことあるごとに試合を観に行ってました」というのは地元のプロクラブである新潟アルビレックスBBだ。Bリーグとなり、ホームタウンが長岡市に移ってきたことでより身近になり、その憧れはさらに強くなっている。
「インカレが終わったらBリーグのステージに行きたいですし、地元のアルビレックスにぜひ入団したいです。プロの世界でさらに自分のプレーを磨いていければ良いと思っています」

「同じような身長の選手たちは刺激になります」と挙げてくれたのは比江島慎選手(シーホース三河)とステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)。「どんどん自分のバスケット人生としてのキャリアも積んでいきたい。まずはプロのステージに立って、日本代表にもなりたいと思っているので、そこを目指して努力していきたいです」と高い目標を持っているとともに、今後の成長次第では日本屈指のビッグガードにだってなれるはずだ。

第69回全日本大学バスケットボール選手権大会

文・写真 泉 誠一