プロ経験ある指揮官たちの挑戦 ー後編ー (東洋大学 佐藤信長ヘッドコーチ)

当たり前──それは指導者のおごりでしかない

2017-18シーズンまで青森ワッツを率いた佐藤信長ヘッドコーチは現在、関東大学2部リーグの東洋大学にいる。現役時代はノンフィクション小説『ファイブ』で描かれたアイシン精機(現シーホース三河)の一人であり、トップリーグで活躍。パナソニックを最後に現役を退いたあと、母校の能代工高で指導者の道を歩みはじめてから10年余りが経つ。

プロでのコーチ経験をさせてもらってから東洋大学に来ましたが、当初は正直申してこれもできないのかと思う部分がありました。プロでは当たり前のプレーをこの時期にしっかり教えていかなければプロでは通用しないですし、選手のためにもなりません。もっと言えば、日本のバスケの発展にもつながっていかないと思っています。プロで得た経験を踏まえた上で、今も指導しているつもりです

2部とはいえ、間口が広がったBリーグを目指す選手がおり、そこへ引き上げるためのレベルが基準となる。一方で、高校、プロ、大学と様々なカテゴリーで指揮してきたが、コーチングフィロソフィーは一貫していた。「知っていると思っていても、相手にとっては知らないことがたくさんあります。当たり前だとこちらが腹をくくってしまうと結局はゲームでできず、それは指導者のおごりでしかない」と丁寧な指導を心がけている。「分からない前提で全てを教えていった先に結果がついてくることを、いろんなステージで経験をしてきたことで気付かせてもらいました」と続け、選手たちと向き合う姿勢はどのカテゴリーであっても変わらない。

スプリングトーナメント(第68回関東大学バスケットボール選手権大会)では、1部に昇格した日本体育大学に84-108で敗れた。「出だしに尽きる。最初の5分はしっかり入りなさいと言ったが、それができなかった」という敗因どおり、第1クォーターに13-30と引き離されてしまった。第2クォーター以降は互角の戦いができていたが、「1部に上がった自信を持つチームと、2部にいるチームの差は感じました」と悔しい結果に終わった。

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