記念すべき20回目のWリーグが開幕

10月19日、富士通レッドウェーブvs東京羽田ヴィッキーズから20周年を迎えたWリーグが開幕した。序盤は激しいディフェンスを見せた富士通が、昨シーズン以上にスピーディーな展開を繰り広げ、前半を終えて55-38と17点差をつけて折り返す。後半に意地を見せた東京羽田も、ディフェンスのプレッシャーを強めて巻き返しを図る。東京羽田#7秋元千那実選手やルーキー#25津村ゆり子選手が思い切りのよいシュートを決めて追い上げていく。しかし前半で開いた差が大きく、82-72の10点差で富士通が逃げ切り、ホームでの開幕戦を勝利で飾った。

『負けず嫌いでなければトップレベルでは通用しない』

3シーズンぶりに富士通に戻ってきたBTテーブスヘッドコーチ。開幕戦を終え、「良いところも悪いところも出てしまった。20点差をつけたあと、基本的なディフェンスが緩くなり、向こうが勢いに乗ったときにターンオーバーが多かった。ミスすれば10点差に追いつかれてしまうし、それがなければもっと楽勝で勝てていた」と集中力を欠いた試合に納得のいく内容ではなかった。しかし、前半に見せたスピーディーな展開から点差を離していく姿が、テーブスヘッドコーチが求めているスタイルである。集中力さえ続けば、あの爆発力は脅威となる。

昨シーズン10位の東京羽田が5位富士通に対し、後半は対等に戦える力を見せた。それゆえに「相手の足を使った、すごくエネルギーを使ったオフェンスに自分たちが戸惑ってしまった。リバウンドもしかりだが、前半のディフェンスが全てだった」と序盤に圧倒されてしまった部分を悔やむ棟方公寿ヘッドコーチ。しかし、「技術的には全部が劣っているかと言えばそうではない」と選手たちに自信を持たせ、修正しながら初勝利を目指す。

この対戦は、富士通#10町田瑠唯選手vs東京羽田#12本橋菜子選手の女子日本代表ポイントガード対決に注目が集まった。棟方ヘッドコーチは、「お互いに意地になって1on1をしていた。本橋もやり返していたがフィニッシュを決められなかった。でも、それで良い。そういう気持ちを大事にしたい。結果ではなく、負けず嫌いでなければトップレベルでは通用しない。おもしろかった」と司令塔の成長に目を細めていた。

Bリーグクラブを率いたヘッドコーチたち

昨シーズンは富山グラウジーズのアシスタントコーチを務めていたテーブスヘッドコーチ。棟方ヘッドコーチも2シーズン前は山形ワイヴァンズのヘッドコーチであり、二人とも男子プロチームで指揮を執った経験の持ち主である。テーブスヘッドコーチは、「20点差をつけた前半は楽勝な展開だったのに、その後は集中力を欠いてしまい逆転されそうになった。良いプレーがいきなり消えてしまう。もちろんそこにはコーチの責任もあるけど、男子は急に流れが変わることがないので、そこは女子の難しいところ」とこの試合の内容を例に、男女のコーチングに対する違いを挙げた。

「言うことを聞く耳を持っているのは男子よりも女子の方がある。ただ、それを実際に行動に移すことに関しては女子の方が時間はかかる。男子は1回言えば分かってしまう良さもあるが、それも含めて女子を教えるのは楽しい。しつこく教えることも苦ではない」という棟方ヘッドコーチは、「どちらかと言えば女子向きなのかな」としっくりと来ているようだ。

さらにテーブスヘッドコーチは「ファンダメンタルの練習は男子よりも多くしている」と、男子であれば簡単に習得できるプレーも、女子は時間がかかることを挙げた。それでも「全てにおいて真剣に取り組んでくれるのでコーチしやすく、そこは女子の良いところ」と3シーズンぶりの女子の指導を楽しんでいる。

11連覇に挑むJX-ENEOSサンフラワーズは本日開幕

残る10チームは、本日20日(土)に全国各地で開幕戦を迎える。過去19シーズンで優勝したのは前人未踏の11連覇に挑むJX-ENEOSサンフラワーズの他に、シャンソン化粧品シャンソンVマジックと富士通レッドウェーブの3チームしかいない。新たなチャンピオンが誕生し、歴史を変える20年目になるかもしれない。世界で実績を残している女子選手たちにとっては、Wリーグでしのぎを削り合いながら、2020年東京オリンピックへ向けた競争が繰り広げられる。

ぜひ、お近くの会場で世界レベルを体感していただくとともに、全試合W-TVにて無料配信されているので気軽に観戦が可能だ。また、今シーズンよりWリーグもバスケットLIVEでの中継がはじまり、OGによる実況解説も楽しめるゾ。

余談ではあるが、ノース・カロライナ・ウィルミントン大学に進んだテーブスヘッドコーチの長男、テーブス海選手は来週10月27日よりNCAA ディヴィジョン1での新たなシーズンがはじまる。開幕ロスター入りを勝ち獲り、NBAのコートに立つまで秒読み段階に入った渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)や、八村塁選手(ゴンザガ大学3年)に続く、188cmのポイントガードの成長も楽しみだ。

開幕節ゲームスケジュール

■10月20日(土)
13:00 デンソー vs 日立ハイテク@ウィングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)
14:00 JX-ENEOS vs 山梨@成田市中台運動公園(千葉県成田市)
14:00 アイシンAW vs シャンソン@マエダハウジング東区スポーツセンター(広島県広島市)
15:00 富士通 vs 東京羽田@スカイアリーナ座間(神奈川県座間市)
15:30 トヨタ紡織 vs 三菱電機@ウィングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)
16:00 新潟 vs トヨタ自動車@阿賀野市水原総合体育館(新潟県阿賀野市)

■10月21日(日)
13:00 デンソー vs 日立ハイテク@ウィングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)
14:00 JX-ENEOS vs 山梨@成田市中台運動公園(千葉県成田市)
14:00 新潟 vs トヨタ自動車@阿賀野市水原総合体育館(新潟県阿賀野市)
14:00 アイシンAW vs シャンソン@マエダハウジング東区スポーツセンター(広島県広島市)
15:30 トヨタ紡織 vs 三菱電機@ウィングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)

Wリーグ

文・写真 泉 誠一