Deco PHOTO:能代カップ2017

薫風が吹き始めた秋田・能代市に、今年も高校バスケットの猛者たちが集結した。彼らが目指すところは、常に日本一。そのための一歩として、彼らは「能代カップ」で自分たちの“今”を知る。

第7位 県立能代工業(秋田) 0勝6敗

全敗の結果に多くのファンは落胆する。しかしそれは“必勝不敗”の能代工だからこそ。何度だって這い上がってみせる。

昨年度から引き続き、チームの中心にある#5児玉海渡。初日こそ力を出し切れなかったが、強豪校に引っ張られながら、大会のなかで自らを引き上げていった。

彼らがいるから、ロスター(ベンチ入りできるメンバー)は頑張れる。整然とした応援は今も健在。

第6位 開志国際(新潟) 2勝4敗

県内ではライバル・帝京長岡と激突する。4月に入って編成し直したというチームは未完成ながら、内外角のバランスがよく、これからが楽しみだ。

右ひざのケガを乗り越え、2週間前にコートに戻ってきたエースガード#4伊藤領。まだまだスピードもキレも戻っていないが、彼の復帰が相手チームに与えるインパクトは大きい。

1年生ながら、存在感を示す#14ジョフ・ユセフ(ガンビア)。インサイドだけでなく、3ポイントシュートも決めるなど、多彩な動きを見せた。

第5位 市立船橋(千葉) 2勝4敗

190センチを超す赤穂雷太、田村伊織(ともに青山学院大1年)が抜け、スモールバスケットで全国上位を狙う。やんちゃな市船バスケットが戻ってきた!

これぞ、スモールバスケットの真骨頂。圧倒的な高さを持つ留学生をボックスアウトで封じ込め、他の選手がリバウンドに飛び込む。#7野崎由之の跳躍力は必見!

やんちゃな選手たちの手綱を近藤義行コーチがしっかりと捌いていく。それでいて、勢いに乗せるところはコーチ自身が盛り上げていく。市船ベンチはいつもおもしろい。

第4位 中部大学第一(愛知) 3勝3敗

「いつものバスケットができなかった」と常田健コーチが認めるように、能代カップの雰囲気に少し飲まれてしまった。それでも初参戦ながら3勝をあげたことは夏につながる。

爆発的なドライブで相手を抜き去る#5坂本聖芽。コンビを組む#4星野京介との攻撃力は高いが、攻守においてチームを引っ張る存在になるためには、もう一皮むけてほしい。

2年生ながら司令塔としてゲームをコントロールする#9中村拓人は、ドライブでも非凡な才能を見せていた。星野、坂本が叱責されているなかで、自覚が芽生えたか?

第3位 福岡大学附属大濠(福岡) 4勝2敗

ここ1,2年、全国で苦杯を飲まされ続けている福岡大大濠。今大会はU19、U16に選手を送っている時期にある試合を想定して、さまざまな準備を重ねていた。

200センチのビッグマン、#15井上宗一郎。フィジカルだけでなく、メンタルの弱さも昨年まで散見されたが、今大会では落ち着いてゴール下を支配。今なお成長中。

今年度のルーキー(新入生)のなかでは、全国的に見てもトップクラスにある#14横地聖真。爆発的なオフェンスに加え、少しずつディフェンスも身につけ始めている。

第2位 明成(宮城)5勝1敗

昨年の下級生チームがほぼそのまま繰り上がった明成だが、いまだ完成形には程遠い。それだけに、ここから名将・佐藤久夫コーチがどんなチームにするのか、注目したい。

#8八村阿蓮とともに、攻守においてチームの中心にある#6相原アレクサンダー学。佐藤久夫コーチの厳しい言葉にも負けず、積極的な姿勢を随所に見せていた。

3日目の開志国際戦。#10田中裕也がブザービーターを決めて、勝利を得る。歓喜の雄叫びをあげるベンチメンバーと、淡々と受け流す佐藤久夫コーチのコントラスト。

第1位 洛南(京都)5勝1敗

絶対的なビッグマンがいるわけではない。だからこその原点回帰。伝統の「パス&ラン」で能代カップ2017を制覇。高さのある府内のライバル、東山にスピードで挑む。

今大会のロスターで唯一190センチを超す#6津田誠人。登録ポジションはセンターだが、アウトサイドからの1対1にも長け、リバウンドでも孤軍奮闘する。

福岡大大濠の横地と並び、今年度のルーキーのなかでは注目度がトップクラスの#15星川堅信。体幹の強さから、多少のコンタクトではブレないが、もう少し強引さが欲しい。

能代カップを支えるのは地元の高校生たち。彼女たちがいてくれるかららこそ、全国トップクラスの選手たちはここで鎬を削ることができる。我々もよい(?)写真が撮れる。感謝を込めて。

フォトグラファーあとがき

高校生のバスケットにはいつも心が洗われる。
コーチを含めた大人が「今は練習の成果を確認し、これからの課題をあぶり出す時期」などと言っても、彼らは常に目の前の相手を倒して、ただただ己の勝利のために懸命にプレイしているから。
勝利至上主義がよくないだって? そんなもん、ナンボのもんじゃい! とにかく、オレは勝ちたいんや!
と、言ったとか、言わなかったとか……
コーチにどやされ、凹んでも、次のゲームはやってくる。息つく暇はない。
もっと強くなれ!
もっともっとタフになれ!

そう念じながらシャッターを押してみた。

この写真のなかに、我が「バスケットボール・スピリッツ」が誇る美人フォトグラファー、安井麻実さんの目に適うものはあるだろうか?
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文・写真 三上 太