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【Wリーグ2018-2019総括①】

日常を“強み”に昇華させたファイナリスト~三菱電機コアラーズ

20周年という節目のシーズンを終えたWリーグ。そのセミファイナルでトヨタ自動車アンテロープスを破った三菱電機コアラーズのエース、渡邊亜弥が初戦の記者会見でこんな発言をした。

私たちはハドルが強みなので

私、失敗しないので――と豪語する女医かのように、力強く発したその言葉にドキリとした。

激しくプレッシャーをかけるディフェンスでもなく、インサイドとアウトサイドとでバランスよく得点をあげるオフェンスでもない。どんなゲームの中にでもあるいくつかの時間の切れ間。そこで集まる“ハドル”こそが三菱電機の強みだと言うわけである。

そうした時間の切れ間は、しかし、円滑にゲームを進めるため審判が短くしようと促すことが多い。時間にして5秒前後といったところか。そんなわずかな時間さえも今シーズンの三菱電機は無駄にせず、むしろそこに神経を注いでいた。

1勝1敗で迎えたセミファイナルの第3戦、リードしていた三菱電機が「やられてはいけない」と考えていた3ポイントシュートを連続して決められ、逆転されたときもそうだった。「もう一度そこ(3ポイントシュートに対するディフェンス)をやり直そうと(コートの)中でも話をして、しっかりと修正できたことが」、今シーズン一度も勝てていなかったトヨタ自動車を下し、初のファイナル進出を果たす要因となったのである。

これまでは修正点を個々がそれぞれの頭で考えていても口に出せず、プレーにも表すことができなかった。しかし皇后杯でトヨタ自動車に敗れてからは、チーム内で何をどうするべきかと表現するようになった。そしてそれはゲームの最中に「自然とハドルができる」ところまで昇華していったというのだ。

チームスポーツでは「共通認識を持つ」ことの重要性が説かれる。しかし育った背景の異なる選手が集まり、それまでとは異なる考えを持つコーチのもとでプレーしようと思えば、共通認識を持つことはけっして簡単なことではない。それは今シーズンのトヨタ自動車や、シーズン序盤にチーム内が揺れたデンソーアイリス、かつてのヘッドコーチが戻ってきたもののうまくかみ合わなかった富士通レッドウェーブなどを見ても明らかだ。日本代表クラスの選手を擁してもなお、共通認識を持つことは難しいのである。

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